電動化問題より喫緊の大きな課題になってるのが欧州CAFE(燃費規制)ですね

冬休みに入るのでマジメな話題を。日本じゃ電気自動車カオスに隠れあまり取り上げられないけれど、欧州CAFE2021が大きな足音を立ててやってきた! 自動車メーカーはデータを全く出さない(下手に実数出すと罰則金が高くなる可能性も出てくるため)。ということから『JATO』が概算を出してきている。日本のシンクタンク、こういった役に立つ情報は全く出してこない。

データ見ると意外や意外! 今年の10月までの実績に於いて最も平均燃費良かったのはPSA(プジョーシトロエン等)で97,9g/kmだった。しかも電気自動車などを販売すると得られるスーパークレジットを合わせれば、CAFE2021の基準である95g/kmを余裕でクリア出来る。ちなみに95g/kmを1g/kmオーバーするごとに1台当たり95ユーロ(約1万2千円)という膨大な反則金を取られます。

FCAは目標達成不可能のためPSAと組んだ

PSAの次に良かったのがトヨタで100,6g/km。トヨタの場合、スーパークレジットは少ないものの、新型ヤリスなど圧倒的に燃費良いクルマを投入することによりCAFEクリアが十分可能。実際、10月は欧州で絶好調! ゴルフにこそ届かなかったものの、1万9397台も販売し2位が定位置のクリオを抜いた! WRCでイメージアップしてるトヨタ、日本勢の中じゃ唯一欧州で存在感を見せる!

3位がルノー日産グループで105,5g/km。これまた電気自動車をたくさん販売しているため、スーパークレジットを考慮することによりトヨタより良い数値になる。続いて現代/起亜の106,7g/kmながら、電気自動車の販売台数多く2021CAFEはクリア出来るかと思われたけれど、ここにきて電気自動車が燃えるなどトラブル頻発。来年にスーパークレジット貰えるかどうか微妙。

日産もクリア

ちなみに日本勢で言えば現状で厳しい状況になっているのがマツダ。トヨタと日産はクリア出来る見込み。ホンダもクリアを目指すが届かなくても販売台数少なく&欧州依存度少ないためあまり大きな問題とならない。マツダのみ台数多く、欧州で赤字出すと(違約金は上手くいって二桁億?)足を引っ張る。2018年時点だとトヨタ100,9g/kmに対しマツダ134g/kmでしたから!

驚くべきことにマツダは今まで2021年の目標を94,9g/kmと公言してきた。けれど「とうてい無理!」になり、中期計画見直しとなった。トヨタから目標達成して繰り越した分を分けて貰うことと、最も燃費良いヤリスハイブリッドをマツダとして売るということでクリアしようという戦略だ。ただMX-30の販売台数伸びず、マツダ2のバッジ付けたヤリスハイブリッドが伸び悩むと厳しい。

ここまでは余裕ある話です。次のCAFEは2025年に予定されている。これをクリアしようとしたら、全てをプリウスのレベルにしなければダメ。もっと正確に書くと、新欧州燃費基準WLTPは厳しい。新型ヤリスハイブリッド、日本基準なら65g/kmながら新欧州基準だと85g/kmになってしまう。ということでトヨタもPHVや電気自動車を多数投入しなければならないことは織り込み済み。

さらには上の表のように電動車の方が製造時CO2の排出量多いことも認識済みで、再生可能エネルギー100%で電池を作ることを計画している。よって2025年の目標値はもとより一段と厳しくなる2030年CAFEに向かって準備していれば、あまり大きな問題にならないと思う。突如降って沸いたスガさんのカーボンフリー宣言よりずっと早い段階から準備してるのだった。

トヨタのレポート読んでみたらいかがか?

とにかく前を向いて頑張って技術を磨くしかないと思う。ここで唯一問題になってきたのが、今までも今後も日本の緩い規制の中でぬるま湯に浸っていた軽自動車だ。欧州と同じCAFEを考えてなかったため、電動化や電気自動車化は遅れを取っている。そんな中での「2050年カーボンフリーは軽自動車も例外とせず」。軽自動車の場合、性能を考えたら中国から安価なクルマが入ってきます。

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