船長の居ないホンダ、流れるまま電気自動車はGMと~

こらもう徳大寺師匠の受け売りなのだけれど、ホンダは創業以来、ずっとアメリカを見て来た。アメリカでマスキー法が決まったらホンキで排気ガス対策を開始する(だからホンダが一番だった)。衝突安全性が強化されたらアメリカ基準クリアを考え(だからこそエアバッグはホンダが最初)、ZEV規制決まったらこれまた全力でクリアすべく燃料電池まで作っちゃった。

逆に「アメリカを見てきたら上手く言った」というのが徳大寺師匠のホンダ評です。同じような考え方で欧州を見て作ったのはホンダe。でも欧州市場は小さいため、ホンダ総力挙げて対応しようって話にならなかったということでしょう。さて電気自動車やいかに? ホンダが真剣に「電気自動車の時代になる」と考えたなら、おそらくGMなんか頼らず独自に取り組んだと思う。

されどホンダも今のアメリカを読めなくなった。そらそうだ。次の大統領がトランプかバイデンかで全く違ってくる。トランプなら電気自動車なんか任期中「適当に」。したがって投資したってムダになっちゃう。だから今のままでOK。けれどバイデンになったら世界の流れと同じく環境問題を考え電気自動車の導入が必要になってくる。ただその場合、GMやフォードも苦労します。

だったら無理して電気自動車に投資することないワな、ということなんでしょう。とりあえずGMとアライアンスを組んでおき、一緒にやればいいやと。もう一つ。「アメリカのメーカーと組んでおけば叩かれることもないでしょうね」。燃料電池でGMと組んだのも全く同じ理由。ただ今になってみると燃料電池はトヨタと組んでいればよかった。トヨタもホンダと組みたいと言ってます。

ホンダのリリース

ホンダのアメリカ盲従策、今までは良かったと思う。されど船長がいれば「アメリカ一本足で大丈夫か?」と考えるんじゃなかろうか。そのアメリカはしっかり中国対策をしている。中国で昨日紹介した『宏光MINI』の五菱汽車、正式名称『SAIC-GM-Wuling Automobile』という。五菱とGMと上海汽車との合弁なのだった。ホンダとガチンコぶつかります。

中国などでGMと組んだことがネガにならなければいいけれど、そのあたりは敵もしたたか。ホンダから得たノウハウを使ってくる可能性高い。燃料電池だってGMよりホンダの方が優れており、きっと技術を抜かれます。ホンダは1日でも早く自分で進路を決断出来る「船長」を作るべきだと考える。流れに乗るだけで航行していたら、ホンダeのようなクルマばかりになる?

 

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