自動車業界天気予報。ホンダ

これからの5年は自動車メーカーにとって生き残りを掛けた戦いになります。1)日本車にとって最大の収益源になっているアメリカ市場対応。2)自国のメーカーが有利になりつつある中国市場対応。3)これまたトヨタを除く日本勢にとって厳しい欧州市場対応。4)もはや欧米向きのクルマを売ろうとすると高価すぎてしまい専用車が必要な日本。5)中国勢の猛攻を受ける東南アジア、だ。

アメリカの課題は、エンジン車から電気自動車への移行時期。次期大統領がバイデンかトランプかでずいぶん景色は変わる。トランプなら電気自動車の普及開始は最大4年遅れ、2030年くらいまで燃費の良いガソリン車とPHVが主役になります。すなわちハイブリッドやPHVを豊富にラインアップしながら、おそらく急激にニーズ出てくる電気自動車の生産体制を作らなくちゃならない。

ホンダにとってアメリカ市場は最重要だ。というか、4輪車についていえばアメリカの一本足打法で、アメリカが厳しくなればいかんともしがたい。そんな観点で見ると、電気自動車戦略は完全に外している。なんせ「安価な電池の調達計画を持っていない」。だからこそ『ホンダ0』は電池容量を減らした。結果的にPHV用の発電機を搭載出来るスペースを持っておらず対応不可能。

かといって既存のハイブリッドのPHV化は行わない方針らしい。三部さんの戦略、全て間違っているように思うし、そう考えている人は業界に多い。現時点でPHV用のプラットフォームの開発は行っておらず、300馬力級のハイブリッドを作る計画だって無いようだ。トランプに救われる可能性もあるけれど、5年後のアメリカ市場に於けるホンダは徐々にシェアを失っている状態を予想。

欧州市場については燃費の良いハイブリッドを全車種に投入しているにもかかわらず、すでにシェアを落としており、もはや実質的な赤字状態。いつ撤退してもおかしくないと思う。意地で踏みとどまっているだけ。5年後は土砂降りだ。同じく中国も地元勢との勝負に勝てないことが明確。なのに先日引退した倉石さんの戦略なのか、未だ投資を続けている。中国も土砂降りです。

日本は日産との協業に注目したい。すでにステップワゴンやフィットなど販売台数を落としており、日本専用車の開発が難しくなっている。このあたりは日産も同じ。例えばフィット級は日産。ステップワゴン級をホンダで開発。それぞれOEMで販売するようなことをやらないと、どちらもトヨタに勝てない。東南アジアに代表される新興国は、三菱自動車を含めた生き残り策が必要。

ホンダにとってアメリカに次ぐ重要な収益源と言えば新興国のバイクだ。ここ、決定的に遅れているように見える。バイク業界のホンダといえば、トヨタ以上の強さを持つ。本来なら全方位のパワーユニットを手がけていなければならない。いつ攻められても戦えるように準備するべきかと。なのにノンビリしてます。ホンダ、気がつけば驚くほど硬直化し、夢の無いメーカーになっている。

 

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3 Responses to “自動車業界天気予報。ホンダ”

  1. TMC より:

    ホンダはダメですね。
    親方の言う通り、復活も無いでしょう。

    そんなことより、やはりトヨタグループの将来性に安心感があります。
    若い人の就職先としてもトヨタに行ってもらいたいところ。日産もトヨタと組めばいいものを。

  2. cvt より:

    ホンダが中国で出すBEV「燁(イエ)シリーズ」で、まず、SUV(スポーツ用多目的車)の『燁P7』と『燁S7』(24年末以降に発売)セダンタイプの『燁GTコンセプト』(25年中の発売を見込み)
    のデザインはどう思いますか?私はS7とGTのデザインはイイと思います。

  3. トヨタ車ユーザー より:

    おっしゃる通り、ホンダはちょっと前に打ち出した「地産地消」がxEVの時代になってうまく機能していない気がします。
    バッテリーを各国が戦略物資としているのでそれを地産地消は良いのですが、どこでも自前で作っているわけではないので高そう。
    中国でもまだニューモデルをいまだコンセプトとして発表=投資を続けております。ファーウェイのインターフェースを使っていますが、いくらファーウェイに取られたのか。
    アメリカでは、解消したGMとの連携で生まれたプロローグとソニーとのアフィーラがあり、バラバラの状態。
    日本ではN-VAN e:が遅延中。
    PHEVもあるけどそれはFCVのプラグインでぶっ飛びすぎ。
    モーターやインバータなどスケールメリットが生かせそうなところもバラバラで、どこにそんな資本があったのか、日産よりヤバいんじゃないかと思いました。

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