VW Up!に試乗

VWの世界戦略車種『Up!』に試乗した。すでにヨーロッパでは発売済のUp!ながら、日本市場での売れ筋となる5ドア/ATは今回が初めてのお披露目。ある程度予想していたけれど、やっぱり骨太である。車体はガッシリ作られており、乗り心地抜群に良い。初代ゴルフのような「質実剛健さ」を感じます。

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1リッター3気筒エンジンも低い回転域からトルクを出しており、必要にして十分なパワーを持つ。振動特性文句なし。何より燃費が良い! 試乗会はドイツと思えないくらい渋滞や信号の多い地域で行われたのだけれど、アイドルストップ無しのATにもかかわらずコンスタントに18km/L前後走ってしまう。

流れの良い道だと、けっこうハイスピードで走っても20km/Lを下回ることがない。「ゆっくり走れば燃費良い日本車」に対し「ガンガン走っても燃費悪くならない」というあたりが面白い。開発担当者に聞いてみたら、1リッター3気筒エンジンは燃費&コストを考えればベストなチョイスとのこと。

唯一の課題が高速燃費を考えて採用したロボタイズドAT(5速ミッションを油圧で制御する)だと思う。ヨーロッパのユーザーはマニュアル操作を厭わないため何ら問題ない。日本市場もECO重視なので、早めのシフトアップを行う制御はフィットHVに匹敵する燃費の良さを説明すれば受け入れられることだろう。

ただ新興国のアグレッシブな交通モードからすれば、いろんな意味で反応がワンテンポ遅れてしまうという評価になるだろう。まぁ新興国はマニュアル比率高いので関係ないか? ちなみにCVTはアベレージ速度高いヨーロッパの乗り方だと燃費悪い。だからこそVWはロボタイズドATにしたのだった。

気になるのが日本での価格。VWは同じクラスの日本車にサイドエアバッグや横滑り防止装置を付けた価格+αで売りたいと考えているようだ。日本車がツマらない、と考えているなら魅力的なチョイスになると思う。初代ゴルフのように、このクルマ1台でやっていくのも面白いかもしれません。

・ECOカーアジアは「なぜ100V充電を嫌うのか?

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9 Responses to “VW Up!に試乗”

  1. ねこまんま より:

    こういう車を見るたびに日本車の得意分野はいったいどこにいったんだって思います。
    このクラスの車種って日本メーカーが一番得意としてきた分野ですよね。
    2000年ぐらいの各社がコンパクトカーを一生懸命造っていた時を知ってるとホントに情けない。
    初代ヴィッツが出たときは衝撃でした。
    間違いなくあれから日本のコンパクトカーは変わった。
    それまでのコンパクトカーは軽自動車の拡大版に過ぎず、どのメーカーもあんまり本気では無かった様に思う。
    それが今やヴィッツに限ったことでは無いけどモデルチェンジするたびにホイールベース伸ばして大きくなる。
    初心にかえってコンパクトにしてほしいものです。
    いつも言ってるけど、基本となる商用車をキチンと造ってその派生で良いから使い勝手の良いコンパクトカーを造ってほしいです。
    一時期の日産みたいにパイクカー造るもよし、派生車種で昔のAZ-1みたいなとんがった車とかそれこそ元祖86みたいな車も復活とかしてくれないですかね。
    派生車種ならメーカーも開発費はある程度は安くつくでしょうからから。

  2. 那須与一 より:

    いつもわかりやすい試乗レポートありがとうございます。
    実はホンダHXと同じくらい気になるクルマです。私は郊外、しかもほぼ高速並みの条件の地域なので、
    やはり軽でのデメリットもあるし、いずれ軽の優遇が終わってしまうのなら、長く乗れるドイツ車=UPがいいかな?と思っていました。
    UPがただの廉価版ならやめる予定でしたが、けど、やはりVWの看板を背負ったドイツ車なんですね。
    乗り味は日本車にはないのでしょうか?
    しかも実燃費が20㎞になりそうですね。
    平均速度が高い地方郊外では、アクアもイースも20㎞いくか?いかない?かです。カタログ燃費はもう結構です。
    これで150万前後のプライスを付けられたら、まさに脅威でしょうね。
    けどVWJは沢山売るより、ブランドイメージで高く売りたいのでしょうか。
    200万なら、今までと同じただのガイシャですね。数年後○十万で買います(笑)

  3. E90 より:

    こんにちは。
    UP!良さそうですね。
    若者のに対して売ったハズの86・BRZが高過ぎるので、もしUP!が200万円以内、もしMTが導入されればこっちの方が欲しいと思います♪個人的に。
    日本の面白そうなハッチ、スイスポくらいですよね…スイスポは、学生の間でもアツいです!あのサイズが良いと思います。
    ロードスターもすっかり価格もメタボ。
    トヨタさん、スバルさん、学生として言わしてもらいますが、欲しかったのは、iQベースの2ドアオープンです!
    スマートのロードスターやクロスブレードのような車です。ビートやコペンのような車です。
    コンパクトは日本の得意分野だったと思いますが…Up!を見ると、複雑な気分です。

  4. 白木 晴幸 より:

    VW Upいつごろ導入されるんでしょうか? でも日本車に乗り慣れた人には乗り心地に違和感を感じる人も少なくないかも…と思うのは下衆の勘繰りでしょうか?
    それとミッションの操作フィールもCVTとの差がどこまで有るのか、無いのか? 慣れの問題と言ってしまえばそれまででしょうが…。
    価格もまぁポロの価格を基準に考えれば大体想像できそう…。
    でも、私的には納得出来そうです。理想はこのエンジンにDSGミッションなんですが(欲張りすぎ…?)。

  5. 白木 晴幸 より:

    追伸:ECOカーアジアの「なぜ100V充電を…」の件ですが…。
    これ、お上が『クルマは国交省』で『電気は通産省』だもんネ、と縦割りにナワバリを分けてお互いに譲らないフリをしているのでは…(既得権益は手放したくない)。
    ただ、ゴーン社長は沈黙したが章男社長はタダでは下がらなかった(それがプリウスPHVのオプション)。
    という〝読み〟はどうでしょう?

  6. 真鍋清 より:

    800cc2気筒直噴ターボないしは同ハイブリッドを800kg台の車重に搭載した新世代トヨタ・パブリカをまさに切望している!

  7. タガライザー より:

    本日(2012年4月17日)、目白通りを走っていたら、なんと目の前をUP!が走っていました。大宮ナンバーで、右ハンドル、3ドアです。てっきり発売になったのかと思い、ネットでVWのサイトを見てみたら、まだ発売されていないんですね。なのに、いったいどうして? こういうことって、あることなんでしょうか? 御教授いただければ幸いです。

  8. yamanobe より:

    私も4月25日、午後4時40分ころ、埼玉県さいたま市桜区五関付近の県道57号線を北上する白のup!とすれ違いました!大宮ナンバーかどうかまでは見ませんでしたが特徴ある顔の黒線など見間違いではありません。VWの広報車か個人輸入でしょうか?

  9. タガライザー より:

    後日、聞いた話ですが、VWの工場だか研究所だかが埼玉にあるらしく、発売前の車両を頻繁に公道テストすることがるらしいです。もしかしたら、それかもと。一足先に実写を見られてちょっと得な気分でしたが、発売前とわかってたら写真を撮っておくんでした。まあそのうち、うんざりするほど見ることになるんでしょうが。

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