読んで内容を理解出来たら驚くと思う。トヨタ、電池からも利益を上げる戦略!

トヨタが電気自動車についての発表を行った。注目すべき内容を挙げると、1)2030年に200万台の電気自動車を作る。2)1兆5千億円の投資をする。3)電費を30%向上させる、となります。まず1)から。2020年に於けるテスラの世界販売台数は75万台ほど。そして欧州全体の電気自動車販売台数も75万台ほど。トヨタ1社だけで200万台売るという規模って驚くほど多い!

こうなると大きな課題になってくるのが電池の調達だ。現在、まともな電気自動車の世界販売台数は200万台くらいだと思う。すでに電池の生産キャパシティや素材の調達状況厳しい。これをどうするかが最大のテーマになってくる。トヨタの発表を見ると、基本的に独自調達を目指す。もちろん地場の電池メーカーと組むと言っているが、単純に「購入する」じゃなさそう。

2)の通り世界中に70程度を作る電池の生産ライン構築のため投資するとのこと。おそらく独自の電池技術も開発しているんだと思う(全固体電池は遅れる模様)。bZ4Xから搭載される新世代リチウム電池、10年間使って容量90%を狙う(走行距離は常識的に考えたら16万km以上)。電池コストも半分を目指すそうな。これだけでトヨタの本気度が解ります。

他の自動車メーカーを見ると、電池は購入すると言ってる。どう違うのか? 今回の発表を解釈すると、電池からも利益を上げようとしているんだと思う。電池、購入したらその分だけ自動車メーカーの仕事を失うことになる。具体的に書けば、エンジンの利潤が無くなってしまう。トヨタは電池をエンジンの利潤の変わりにしようと考えたのだろう。目からウロコが落ちました。

もう少し突っ込むと、おそらく電池の生産ラインに投資する金額は1兆円に留まらない。スズキも先日電気自動車に1兆円の投資をすると発表した。ダイハツやスバル、日野も投資することになるだろう。もしかするとグループ合わせて2兆円以上の規模になるかも。安定した電池調達&電池から利益を出そうとすれば、このくらいの本気度が要求されるということです。

日産やホンダは大丈夫かいな、と思う。いずれも2030年時点で100万台以上の電気自動車を作ることになるだろう。世界中で逼迫すること間違い無い電池需要を考えたら調達コストが読めないだけじゃなく、電池からの利益も得られない。ホンダはアメリカでGMと組むと言っているが、その場合もクルマを生産することで得られる利益が大きく下がってしまう。

3)も驚く! 例えばリーフ。2010年に発売された初代初期型の電費と、2021年に販売されているリーフの電費は変わらない。10年間分の進化無し。されどトヨタは2030年に30%も電費を改善させると言っている。実現出来たら電池搭載量が30%少なくていいということです。30%コストダウンした電池を、30%少ない量にするワケ。こうなればハイブリッド車と同等の価格だって可能。

よってトヨタとグループを形成しているスバルとダイハツ、スズキは電気自動車の時代になっても現在と同じような企業規模&収益を得られる構造が可能。日産とホンダは今回のトヨタの発表に接し、抜本的な体勢変革を行わないと厳しいということを認識するだろうか? トヨタグループから出る動きを見せている(実際に違う開発体制となる)マツダどうする?

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