自動車メーカー2026年問題! 日産とマツダ、スバルは赤字確実の電気自動車部門を支えきれるか?

説明するまでも無く日本の自動車メーカーの大収益源はアメリカ市場となる。アメリカが赤字になってしまうと他の地域の赤字を埋められなくなり、相当厳しいと思う。例えば2022年度の日産に於ける営業利益3715億円のうち、北米が3560億円を占める。北米が収支トントンで3560億円の赤字になるということ。マツダやスバルも米国無しだと同じ状況。この3社は決定的です。

そのアメリカで2026年から電気自動車の販売比率が定められる。今のところ海や五大湖に面した11州程度限定ながら、販売台数の35%電気自動車にしなくてはならない。日本車のメインマーケットは海や五大湖に面した11州のため、アメリカ販売台数の30%近くを電気自動車にしなければならないのだった。3年後のことです。この規制に対し、トヨタとホンダは猛烈な動きを見せている。

もっと言えば、市場の30%が電気自動車になるということは、エンジン車の市場が30%縮小することを意味する。現在販売している台数の30%を失うワケ。日産やマツダ、スバルの人と話をしていると、ここで大きな読み間違いをしているように思う。すなわち全てのメーカーが均一に30%売れなくなると考えているようなのだった。他がエンジン車を止めればその分市場が出来ると考える人も!

この楽観論はどこから沸いてくるのか不思議ながら、30%の市場縮小は一般的に競争の激化を意味する。ここにきてトヨタがアメリカに魅力的な新型車や大パワーのハイブリッド車を続々投入しているのは、30%の市場縮小で勝つためです。特にニーズ大きいのは燃費の良い大柄なクルマだ。トヨタの2.4リッターターボを使うハイブリッド車って正しくアメリカ市場対策。

こういったパワーユニットを持っていないメーカーは電気自動車へ邁進するしかないと思う。されど莫大な投資を必要とする上、売れるかどうかも未知数。加えて来年あたりから電池工場や電気自動車工場への巨額な投資が必要になってくる。エンジン車の売れ行き減少と巨額の投資というかつてない構造的な荒波を進まなければならないワケ。トヨタ曰く「ハイブリッドで稼ぐ」。

日産やマツダ、スバルは稼ぐ手段を持っていないように思えてならない。参考までに書いておくと、トヨタは世界規模で収益を上げているし、ホンダも東南アジアの2輪で土俵際のふんばりが出来る。スズキについていえばアメリカ関係無し。インド市場さえ堅実なら問題ない。日産とマツダ、スバルは戦略があるなら発表すべきだと思う。じゃないと株価急落の危機がやってきます。

一番アカンのは失敗をビビって投資しないこと。100歩譲って電気自動車の時代が来なければ勝者になれるが、予定通り進んだら終了を意味します。その場合、電気自動車戦争で勝ったどこかの企業が工場や優秀な技術者を含め居抜きで買ってくれるとは思います。破綻してから買い取られると株は泡になってきえる。

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2 Responses to “自動車メーカー2026年問題! 日産とマツダ、スバルは赤字確実の電気自動車部門を支えきれるか?”

  1. トヨタ車ユーザー より:

    >日産とマツダ、スバルは戦略があるなら
    日産はアリアの後が必要ですね。
    まだ高級グレードのほうは受注停止のよう…。
    中国でエクストレイルe-powerを出していましたが、それどころじゃないだろと言う気もします。アメリカでもアリア一本で30%は取れないので対策が必要です。
    スバルは前々から自前のHEV・BEVを作ると言ってきましたがまだ出て来ていません。それもアメリカで作らなければならないのですが、まずは日本からと言うちょっとのんびりした感じ。ソルテラ1本でも無理。
    マツダは、スカイなんちゃらXからは放たれたものの、MX-30/BEV・RExはアメリカに持って行っても小さすぎ。Cx-80だか90でPHEVでも出すんでしょうかね。出せなくないけど、BEVでないとダメなんだと思うんですが。
    ホンダもうかうかしてられず、EV前倒しというか、アルテウムを使うSUVやアフィーラも売れてくれないと困る。CR-VのPHEVを持って行ってちょっとは足しにならないかな。PHEVだったら高くてもあまり文句言われないから日本に持ってきたらいいのに。

  2. まーる より:

    リーフユーザーです。eパワーキックスも乗っています。日産ファンとしては、なんとか迫りくる荒波を乗り越えて欲しい。米国輸出のアリアやリーフは減税対象になるよう、米国仕様にして、現地生産比率を上げる。それとeパワーも工夫次第で売れるのではないかと期待します。テスラを打倒してほしい。

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