自動車業界天気予報。三菱自動車

すでに欧州とアメリカは市場規模を縮小し、儲かりもしないが損もしないという状況。中国市場からは完全撤退し、支払いも済んでいる。いろんな意味で「背負うものは軽い」と考えていいだろう。また、日産との関係で日米欧市場用の車種は日産との協業になる。三菱自動車独自でのプラットフォーム開発は基本的に難しい。今後出る車種全てが日産またはルノーの兄弟車だ。

そんな三菱自動車ながら,東南アジア市場だけは独自に動ける契約になっているというから面白い。ルノーからすれば東南アジア市場など関係ない(販売しておらず)。したがって関与すれば余計な開発コストを負担しなくちゃならないワケ。日産も東南アジア市場は弱い。ダットサンで大失敗した。ミニバンも大空振り。三菱自動車さん勝手にやっていいよ、ということです。

興味深いことに三菱自動車の東南アジアに於けるプレゼンスは依然として高い。エクスパンダーというヒンジドアの3列ミニバンが大ヒット。インドネシア、タイ、フィリピンなどで売れている。トライトンや、トライトンベースのパジェロスポーツも根強い人気。そんな三菱自動車も、先代社長時代、ブランドイメージを作ろうとしなかったため低迷傾向になった。

加藤体制になって驚くほど変わる! イキナリ『ラリーアート』を復活させ、アジアンクロスカントリーにエントリー。今年のバンコクモーターショーでは三菱自動車だけロールケージ組んだ競技車両を出展した。しかも2車種! 潜在的な人気あった三菱自動車とあり、ここにきて話題も盛り上がり販売台数に結びついてきている。そしてフリーハンドな東南アジア仕様を拡充していくらしい。

次期型エクスパンダーは日本でも販売するというウワサもあるし、次期型パジェロだってタイ製になる可能性大。また、タイやインドネシア工場からなら、アメリカにも欧州にも大洋州にも日本にも輸出出来る。東南アジアベースで復興させようというのが加藤さんの狙いだと思う。しかも東南アジアは電動化が遅れる。三菱自動車のブランド力あれば、エンジン車で勝負出来るだろう。

電気自動車はポテンシャルある。先日、エクリプスクロスのフロントユニットを使ったエクスパンダーのフルハイブリッドに試乗したが、12年前から使っているだけに高い完成度を持つ。電池をたくさん積めばPHVになるし。その気になればあっという間に電動化が出来るのも三菱自動車のストロングポイントになっている。ヒット車が一つ出れば、イッキに存在感増すだろう。

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2 Responses to “自動車業界天気予報。三菱自動車”

  1. トヨタ車ユーザー より:

    今後伸びそうな東南アジアに強い、欧州・アメリカは縮小済み、ということで、過去の栄光にすがる日産・ホンダとは全くの逆。
    ライバルはハイラックスを持つトヨタでしょうか。
    xEVうんぬんに関わらずゲームチェンジャーになりそうですね。

  2. yakusyo より:

    一連の業界天気予報。ありがとうございました。100年に一度の変革時に、クルマファンがどう考えるか(新車購入計画など)良い参考に成りました。

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