電池寿命を伸ばす

電気自動車で大きな不安の一つとなっているのが電池の寿命である。一般的なマンガン系の正極を使うリチウム電池だと、走行1万kmあたりで1%。それとは別に時間の経過で寿命は短くなり、それが1年あたり1,5%くらい。さらに暑い時期に急速充電を1日3回以上行えば、こらもうガソリン車のサーキット走行と同じ。

残念ながら電気自動車に対する知識が少なく、普通の自家用車の使い方とタクシーで酷使されるケースがゴチャゴチャになっているのが現状だ。以前から書いてきている通り、都市部の「流し」のタクシーは電気自動車に全く向かない。ちなみに地方の「呼ばれて迎えに行くタクシー」についちゃ電気自動車向きです。

走行距離が事前に分かるし、イレギュラーも無し。冷暖房は営業所の待ち時間で出来るし、そもそもLPGを入れに行く必要すらなし。リーフtoホームを導入しておけば(規模の大きいタクシー会社なら急速充電器を1機導入すればよかろう)、充電は十分に間に合うと思う。電気自動車は使い方が重要だと考えます。

おっと電池の寿命だった。解決策の一つは「電池容量を少なめに表示しておく」というもの。リーフに搭載されている電池は24kWhある。こいつを「20kWh」という表示にするワケ。6年/6万km乗ると、前述の劣化目安を当てはめれば15%容量が少なくなる。24kWhの85%で20,4kWh。何と寿命低下ゼロ。

側の改良で現在の航続距離(容量24kWhで228km)を、210km(容量20kWhで)程度まで伸ばせれば、十分な実用性能を持つと思う。ユーザーからすると6年/6万kmまで劣化無し。10年/10万kmだって10%以内の劣化で済む。10年使って10%なら許容範囲でございましょう。私なら納得する。

急速充電も20kWhでの使用なら、25分間で「表示上の100%充電」が出来てしまう。急に電池性能上がった感じになるから面白い。というように電気自動車というのはガソリン車の常識と全く違う。現実を見ると、クルマを作る側を含め、全てガソリン車のスケールや価値観で考えている。電気自動車の奥行きは深い。

・ECOカーアジアは「超クリーンなGTL燃料が安価になれば‥‥」

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4 Responses to “電池寿命を伸ばす”

  1. じょにぃ より:

    スマホでも電池容量を表示し、その大きさを競っている中、自動車メーカー側も過小表示はしたくないでしょうから、電気自動車独自の表示方法を考えて欲しいですよね。一年や二年で買い換えるスマホと違い、国沢さんのお話によれば十年は乗れる電気自動車です。黎明期にある今こそ、新たな表示方法を模索することは必要ですよね。

  2. 白木 晴幸 より:

    ちょっと話の方向性が逸れますが、現在EVが二つの会社からしか販売されていないというのもユーザーにとっては解りにくいのではないでしょうか?
    もっと多くの自動車会社からEVが販売されて一般ユーザーにEVの基本が啓蒙されるコトも必要と思います。そうでないと一部のオタンコなジャーナリズムも間違えた報道を堂々とやってのけると思います。

  3. COLT より:

    「リーフの売り方」を日産に対して直接提言出来るのは国沢さんしかいないと思います。
    なぜ都心のタクシー会社に売ってしまったのか?などの反省と総括を日産自身がしないとリーフは絶版車街道まっしぐらでしょうね。
    リーフの超激安の中古を僕みたいな人が購入してしまうのは日産にとって一番避けたいシナリオでしょうから・・・・・。

  4. お祭好きの電気屋 より:

    実はアブノーマルなエネルギー源
    (ガソリン&軽油以外という意味)で
    走る車のオーナーになってしまうと、
    言うほど航続距離の制約って無いことに
    気がつくのですがね。
    そういうおいらも実はLPGトラックオーナーでして、
    この相棒の航続距離は標準で250Kmです。
    一見少ないようにも見えますが、実用上は充分。
    ちゃんと計画すればロングドライブもOKで、
    実際に横濱から神戸への出張にも行きました。
    LPGだと充填所どおするの・・・?、、って
    聞かれますが、実際にはガソリン車でも
    なじみのスタンドでしか入れないという
    こだわりのある人居ると思いますが、
    これとほとんど同じです。
    電気車は自宅とかでも充電待機できますから、
    下手するとガソリンよりも全然有利ですよね。
    そう言う意味ではオーナーが意識改革しないと電気車は
    やはり厳しいかも。
    なのでどうしてもメーカー側は航続距離を
    長く見せようとします。
    なのでリーフの場合、次のモデルでデチューンと
    いうのは絶対受け入れられないでしょうから、
    電池の性能アップを利用して35KWh位の物を
    搭載し、実際には今まで通り24KWhだと公称する。
    これで容量はそのままで充放電性能と、耐久性が
    アップしたと言えばいいわけです。
    これなら不当表示にも当たりません。
    実際の性能をごまかして高性能に表示するのは
    悪ですが、逆に安全マージンつけて低性能に
    表示するのはユーザーの不利益にはならないからです。
    ただ、同一の試験条件で同一の基準で示さないと、
    消費者は比較が出来ませんから、この点で問題には
    なるかと。

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