驚くべきことに中国は半導体不足無し? もしかしたら日米欧は中国に買い負けている?

改めて書くまでもなく半導体不足という理由で日米欧の自動車生産台数は減っている。けれど興味深いことに地域差が見られるのだった。日本やアメリカの場合、大雑把に言って10%ほどの減少。欧州が15%減と言ったイメージ。一方、今や世界一の自動車生産国になった中国といえば、何と減るどころか増えている! 1月~9月で2021年と比べ7.5%増の1960万台ほど。

BYDは2021年比で130%以上伸びている!

分母が大きいため150万台近く増えているワケ。興味深いことに中国系のメーカーだけでなく半導体不足に苦しむ日米欧系のメーカーも、凸凹あるけれど中国では調達不足になっている雰囲気薄い。ちなみに日米欧系メーカーといっても一汽トヨタなら中国共産党が半分株主の第一汽車と。東風ホンダであれば同じく東風汽車と半々の出資。事実上、中国系メーカーといってよい。

ここからは推測の領域になるけれど、もしかしたら中国政府がコントロールしている? その上で中国は国家戦略により半導体の増産を行っており、今年中に韓国と日本を抜いて2位になる勢い(現在1位は台湾。2位韓国。3位日本。4位中国)。しかも1位の台湾はビジネスベースだと中国との関係が深い。中国と台湾だけで世界シェアの半分近いのだった。

来年宏光MINIが日本上陸というウワサも

中国が自国の自動車生産を優先して輸出を絞れば、当然の如く半導体の絶対的な供給力も減ってしまう。中国の一人勝ち状況を見ると、昨今の半導体不足はそんなバックボーンかもしれない。参考までに書いておくと、世界2位の半導体生産能力持つ韓国の自動車生産台数は2021年比で5%増えている。半導体、自国で供給体制を整えないとダメかもしれません。

ここまで読んで鋭い人なら次を考えるだろう。電気自動車用のリチウム電池だ。圧倒的に強いのは中国と韓国。アメリカと欧州をみると「このままじゃまずい!」で電気自動車のリチウム電池を自給自足にしようと動き始めた。翻って我が国は国家戦略皆無! ヘタすると「中国から買えばいい」くらいに考えてるようだ。となれば半導体と同じことを繰り返す可能性大。

電気自動車の時代になっても日本はリチウム電池不足で生産能力をフルに発揮出来なくなるかもしれません。不穏な動きを見せる中国が台湾にミサイル撃ち込もうものなら日本は敵国になってしまう。半導体どころか自動車ビジネスも何年か滞ることだろう。可及的速やかにプランBを。いやプランEくらいまで練り上げておくべきだと思う。我が国の政府は役に立つだろうか?

 

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7 Responses to “驚くべきことに中国は半導体不足無し? もしかしたら日米欧は中国に買い負けている?”

  1. usausa04 より:

    希少資源が買い負けていて円安も重なって手に入らなくなってきています。日本の国力低下が見て取れ、今までどれほど恵まれた環境だったのかと実感することが増えてきました。ゆでガエルの集団にのなか、次を考えて動くことの大切さを日々感じております。
    EV関連のニュースを見ると世界に置いていかれているのに気が付いていない日本の縮図のように思います。

  2. CX-60 より:

    そうですね、買い負けというのはあるかもしれないんですよ。それでも製造に関しては日本がまだ3位というのも意外ですね。
    実は欧州資本の半導体も車載ECUに使われるようになったのでそちらが強いのかと思ってました。ただ、ファブレスという形態がさらに話をややこしくしています。
    しかし、我が世の春を謳歌している中国自動車産業も、普及するまで紆余曲折ありましたよね。所詮、役人のための国ですから。それでもナンバープレートがオークションで取引されたとか、わいろがないと発行されないとか、ブラックが好きな欧米でも飛ばないジョークのような話題が事欠かない中国。
    駆動バッテリーも同じような心配はされます。その大量生産している中国でも大量廃棄が同時進行しているという話もあって、シェアリングに用に作られたEVが大量廃棄されているところがあるとか。シェアカーサービスはUberもどきやタクシーに押されてあまり普及せず用意した車もメーカーも大量につぶされたそうです。
    まじめな話、半導体の材料・シリコンウェハはまだ1/3が日本製が占めていて、多くを中国に取られているのですが、まるでタコが自分の足を喰うかのように大量生産と廃棄で自己回転している中国にあまり関わりたくない・物を渡したくないというのが正直なところ。
    といったときに、電気代2000円出してあげるけど消費増税とか走行税だとか取ることばかり考えている政府もかなりヤバいと言わざる負えません。
    ニュースに映る答弁中の岸田氏の目はいつもどこを見ているのだろう(議員席より少し上で天井の少し下のようなのですがそこには何もないハズ)と不思議に思っています。

  3. 宇野耕太郎 より:

    ワタシのヴェゼルは半年で入荷
    待ったつもりだけど、今となっては可愛いもんですね
    今日自宅のウオッシュレット故障したので年数も経っていたので近くのリフォーム屋に問い合わせたところ「ウオッシュレット便器の入荷が滞ってます」
    ここにも半導体不足の影響が出てるそうです。
    ツライ・・・

  4. いき より:

    https://news.yahoo.co.jp/articles/65a75c35688b594e2d38441c729ab6b53e7f2488
    再生エネルギーによる充電器出る様ですよ。
    良かったですね。

  5. 中国に半導体が入らず世界の工場終了へ より:

    【教えて!ワタナベさん】中国の工業生産が大変な事になる!?[R4/10/15]

    https://www.youtube.com/watch?v=GfgHQMqP2dY

    【大朗報】中国に半導体が入らず世界の工場終了へ!!米国の半導体輸出規制強化策がついに施行!!世界の工場中国で生産不可能の事態に!!日本企業の中国工場も撤退へ!!

    https://www.youtube.com/watch?v=XTZCQjhcqk4

  6. テリー より:

    半導体とバッテリーについて私も同じようなことを感じていました。

    現在の車業界に関しては「良い車が売れる」以前に「製造しなければ売れない」という状況。その第一要因が半導体を確保できるかどうか。そこには企業間の契約もさることながら政府の思惑もあるではないかと。日本のように政府の影響がほぼゼロのところでは完全な自由競争である一方、そうではない国では自由競争だけではなく国家の意向もあるのでは。コロナ禍当初のマスクが中国から輸出できなくなっていたようなことと同じことがおこっているのではないか。

    今は半導体ですけど、これから電気自動車が主流になるにしたがいバッテリーの確保でも同じことがいえます。良い車を開発してもバッテリーを確保できなければ製造できない、なんて時代が数年後にありえるのでは。各社ともバッテリー製造工場を確保していますが、その材料になる部品が確保できなければバッテリーは作れませんからね。

    ゲーム業界でもソニーは新型ゲーム機を半導体不足で生産台数を増やすことができず、マイクロソフトにシェアを奪われています。

    自動車業界でも半導体やバッテリーを確保できない企業(国)が確保できる企業(国)にシェアを奪われていく過渡期にあるのではと危惧します。

  7. z151 サンバー愛好者 より:

    半導体を使った製品を製造・販売している現場の肌感からすると、「決して半導体そのものが不足している訳ではない」というのが噓偽りのないところです。
    チップそのものは「並んでも買えない」訳ではありませんが、半製品となるとまるで入手できなくなるというのが実情です。
    具体的には基盤だったり、加工済みのハーネスは納期が遅れていますし、入荷してもコネクター等の逆挿し等の不良発生件数が増えています。
    原則的には不良品は返品・交換なのですが、いつ再納品されるかわからないので写真撮って指摘し、こちらで治して使っています。
    「部品入ってこないから作れないよね~」じゃなく、「じゃあ作っちまうか!」で基盤もハーネス加工も優先順位つけて自社でやってしまっているというのが現状。
    この設備なり技術なりノウハウがない会社は…厳しいでしょうね。
    100%じゃないけれど、割と短納期でしっかり出荷すると業績も出ます。

    製品って全ての部品が揃って組み立てられないと出荷されないので、半製品や部品単位でも滞っていると、最終段階も遅れ進行になるということ。
    中国が「不足感が起きていないように見える」のは、半製品や製品を作る工業力自体は麻痺していない状態なのかなと私は考えています。

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