10月1日からステマ規制が始まる。自動車メディアはどうなる?
10月1日からステマ規制が始まる。お金を貰って記事を作る「ペイドパブ」や、YouTube業界などで多いお金を貰って動画を作る「案件」と言われるものを普通の記事やネタとして扱っちゃアカンというもの。これ、当然だと思う。とはいえ「記事とステマの境目はどこ?」とか「自動車関係の記事ってどうなのよ?」です。例えば長い歴史を持つ試乗会、果たしてステマ規制に抵触するだろうか? 結論から書くとこの件、凄く曖昧だったりする。
試乗会は特定の人を対象として行われる。この時点で「利益供与」だと言われれば、もはやいかんともしがたい。クルマのような高額商品を購入する場合、消費者は様々な情報が欲しいと思うだろう。特にクルマは命を預けるもの。それなりの知識や経験を持っていないと判断しにくい。だからこそメーカーも特定の人に試乗する機会を作る。こう書くと「客のフリしてディーラーに行けば誰だって乗れるでしょ!」という人も。
試乗会で乗ったクルマの批判だってする
なるほど試乗は出来る。でも街中を普通の速度域で乗っただけだと、出来が悪いクルマと良いクルマの区別すら付かない。新しい安全技術など出てきたらサーキットやテストコースなど安全を確保出来る場所で試す必要もあります。これまた「だったら自分でテストコースを確保しろ」という人も。それが出来ればいいけれど、ディーラーで借りた車両で試験するには許可を貰わなければダメ。これまた利益供与だ。
バイクの試乗会もステマか?
AJAJのようなメディアの団体でクルマ買ってテストコース借りて試すという方法もあると思うが、これだって人気車は納期を早めてもらったり抽選に当たったりすることは利益供与になるだろう。ステマ規制を厳密に運用したら、新型車の試乗レポートなど無理だ。ちなみに「ペイドパブ」や「案件」とは、1)現金を貰う。2)クライアントの意見を聞く。3)仕上がったものを見せる。4)修正を頼まれたら内容を変える、だと思う。
これを『PR』と入れなかった全てステマという判断になるの、理解出来ます。グレーゾーンは取材経費をメーカーが出すものの、内容についての精査やチェック無しという記事。私はペイドパブに含まれないと思う。もしペイドパブなら、『トヨタイムズ』は全ての記事にPRと入れなければならない。消費者庁、何を考えているのか? 何をしたいのか? 指針や具体例も出さずに「10月1日から禁止!」とするのって乱暴だ。
ベストカーWebの塩川君とそんな話をしていら「ウチも困るので消費者庁を取材してみます」という。おお! 頼むよ。私が消費者庁に聞いてもノラクラされるだけ。バックに大講談社がついているベストカーWebならしっかり答えるくれることだろう。きっちり具体例を出してくれないと、自動車もバイクもフネも自転車も紹介記事など作れなくなると思う。メディアの自由度を大きく損なう。バイヤーズっ不要なの?
<おすすめ記事>
ぶっちゃけ、ステマか否かは、ライター自身が一番分かっていること。この規制でその手の輩が、ビビって書きにくくなるだけで、充分効果があると思います。
もっと言うと、10/1からトーンが変わるライターが、ステマ常習者ということ。ビックモーターのように、既得権益に潜む悪質な輩を炙り出すには、もってこいだと思います。
逆に身に覚えのないライターは、今まで通りで全然問題ありませんぞ。だってどこを叩いても、ホコリのホの字もでないのですから。
宣伝は、正々堂々、やりましょう!
YouTubeで来日した外国人に日本食を食べて貰ってインプレッションして貰うというコンテンツがあります。
結構な再生数があって、視聴者の我々としては日本の魅力を再発見したり、生の英会話のヒヤリングになったりするのでそこそこの数を観ていたりします。
これ、多分見ようによっては「案件」であり、紹介者側が来日外国人にリクエストを聞いて、美味しいお店を紹介しつつ「奢って」いると思います。
多少のリップサービスはあるでしょうけれど、太鼓持ち状態ではないと思いますし、割と楽しんで観ています。
こういうのも厳密には「ステマ」「案件」なんでしょうね。
一番わかりやすいのはメーカーから新製品を提供されてレビューするものですが。
スマホやタブレットだったりポータブル電源だったりとジャンルは多岐に渡りますが。
ハイレゾ音響機器レビューだったりすると、どう配信しても我々の耳には生音源で届くことはなかったりします。
ステマレビューを疑われるような仕事ばかりしている(ように思える)某自動車評論家の方々が方針を改めるのか、それとも突っ走るのか。
フラットかつ鋭敏な主観を楽しみにしております。
YouTube自体がハイレゾ未対応なので。
そんな心配しなくても
ネット民も充分成熟していますから
署名記事でありさえすれば、その情報信頼度はごまかしようもありませんよ
国沢さんを筆頭にね