空洞化は政治が作った
世の中の流れの1歩先を読むことを好む。直近の状況を見ると、国内産業の空洞化問題が大きな話題になり始めた。大手メディ
アはタイとインドで生産されるホンダ・ブリオも空洞化の象徴として見ている感じ。ただ産業の空洞化は日本の政治と、原理主義のメディアが作り出したもの。
実際、きれい事に終始するメディアと、そいつに乗っかる政治が続く限り国内で安い製品を作ることなど不可能。加えて今やバイクで1台4千円。クルマも5千円
あればタイから運んでこられる物流体制になっている。安い価格帯のクルマやバイクは全て海外製になってしまう可能性も出てきた。
けれど1歩先を読むと状況は変わってきます。海外だって未来永劫安価な賃金体制が続くワケじゃない。円高も続かないと思う。その上で「いいものを安く作る」という努力を真剣に行えば、高い競争力を持てる。極端な話、工場の生産ラインから人が居なくなってもいいかもしれません。
前述の通り物流コストは皆さんが考えているよりはるかに安い。労働集約型の部品(ワイヤーハーネスなど)を海外から調達すれば、日本でクルマを生産しても十分な価格競争力をキープ出来る。ここで問題になってくるのが、FTA(自由貿易)。相手国の関税ある限り、日本からの輸出は厳しい。
ちなみにタイで販売されるブ
リオの予価は40万バーツ。1バーツ3円という円高でも120万円だ。日本のフィットと同じ。いや、装備内容まで考えれば高いかもしれない。意外なことにタイで作れば安い、ということでもないのだ。しかも1バーツ3,5円になっただけで140万円になってしまう。
おそらく自動車メーカーは日本で生産することを諦めていないと考える。というか日本で作ることの意義や意味を見直しているかと。政治が自由貿易を真剣に考え、メディアがきれい毎に終始する姿勢を改めれば、日本のポテンシャルは高い。自動車産業の本格的な日本脱出は最悪の状況です。
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良く読んでますね、御大は。流石です。その通りだと思います。
こんにちは。再び高校生であります。
国沢さんが仰るように経済面、政治面から見て日本での生産を見直す必要があると思います。が、その前に私は、単純に国のものは自国で生産するのが、一番良いと思います。日産はマーチをタイで生産していますが、これはもはや日本企業がやってはダメなこと。カルロス・ゴーンは日本にGTーRと言う素晴らしいクルマをもたらしましたが、同時に「MADE IN JAPAN」の大切さを日産から無くしてしまいました。
私は100円ショップが嫌いです。こう言うと回りから、お前は金持ちだとか言われますが、私は普通の庶民です。では、なぜ嫌いなのか。それは、紛れもなく日本の産業をダメにしている要因の一つだと思われるからです。
多くの人は中国製の100円のボールペンと、120円の国産のボールペンがあれば、中国製を選ぶでしょう。でも私は違います。少し珍しいかもしれませんが、国産を選びます。
他に比べてやや高いボールペンでも、過言かもしれませんが、その差額で日本の産業を救えると思うのです。ペンのボール部分を作ってるかもしれない中小企業、流れ作業で組み立てている作業員の人達が思い浮かぶのです。
企業としては、良い製品を作りたいけど、購入側は解ってくれない。コストを下げる。…例えば、低賃金で雇える海外で作るなど。
でも逆に、企業は良い製品を作りたいし、購入側も解ってくれている。じゃ高品質が確保できる日本でつくり、日本人に作ってもらおう。コストがかかっても、売れるから。…こう簡単になるとは限りませんが、クルマだって、野菜だって、家電だって、皆同じ事が言えると思います。
あっ、くれぐれも安いのがダメだと言っている訳では無いです。高品質で安く作れれば、一番良いです。
国沢さんのご指摘された通り経済面、政治面から観ることも大切ですが、まずは我々日本人が日本で生産し、日本製を誇りに思う、その気持ちを持つことも大切だと思います。
そうすれば、日本で生産する意味がより見出だされるのではないでしょうか。
以前、デトロイトがおかしくなり始めた頃に、アメリカで"Buy American!"みたいなスローガンが流行ったことがありました。
まだ日本製のクルマとか半導体、電子機器などがアメリカを始めとして世界中を席巻していた頃です。
ワシントンで、議員達が日本製のラジカセをハンマーで叩き壊すデモンストレーションなんかがあったのもこの頃だったでしょうか。
最近、日本の工場が円高や高い法人税のために海外に逃げていくようになり雇用がどんどん失われていくにつれて、彼らの気持ちがかなりよく分かるようになりました。
高校生さんと同じで、当方もあえて価格が高い国産品を安い中国製や米国製などより優先して買うなんて、以前の自分じゃ考えられなかったことを実践しています。
昼食もマックとか滅多に使わずに、できるだけコメのご飯が食べられる所に行きます。
日本のコメ農家の方々が少しでも安心してコメを作り続けることができるよう希望しつつ。
決して保護貿易主義に走るわけじゃないですが、これだけ日本のモノづくりで空洞化が進行すると、さすがに「どげんかせんといかん!」と思います。
いまこのコメントを書くために使ってるパソコンは台湾のAcer製ですが、今度買うパソコンは(国外で作られたものかもしれないですが)日本のメーカーが作ったものを買おうと思っています。
E90 さんの高校生がいることを日本人として誇りに思います。
どしどし意見を書きこしてください。
感激いたしております。
フーガ買っちゃったよ ハイブリッド
枯れた技術で安く造られる新興国向けのエントリーカーでしたら、技術が流出したところで問題ないですから、現地に工場をつくり雇用を確保してその国で愛される企業になれば良いと思います。(プリウスもタイで造るみたいですから一概には言えませんが)
だだ企業はそれでいいかもしれませんが、国の税収や雇用の問題を考えると、本来であれば日本国内でエントリーカーを製造して海外に売り込む形が望ましく思えます。
ですからTPPを何とか良い方向にもっていって関税の問題を解決出来れば良いですね。それと国沢さんがよく書かれる原理主義者の方々は安全安心を口にしながら実は既得権益を守っている連中の事でしょうか?
そういう連中が力を持っているなら日本では安全安心の押し売りが続くんでしょう。タイで売って良いのなら日本で売っても構わないんじゃないですかね。人は皆平等ですし、安全性の選択は運転者に任せても良いと思います。道交法も取り締まりビジネスとしか思えませんし。息苦しい世の中は嫌なものです。
実際に自動車部品の製造やってる人間ですが国産の車はまだまだ安くできると思いますよ。
メーカーの工場はきっと素晴らしい作業をしているんでしょうが
(見たことないのでわかりませんけど)
一部の中小外注は決して作業効率が良いとは言えない状況です。
問題は個々の部品に対する適切な工賃が誰もわかってない事かと。
他所から回ってきた仕事をやってみると「えっ、こんなに稼げるの?」って事もあれば、
親会社から指示された作業の仕方が異常なほど効率が悪い事も。
さらにまともに在庫管理が出来てない事務員を雇っては発生する謎の「管理費」。
これも部品の単価に上乗せされてます。
基本的に上の会社は品質については物凄くうるさいですが、
作業の仕方や効率については特に何もアドバイスしません。
というより、最適な作業の仕方なんて知らないのでアドバイスできません。
そんな会社が部品の単価を決定してるわけですから、
おそらく無駄に単価が高い部品も多々あるでしょう。
ちゃんと色んなところで見積もり取ってくれればいいんですけど、
基本的には技術力はあまり関係なく営業が上手いところが仕事取ります。
「末端の部品の単純作業の製造なんて誰がやっても同じでしょ?」
と思われがちですが、全然そんなことなく、
ロボットプログラムの最適化や、作業者の技量によって作業効率や品質に雲泥の差がでます。
「もっと単価下げてもいいから仕事が欲しい」
と思っている、優秀な中小企業はまだまだあるはず。
今の体制を早く見直さないと製造を日本国内に取り戻すのは難しいでしょう。
海外生産であっても月日が経てば確実に効率も品質も向上しますから。
「効率を求めると品質が下がるのでは?」
と言われそうですが、
経験上、作業効率の悪い会社の方が圧倒的に不良を出す数多いです。
日本だと「設計や開発はいいけど単純作業の仕事は底辺の人間がやる仕事」
と思われてるのが辛いですね・・・。
実際車を作っているのは作業者ですし、
確実に作業者の気質や技量は車に反映されます。
タイ産の新型日産マーチを見て、いかに現代ビジネスの必要悪とはいえ、我が国の自動車産業も玩具(ミニカー等)や日用品/事務用品並みにアジア諸国製に席巻されて「空洞化ここにあり」というのが何とも感慨深いです。
これらの現象は、日本のメーカーというのもやがては第三国製の商品の輸入販売を行うだけの「たかだか商社」に成り下がってしまい、モノづくりの最前線から遠ざかってしまうという危惧を裏付けるものと見えますが、絶対そうあってはならないのは言うを待ちません。
我が国の労働コストは世界有数の高さと言われますが、そうした高コストを正当化できるだけの知恵やアイデア、技術力に富んだ製品を一球入魂で生み出せる市場構造なり産業システムを創造していくことが必須であると今強く言いたいです。決して粗製濫造のコスト最優先の商品が共食いを演じる市場であってはならないのもさる事ながら、これこそが日本のガラパゴス化→中国からASEAN各国までの新興国による撃墜を誘発する要素ではないでしょうか。
何より、我が国には中小企業が育つビジネスモデルの定着が絶対急務である上、いかに中国やASEAN頼みとは言っても低コスト由来の価格競争力が永遠に続くなんてとんでもないことを認知するべきではないかと思います。
「アジアのエース」中国も元が徐々に値上がりしている上、従来展開されてきた沿岸部を中心とする「三年毎の労働者入れ替え」による賃金ベースアップの抑制なる経済原理が今後どう続くか予断を許さないのは事実です。同国がWTOへの本格加盟、社会主義政権がどう展開していくか一筋縄では行かない中、中国流ビジネスモデルは決して磐石とは言い切れないことを肝に銘じて政財界挙げての製造業の支援体制が日本に必要であることは信じて疑いません。
最近書店で平積みされている、藻谷浩介氏著の「デフレの正体」を読みました。
いや、目からウロコでした。日本で、金が天下に回らなくなった原因が、克明に記されています。
自分は、日本経済や社会の実態と、政策や理論の差違がようやく見えてきた気がしています。
是非お勧めです。