水没車の行方
東日本大震災やタイの洪水で大量の水没車（新車）が出た。ホンダのアユタヤ工場で１０００台。茨城の日立港ではＳクラスを始め陸揚げしたばかりの１０００台近いベンツや、出荷待ちだったインフィニティ１２００台が津波で冠水している。これらのクルマ、どうしただろうか？ 一昨日の晩、ベンツの情報を得た。
そして昨日のニュースでホンダの動向を報じていた。結論から書くと「全て廃棄処分」だ。洗えば何とかなるだろう、と思う人も多いかもしれない。実際、過去にそういった事例はいくらでもある。でも結果的にダメだった。電装品に始まり各部の腐食、サビの大量発生など、トラブルのデパートになってしまうからです。
ベンツ日本の副社長曰く「少しの冠水であっても躊躇わず廃棄処分にしました」。大幅に値引きすれば売れるだろうけれど、品質の悪いクルマを売ってイメージを落とすより廃棄の方がリーズナブルだという。このあたり、もう少しアピールしてもよい。ベンツの水没車、出回ってるとウワサされてますから。
日産も全車廃棄処分にしている。アメリカ向けのインフィニティだったので、広報は不要かと。そしてホンダ。タイ国内で「水没車をクリーンアップして販売するらしい」というウワサが流れ始めており、そいつをいち早く察知したのだろう。メディアを呼び「全ての水没車を廃棄処分にする」と発表した。
タイ人に聞いてみたら多くの人が「もったいない。洗えば使えるのに。安く売ってくれないかな。でもホンダは凄い」と感じているそうな。ただすでに登録されている車両の水没車は、日本でもタイでも間違いなく多量に中古車屋さんの店頭に並ぶことだろう。こいつを掴んでしまったら、文字通り「ババを引いた」。
水没車を扱った経験のある業者に聞いたら「１〜２年は不具合無く乗れるんですけど、徐々にトラブルが出てきます。４年もすればモグラ叩きですね」。携帯電話のように水没したらすぐ解るような「印」を付けてくれたらいいのに、と思う。相場より安い中古車を買うときは事故経歴でなく水没もチェックしたい。
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すっごい昔ですが、オーストラリア向けのダイハツの車の輸送船が事故で乗せていたシャレード？が水没！、この車を競技車両のベース車として格安で販売をした？、とかをニュースか新聞・雑誌で見た記憶があります。
競技車に出来るような車種であれば公道を走らないことを前提に販売しても良いような？、でも、ベンツやインフィニティでは無理ですね！。
いつも楽しく拝見しています。
国沢さん目線で水没車を見分ける方法など、教えて頂けたらありがたいです。
４、５年前にアラスカ沖を航行してた自動車運搬船が傾いて航行不能になり搭載してた５０００台弱のマツダ車を全車廃棄したニュースをテレビや自動車関連のサイトで見たのを思い出しました。
この情報社会において怪しい車を市場に流せばあっという間に噂が広がれば
業績が大きく傾き取り返しが付かない事態に陥るでしょうね。
海水だと完全にアウトでしょうね。雨水で処置が早ければ問題なく乗れる場合もありますが…ってのは正に前のフィット君が四国縦断超大型台風で床上浸水（←室内まで水が入ってきた）時の話ですが。あの時は市役所職員総動員で夜中に冠水した交差点の真ん中に立って交通整理したり（←コレ、やってみると結構怖いです（笑））既に水没した沿岸地区の土嚢回収したり（←コレも海がすぐソコなので怖いです（笑））と、自分のクルマそっちのけで業務してまして…一段落してヒラ職員は帰宅OK！となったので駐車場に行くと…フィット君はプールの中（笑）。しかし夜中だし他に交通手段がないので無理矢理走らせて帰りました…何とか止まりませんでした…i-DSiエンジンのおかげでしょうか（笑）…翌日ディーラーに持ち込んで車両保険で直しました…室内まで水が入ってるのでECUから触媒からオルタネータから何やらで60万円分位直したら嘘みたいに直っちゃいましたが（←おかげで一気に2等級も下がりましたが）…これはあくまでも雨水＝真水の話です。
…こうなると後は中古車屋さんの良心を信じるしかない様ですね。特にベンツとかの外車は予備知識がない分、素人には分かりませんからね。先日の「セダンを求めてディーラー巡り」の時にBMW高松の営業さんが「BMWに限らず外車は正規ディーラーの認定中古車以外は手を出さないのに限ります。我々も伊達に高い価格を付けている訳ではありませんので」と言ってました。でも外車は利幅が大きいからどうしても変なのが出回っちゃうんでしょうね〜。中古車は少々相場より高くてもディーラーで買うのが一番だと思います。