日野自動車、CJPTからの除名が意味することは事実上の企業解体です
日野自動車がCJPTから除名されたというニュースは御存知だと思うけれど、その意味についちゃあまり理解されていないようだ。そもそもCJPTは「オールニッポンで環境問題に代表される諸問題に乗り組んでいこう!」という理念で2021年3月に始まった。トヨタ、日野、いすゞの3社で立ち上げ、スズキとダイハツも加わっている。燃料電池や電池、ハイブリッドなど提携は広範に及ぶ。
商用車市場は乗用車市場より小さいため個別で開発していると世界と戦えない。各社得意とする技術を持ちより、それぞれ集中して開発。果実はCJPT全体で分け合いましょうということ。商用車業界にとっての核心的な生き残り戦略である。そこから「除名」という極めて厳しい処分を受けたということは、もはや「日野自動車」という企業体じゃ復帰出来ないことを意味する。
このニュースに接し「日野自動車は事実上解体の可能性が高くなりましたね」と思った。どういうカタチになるか解らないけれど、大型トラック部門に代表される一部をいすゞに。本体の大半はトヨタに編入されるというのが最も可能性の高い方策かと。参考までに書いておくと燃料電池バス『SORA』はトヨタブランド。生産工場が日野自動車。ランクル・プラドも日野自動車製だ。
撮影は固定カメラ。念為
大型車は需要の増えるいすゞに居抜きで売却。いすゞのエンジンを搭載すればいい。不正と関係の無いエンジンと車体はそのままトヨタが引き取る。燃料電池バスや電気バスなどもトヨタブランドで販売するということ。これなら日野自動車のダークサイドな部分を全て切り落とし、生産整備だけ引き継げる。というかもう日野自動車の看板じゃ今後何年かクルマの販売など出来ない。
もちろんCJPTからの除名は日野自動車の親会社でありCJPTの60%の株式を所有するトヨタの強い意向だと思っていい。豊田章男社長も今回の不祥事ついて強い不快感を示すコメントを出している。だからこそあっという間の除名処分になった。今回の不正問題、トヨタは全く容認する気無し。連続したディーラーの不正車検問題も責任者を退任させ、厳格な友山さんをTOPに置いた。
政治や行政もこのくらいガッツリとした処分や対応をしてくれれば我が国はもう少し良くなるのに、と思う。
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モリゾウ社長のコメントを読みました。世の中的には、筆頭株主で親会社の立場なのに、まるで他人事のようだという見方をされているところもあるようです。
すっかすですね、自分はこれまで、モリゾウ社長のこんなに冷淡なコメントを見たことがありません。これは社長が、本気で身を切る覚悟をしたと感じました。
何とか団体は初めて知ったので重みはよくわかりませんが、明らかに脱退は、トヨタから日野に対する最後通告。。。
それにつけても、モリゾウ社長率いるトヨタグループをしてこの有様ですから、2世3世、口八丁手八丁の政治の世界がどれだけイカれていることか。。。
日野自動車という名前自体がなくなるかもしれませんね。
現実的な路線で考えていくと、ハイエースやランクルを製造しているトヨタ車体(旧アラコ)が吸収するのかなという妄想が働きます。
大型トラック部門は国沢さんの仰る通りいすゞ自動車が居抜きで引き取るとトラックの3/4がいすゞの寡占状態になってしまう恐れがある為、共同出資会社に再建するかもしれません。
現実的な中身は実質いすゞの技術で生産されるものとして当面やっていくしかないのかも。
VWがディーゼルゲート事件を起こしたのと同じかそれ以上のインパクトがあります。
悪しき見本にすべしかと思います。
酷すぎますよね。
日野自動車は重症です。販売店の人が可哀想です。でも、昔の三菱ふそうのリコール隠し事件のあとも、巨大な兄弟である重工などから見離されダイムラーの傘下になったとはいえ、現在も生き残っています。今回の日野もなんだかんだいって残ってしまうのではないかと思います。トヨタも外面では厳しいこと言ってますが、裏では権力駆使していきそうな気がします。
トラック画像は、いすゞのキャビンになっちゃってますょ〜
トヨタは日野へ経営陣を送り込んでいるため、親会社として何らかの責任を取らなければ幕引きはできないでしょう。それが日野を解体してトヨタへ編入させることならば既に台本が書かれているかもしれません。不正の日野から世界一のトヨタへブランドが変わることによって再スタートが切りやすいですし、リストラもしやすいと思います。
もっと生産数の少ないバスは
三菱とそれ以外になり、J-BUSという会社
になりました。(日野・いすゞ連合)
大型トラックも同じことになるんでしょうかね?