自動ブレーキ、一段と高い性能へ追求が始まった

スバルやトヨタ、ボルボなどは自動ブレーキが事故防止に決定的な効能を持つことを発表している。いずれも追突事故など80%以上の防止効果を確認出来たというから素晴らしい。販売台数に大きな影響を与えるということもあり、ここにきて一段と高い性能を追求した次世代型の開発を進めているという。

あまり知られていないことながら、自動ブレーキ性能には大きな差がある。例えば世界TOPクラスの性能を持つと評価されているスバルのアイサイトながら、今や歩行者に対するブレーキ性能でモービルアイ(インテル)の最新センサーを採用したマツダや日産に遅れを取ってしまった。トヨタのシステムもマツダや日産に届いていない。

一段と厳しいのがホンダだ。他社比較で性能的に大きく引き離されてしまっていることもあり、正式名称の「ホンダ・センシング」をもじり社内では「ホンダ・ナンセンス」と言われているという。『JNCAP』のWebサイトに出ている試験結果一覧を見るとよくわかる。

一方、世界的な規模で高い性能を持つ自動ブレーキに対するニーズが高まっており、ノンビリ構えていたメーカーもやっと本腰を入れ始めた。最初に動くのはトヨタだ。「2018年以降、新型レクサスLSと同じシステムを採用していきます」(先進技術カンパニーの伊勢プレジデント)。

トヨタの次世代システムはレーダー+カメラを使ったタイプ。新型LSに採用されている自動ブレーキは、今の世代より圧倒的に優れたセンシング能力と判断の速さを実現した処理システムにより、世界TOPクラスを実現している。夜の歩行者に対する自動ブレーキだって可能。

大幅なリードを保っていたスバルながら、ノンビリしているうち、モービルアイ勢に追いつかれ抜かれてしまった。なかでも厳しいのが上にリンクした「遮蔽物ありの歩行者」を検出する能力。調べてみたら現在使っている日立製ステレオカメラの視野角が狭く、今のシステムだと無理らしい。

現在のままだと改良を行ったとしてもマツダや日産、トヨタに大きく引き離されてしまうことが明白。スバルの優位点を失う。次期型は日立になるのか、それともスウェーデンのオートリブ社のカメラになるのか不明ながら、新しいステレオカメラを使ったシステムにする方向。

ナンセンスなシステムを使っていたホンダだって危機意識大きい。実は全くアナウンス無しで新型N-BOXからカメラをボッシュにグレードアップしていた。日本電産エレシスのカメラと全く性能が違うらしく、従来対応出来ていなかった遮蔽物ありの歩行者も検知して自動ブレーキ掛ける。

ただそれでも今の水準に届いただけ。トヨタが2018年から採用していく次世代ブレーキの性能には全く追いつけない。文頭に書いた通り自動ブレーキは事故防止に決定的な効力を持つ。新車を買うなら優れたシステムの自動ブレーキが付いているモデルを選びたい。

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