日産eパワーは普通のシリーズハイブリッドなのに日産の説明が誤解を招いていた

日産は今までeパワーの紹介を下のイラストで行っていた。「発電機によって作られた電力はバッテリーに入る」という説明。このイラストのため、eパワーを「発電機を搭載した電気自動車」だと理解してしまった人が多い。つまりモーター出力を163馬力とした場合、いつでも163馬力で走れると考えてしまうワケ。これ、旧経営陣の宣伝戦略です。

実際はどうか? 発電機で作った電力をインバーターに入れている。エンジン98馬力。モーター163馬力のセレナで考えてみよう。60馬力で巡航するときは、エンジンで作った60馬力をインバーター経由でモーターに送る。いわゆる「シリーズハイブリッド」だ。加速すべくアクセル踏み込んだとしよう。するとエンジン出力に加え、バッテリーからもインバーターに電力を送る。

だからエンジンだけのクルマよりアクセルレスポンスがよくて楽しい。アクセル全開したらどうか? エンジンは最高出力の98馬力で発電機を稼働させるため98馬力分の電力をインバーターに送る(実際はロスがあるので98馬力までいかない)。モーターは163馬力まで出せる。163馬力からエンジン発電分の98馬力を引いた65馬力がバッテリーからインバーター経由の出力です。

ただアクセル全開だと2分前後で使い切ってしまう。セレナeパワーのリチウム電池は1.5kWhしかないからだ。しかもSOC(実際使っている容量)は半分以下。フルに65馬力を出している時間となればさらに短い。使い切ってしまうとバッテリーからインバーターに行く電力は無くなるため、エンジンの98馬力だけで頑張るということになる。これ、トヨタでもホンダでも同じ。

eパワーはアクセル全開だと走行用電池は2分くらいで使い切り、そこからエンジンパワーだけで走ることになります--ということを説明しても、日産が上のようなミスリードをしているから困る。この件、新生日産に言うと「誤解を招くので今後は是正していきます」。この一点で新生日産は少し期待出来るかな、と思った次第。第3世代eパワー、期待していいです。

いや、第2世代eパワーでも100km/h以上出さなければ燃費だって極端に落ちない。アクセルレスポンスは一番良くて楽しいです。ノートなど新生日産がお客さんを大切にするようになったらもっともっと売れると思う。

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