EDRって何?
今回のトヨタ騒動で一番の「そうだったのか!」は、すでに『EDR』(飛行機で言うフライト・データ・レコーダの簡易型)
が多くのクルマに搭載されていた、ということである。米ニーツァ(NHTSA)の資料を見たら、2004年時点でGMは100%。フォードとトヨタが
95%。次いでホンダの80%。日産70%となってます。
元々は「エアバッグが開いた/開かなかった」「シートベルトをしていた/いなかった」というユーザーからのクレームをチェックするためのものだという。具体的にどんなデータを残しているのだろうか? エアバッグの制御装置に組み込まれているため、車速はもちろん、前後のGもセンサーの追加無しに記録可能。
本来の目的である『シートベルトを着装しているかどうか』に始まり『衝突時のG』『車速』『エンジン回転数』『電子スロットルであればアクセル開度』『ブレーキのオンオフ』など多岐にわたる。これらのデータを衝突5秒前から残しているそうな。つまり衝突した時の車速などがキッチリ記録されているということです。
EDRはアメリカで発達したこともあり、アメリカに輸出されるクルマと共通設計のクルマ(例えばレクサスは世界共通)なら日本仕様にも付いていると思われる。また、これまた不勉強だったのだけれど、日本でも2年前に『J-EDR』の要旨が発表されていた。いつも通りアメリカの規格をパクッたものですけど。
もし標準装備化されたら、事故解析の際に有用なデータをたくさん残せるんじゃなかろうか。ただ警察と関係なくデータを使うべきだと思う。警察にデータを出したら、速度オーバーの事故は全て「スピードの出し過ぎ」とされてしまいますから。実際、アメリカでもデータの使い方について裁判沙汰になっているという。
EDR イベント・データ・レコーダの略
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素朴な疑問です(千葉の事件とは関係なく)。
EDRの効果についてはよく分かるのですが、例えば、今回のプリウスABS後の作動差異は、EDRに反映されるのでしょうか?
個人的(素人考え)には、ブレーキ動作とブレーキングデータは、曲がりなりにも通常作動としてEDRに、同一様に残っているような気がしてしまいます。
ABSの作動確認もEDRで出来たとしても、ブレーキ抜けに相当する通常と異なる油圧立ち上がりが起こった(減衰速度との関係も含めた)挙動なのか、通常ABSと差異の少ない範囲のABS後の挙動なのか、分析できる証拠として、データが残るのでしょうか?
即ち、今回のプリウスブレーキの条件が:低G(N)での踏力ブレーキ、左右不均一低μ道路下でのABS作動なので。
・・・(時間軸で)ABS前後の微小な油圧の変動や踏力Gを読み取れるデータ保存システムなのでしょうか?
一般論として(対策後は無いでしょうが)、過去の最悪条件下とタイミングで出くわした不意のABS作動(停止が大きくオーバーランしてしまう結果)状況前後が、EDRに残っていれば良いのですが。
MazdaだとDemio13Cにも搭載されているようですので(取説より)、
新型車には標準装備化されつつあるんじゃないでしょうか。
さらに突っ込んだ記事を期待します。