軽電気自動車vs新規参入小型電気自動車の戦いはどうなっていく?
我が国の二酸化炭素の排出量削減目標は2030年に46%減である。これを達成するには、小口荷物を運ぶ小型電気商用車が必要。本来なら軽商用車ということになるのだけれど、日本勢はこのジャンルも出遅れ気味だ。そんな状況を見て軽商用車より安価で手頃なモビリティを提案してくる企業だってあります。JMSを回ってみたら、このジャンルもけっこう熱い戦いになってる。
上は『くろすけ』という日産OBなどが開発に携わっている1人乗り+50Lコンテナ10個を搭載できる超小型モビリティ。最高速60km/hで高速道路は走れないものの、近所の荷物配送用として使うなら何ら問題なし。くろすけは本格的なシャシを持ちながら、外板を無塗装にするなどコストダウン。原付と軽自動車の中間くらいの価格を目指すという。安ければニーズある。
ELEMOは軽自動車規格の電気自動車で、リース契約を採用。航続距離120kmのタイプはトラックで月間9800円。荷物室付きだとⅠ万2800円という手頃な価格を設定している。新規参入モデルは耐久性に代表される信頼性が不安。リースであれば壊れても対応してくれる(事故は除く)ため安心。電池の劣化だって5年乗って返却だと心配しないでOK。デザインかわいいです。
とはいえ本命は電気軽バンだろう。TOPバッターはホンダ。JMSには私がオーダーを入れた『L4』という4座席のベーシックモデルを展示していた。事前告知より50万円高くなった理由を聞いたら「電気の高騰です」。最後に「100万円台」と言ったのは5月。Ⅰ年間で50万円も調達価格が上がるということなんだろう。ホントかどうか不明ながら、生殺与奪件はダイハツが持つ。
ダイハツ開発の電気軽バンはホンダより電池搭載量多いという(CATL製らしい)。ホンダより安ければ圧勝することだろう。このクラスのユーザー、価格に対する感度が鋭い。高くて性能低かったら誰も買わないです。ダイハツ組、どんな価格設定をしてくるか大いに楽しみ。ホンダを潰しにくるか、それとも「仲良くやっていきましょうね」か。
遠からず軽商用車は電気自動車になっていくだろう。地方に行くとガソリンスタンドが減るため使い勝手悪くなる一方。電気自動車は次世代から安価なリン酸鉄リチウムになるだろうから、エンジン車との価格差が急速に縮まる。そうなった時の電気軽商用車達をダイハツはJMSで提案してきた。5年後の軽バンは電気になっていくんだろうな、と実感します。
JMSその3。続く
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EV車は軽バンが活発のようで、荷物の配達などに最適で小回りがきき。長距離の輸送はないので好いはず。ホンダ、ダイハツに頑張って貰うのがいいかもね。スズキはあまり熱心ではない気がします。ニッサンのリーフが先行しながら、最近の話題は少ないし、気合いもないのでは?
なんだか、黎明期のガソリン車の再来みたいな感じですね。
ダイハツは、トヨタ系ルートで中華バッテリーをリーズナブルに入手できると思われます。
となれば、自分都合で絶賛経営中のホンダに先んじる絶好の機会。
それにただでさえ日本は、EV普及で遅れているのだから、ダイハツは価格面で勝負どころだと思います。
これでもしダイハツが、価格面でホンダに足並みを揃えるという国内横並び判断をしたら。。。日本は、世界から置いていかれる、そんな気がします。
ハイゼットカーゴEVとして出て来るのか、ユニフォーム(カーゴ&トラック)として出て来るのか楽しみではあります。
ユニフォームシリーズデザインも機能も優れていそうで期待。
現実路線と未来が交差するワクワクを感じます。
超小型モビリティEVは興味があるのですが、カーシェアあるいは配送用途以外(個人所有とか)には難しいかな~と思っています。勤め先に某超小型モビリティがあるのですが、軽自動車用の駐車枠でもスペースが余ってしまう状態で、何だか駐車場がもったいない感じがして(笑
といったことを考えると、既存の軽自動車のBEV版がわりとしっくりくるんじゃないかと思います、荷物載せられる量もほぼ今まで通りですし。
ファブレスのASFが作った1BOX軽商用BEVは、駆動電池の高騰を受けても車両価格200万円相当のリース代で収まるらしいです。日本メーカーのはそうはいかなさそう(250万円はするのか)なので、トヨタ・ダイハツ・スズキ版、ホンダ版とそろったら、価格差の理由を詳しく知りたいです。3元系バッテリーを使ってしまっている以外にも、オーバークオリティなところがあったりするのかなあと思っています。