私は最初からダメだと思っているバッテリー交換システム、やっぱ難しそうですね

2輪各社は電気バイクを共通バッテリーとし、ガソリンを入れるように減ったら交換するシステムを作ろうとしている。実際1年半程前から大阪で『「eやんOSAKA(ええやんおおさか)」』という社会実験を行った。毎月1000円で使い放題というもの。こいつを受け、東京と大阪で『ガチャコ』という同じようなシステムを開始する。これ、厳しいと思う。

なぜか? 月間500kmくらいの走行を前提とした料金が5500円だという! 原付で500km走った時の燃料消費量は多く見積もって15リッター。2400円くらいです。しかも満タン航続距離だって長く、動力性能優勢。年間になると6万6千円vs2万9千円で、3万7千円もの大差が付いちゃう。しかも現時点で電気バイクの方が圧倒的に高額。誰が考えたってダメでしょ。

ただ原価を考えたら5500円は当然かと。そもそも電気料金が掛かる上、交換ステーションの維持費やバッテリーのコストだって大きな課題になってくる。業者の利益も考えなくちゃならない。ただ私は環境問題の普及は精神論だと進まないと考えてます。ガソリン使った原付より安価で利便性高くないとダメ。そもそも3元系リチウムイオン電池使ってるようぢゃね。

少し考えてみよう。50ccバイクのエンジン単体重量って20kgくらい。こいつに燃料タンク分含め、25kgくらいを考えたら、充放電回数3000回以上のリン酸鉄リチウムイオン電池を2.5kWhくらい積める。このくらいの電池だと実用航続距離50kmですね。必要にして十分でしょう。バイク総重量はモーターなど考えたら、現在のバイクの10kg増くらいか?

価格はリン酸鉄リチウムイオン電池が制御機器付きで10万円程度。安い国で作ることにより30万円以下で売れると思う。家庭で充電すると2kWh入れて100円。40km走れたら、明らかにエンジン車より安く付く。ちなみに電池寿命は15万kmほど。十分でしょう。ガソリンスタンド行かなくて済む。こういった電気バイクが出てない限り普及は無理筋です。

というか優れた大学を出た人達がこういったビジネスを考えているんだろうけれど(なんたってガチャコはエネオスなどです)、どうして単純なことが理解出来ないんだろうと不思議でならない。まぁこのあたりは優れたデザイナーばかり入っている自動車メーカーのデザインがダメなこともあるのと同じですね。新規分野は学業の成績でなく地頭の良い人を起用すべきだ。

<おすすめ記事>

7 Responses to “私は最初からダメだと思っているバッテリー交換システム、やっぱ難しそうですね”

  1. ツナミ より:

     私も他人のことは言えないのですが、大企業に就職する時点で真面目な人が多いんだろうなと思います。つまり、いろいろ遊んだりとかの経験がない。だから、出てくるアイデアがバランスの欠いたものになって、デメリットに大きく足を引っ張られる。
    経営者が車で遊んだ経験のない自動車メーカーが下降線をたどるのと同じなのかもしれませんね。

  2. とや ひろし より:

    モーターサイクルの電池交換の日本での実験については台湾で実用化されているからでしょう。一方の日本での規格の発表については、法人が環境問題に配慮しているよという宣伝でしょう。CE 04の内部の写真をみるとスカスカで電池をもっと詰めそうだしE-Vinoもそう。利用が増えてくると需要に迫られるものの、Xeamのような輸入車が多い状況ではグダグダですね。

  3. 山口 より:

    原付スクーターなら駅迄とかスーパー迄とかの使い方前提の電動自転車と同じ方式で 取り外し式のバッテリーを屋内に持ち込んで100V充電にしてくれる方が使い易い様な気がします

  4. NIO方式 より:

    一時期の携帯電話みたいにバイクを格安で配って月額料金で儲けりゃいいんですよ

  5. 小井土雄一 より:

    車でも試みられていますが、今後 バッテリーの性能が上がっていけば、必要なくなるのではないですか。バッテリーはエンジンと同じで、商品力を司るキ一パ一ツになるのではないか。これを規格化して他社と同じものになったら売りがない。私は将来、バッテリーは自動車メーカーが自ら開発し、差別化していくのではないかと思っています。

  6. ドラコ より:

    バッテリー交換システム。10年ほど前イスラエルの企業が4輪で実用化し、日本で経産省関与の元タクシー(車両は日産)で実証実験が行われた。確か有楽町辺りに拠点を設け往復150Kmほどのレンジ。鶴見、大宮が実用範囲。規格化されたバッテリーをバッテリーステーションで交換。脱着機構はイスラエル戦闘機ミサイルシステムの準用とかで実際一分もかからず交換ができた。

    今より電池性能は悪かっただろうし、車両メーカーとしては設計自由度が制限されることから半年ほどで実験終了、その後の話を聞いていない。

    単一など規格化されたバッテリーを複数個使うと言った方法でもなければ電池ステーションの実用化は困難だろう。

  7. くれは より:

    近距離は家で充電、長距離はガチャコ&宿で充電になるだろうから割高でも充分だろうし(EV自動車でもそうでしょ)、エンジンオイルがいらない点なんかも考慮するとこんなもんかなぁって印象

小井土雄一 へ返信する

このページの先頭へ