膨大な在庫で赤字に
今回の景気低迷に於ける日本の自動車メーカーの対応を見ていると、必要以上に過敏になっているんじゃないかと感じること
だろう。実際、日産やマツダといった内部留保の少ないメーカーだけでなく、トヨタやホンダまでが「カット出来るブブンは全てカットする」という強固な対策を取っている。なぜか?
在庫が世界レベルで急激に膨らんでいるからだと思う。トヨタの場合、年初は年間1040万台という目標を立てていた。しかし! 9月から失速。直近のコメントを追うと、8月に970万台へ下方修正。12月は800万台
前半まで引き下げる、という憶測も流れ飛んだ。ところが現実は800万台もアブナイ状況だと言う。
逆に考えると9月一杯は通常のペースで生産を続けており、そこから急速に在庫増加したということ。8月まで90万台売れていたのなら、その時点での通算販売
が720万台。8月生産分から在庫になったと推測すると、最大で200万台程度の在庫を抱えてしまっている可能性大。平均単価200万円としたなら4兆円分だ。
ホンダや日産だって厳しい。トヨタの5分の2程度だとすると1兆6千億円。さらに危機的なのが「依然として在庫がはけていかない」ということ。聞けば12月の販売状況ときたら信じられないくらい悪いのだとか。このままだと固定費分だけでなく在庫分も赤字になってしまう。2008年下期は、信じられない赤字額になる可能性大。
だからこそ各メーカー、可能な限りの出費カットを行い始めたワケです。トヨタやホンダといった内部留保の多いメーカーだって厳しい。やがて発表される三菱自動車やマツダの状況は驚くほど厳しいかもしれない。
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自動車メーカーの反応は過剰ではない。アメリカ主導の大量生産、大量消費が行くところまでいって、うまくいかなくなり最後の禁じ手のサブプライムローンの破たんでバブルの部分があっというまにはげ落ちてしまった。バブルの恩恵を一番受けていたのが自動車メーカ。大量の生産、販売設備が一気に過剰になった。経営者はどの程度過剰かわかっているはず。この販売減や円高の底が見えない中、短期的では戻らない・・いや長期的にも前までは戻らないと思うのは正しい判断。小型化、エコ化が一層進み、たとえ販売台数が戻っても販売単価のが下がる分販売額は戻らない。経営者にとって、ローコスト化・エコ車の開発、為替に左右されない生産態勢(販売する国で生産する・・日本の空洞化)などの課題克服に躍起にならざるを得ない。克服したメーカーのみが生き残るだろう。当然、ビッグ3に勝ち目はない。
トヨタが10月に今期決算見込みを発表したとき、私はこのコラムで赤字になることを予測した。このままの状態でいたら来期は2兆円位の赤字だって決して大げさではない。社長が真っ青になっているのは当然なのです。
このような状況で株価が割安だというのいかがなものか。少なくとも人には勧められないと思う。大規模なリストラ費用、エコー車の開発費用を考えるとあっという間に潤沢なキャッシュや預金が目減りします。
このことは日本経済にとって大打撃になります。私たち
個人個人が委縮せず、自分の足元を固めることが肝要だと思います。
下のコメント少し焦点がズレてるよね。なぜか感情的だし。今回も国沢先生の見解が正しいよ。見込み生産した在庫があまりに膨大である点がポイント。急激な販売の減少で在庫が捌けず、そのままロスになる可能性もあるということ。ある意味、その償却のための減産であり雇用調整なわけです。経営陣はその「償却」期間まで弾いてるよ。だから国沢先生を始め、実状を知る立場にある人間は、一連の騒ぎが大袈裟に感じられるわけ。
自分はズレてるとまでは思えません。
アメリカの代わりに買ってくれそうな中国やアラブにロシアもどうなるか疑わしいところです。
たとえ経済的落ち込みがマシだとしても、突如態度豹変保護主義になりそうと疑わしいし。
内需依存に変えようとしても難しいと思います。
大学4回生の6割以上が「海外旅行に行ったことがない」と載っていましたが、
車離れも車好きの我々が思っているよりかなり顕著です。
また、原油の値段が高いままで推移していればエコカーの需要も盛り上がってきますが、
投資したものの効果薄だったなら日本の車業界は傷手でしょう。
それに例えば電気自動車なんて、作ろうと思えば日立とか他のメーカーが作れる時代が来てもおかしくないのではないでしょうか。
将来は電機メーカーの自動車業界への参入なんてあるのかもしれません。
自動車メーカーが日本経済を引っ張る時代はもう終わった、と個人的には思います。
一旦は盛り返すとは思いますが、株価が最安値更新は2009年も続くと思います。
キモ。近頃多いんだよ。「脳内エコノミスト」ロシアだの電気自動車だのってよく理解してるのかよ。投稿が自由だからって対等に意見表明できると思うなよ。