GT-RスペックV

GT-RスペックVに乗って、いろんなことが解りました。まず「普通のGT-Rの人気の無さ」の原因など。ツマらない乗用車のイメージって「道具」
だと思う。シロモノ家電のようになってしまうと、面白さや趣味性など無し。ただ道具に関しては、人間の文明にゃ欠かせない。好きでも嫌いでも面白くなくて
も日々必要なのだ。

ツマらないスポーツカーとは何だ? こらもう「武器」である。GT-Rのように速さだけ追求すると、追求しないときに何の魅力もない。争いがない時
には無用の長物である武器と全く同じ。しかし! スペックVに乗って「楽しさ」を感じたのだった。も少し解りやすく書くと、原爆にゃ魅力無いが、戦闘機は
カッコ良い。

スペックVと普通のGT-Rで明らかに違うのは、速さでなく快適性。100kmで高速道路を走っていると、GT-Rは楽しくない。スペックVだと楽
しいのだ。その楽しさ、快適性から来て居るんだと思う。おそらくGT-Rの開発チームは強い武器作りに傾注したものの、「クルマとしての魅力とは何か?」
を考えなかったんだろう。

例えばボディ作り。開発チームはおそらく「剛体」にしたかったに違いない。けれど曲がったりしなったりする金属で剛体など出来るワケない。「素晴ら
しい剛性感」があればいいような気がします。スペックVも剛体を追求しているのだろうけれど、よく動くショックアブソーバーの効能によって「滑らかさ」を
感じさせるようになった。

スペックVのような「滑らかさ」が標準仕様に出てくれば、驚くほどイメージは変わる。極端なことを言えば、大柄なボディすら気にならなくなるだろう
(実際、スペックVは標準仕様よりコンパクトに感じます)。開発チームか評価チームに、水野さんが「こいつの話なら聞いてやる」というクルマ通居れば、素
晴らしいクルマになると思います。

ちなみに「誰の話も聞いてないな!」と感じる箇所は多々ある。例えばクルーズコントロール。今やメーター読み115kmまではOKなのに、今だ
107kmまでしかセット出来ない。全く情報が入ってきていないのだろう。もう少し門戸を開けば、GT−Rは名実共にポルシェを凌げると思う。

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6 Responses to “GT-RスペックV”

  1. アマチュア部員 より:

    GT-Rですか。一度運転してみたいですね。
    R35 GT-Rを所有されている方って、もう一台「足車」を所有されているのでしょうね。
    使い方が限定される車で、しかも高価。これはもう数が出る車ではありませんよね。特に日本国内では。
    恐らくメインマーケットである米国でも景気が良くないので想定よりは伸びていないのかもしれませんね。
    そんな状況の中、コツコツと年次改良をしている日産に感心します。
    きっと米国の景気が回復してきたら、評価も上がりそうですね。
    ところで今月の23日に行われるニュル24時間耐久レースにGT-Rは出場しないのでしょうか?
    本来、一番出場しなくてはいけないレースのように思うのですが・・・

  2. あーさん より:

    GT-RスペックVの「滑らかさ」?解りにくい表現ですが、趣味性があると受け取りました。
    私は以前34GT-Rに乗っていましたが、法定速度で走っている時は面白くありませんでした。
    標準仕様のGT-Rに「滑らかさ」が出るだけではなく、普通のスカイラインにも「滑らかさ」が必要だと思います。
    多くの人に「滑らかさ」を理解してもらう事が出来ないと、どんどん車は面白くなくなると思います。
    しかし交通事故死がある以上将来自動運転になり道具になってしまう事も仕方ないとは思います。
    その時代には、別の面白さや趣味性のある製品が出てくると思います。
    車だけが面白さや趣味性があるわけではありませんし、今の若者もそう考えている人が増えていると思います。
    それでも私も古い人間ですので面白さや趣味性がある車に乗りたいです。

  3. 無限のRRという車に乗っています。
    GT-Rとは価格レンジが違いますが、ベースのTypeRと比べて同じようなことを感じていました。同じようにサスは固いのですが、不快ではありません。角が取れた感じです('滑らか'という表現とは少し違いますが)。制限速度で走っていても加速やコーナリングがとても楽しく、疲労も少ないです。
    これって、ベース車の性、とも考えられないでしょうか。
    シビックの場合には、例えTypeRと言えどもユーザを限定する訳にはいかず、そのためサスペンションはかなりの段差にも耐えられるようにしなくてはならなかった(そのため犠牲にした性能がある)ということを聞いたことがあります。
    GT-Rの場合にも、同じようなことが言えるのでは?(2ペダルですのでその傾向は更に大きいかもしれません)
    SpecVならばユーザを選べるので、その分を性能に振れた、と。
    STiのS203,204等も同様ではないでしょうか。
    タイヤが4つ付いていて、ハンドルで2輪の向きを変えるだけなのに、作り方によって、また乗り方によって、車はその性格がとても大きく変わります。それこそが車を運転することの楽しさの本質だと思いますので、全てが'シロモノ家電'になってしまうことはないでしょう。
    でも、それをメーカ自体がやるのか、という点については選択肢があると思います。
    ホンダがNSXの開発を中止した時、三本さんは'M-TECに任せれば良かったのに'と書かれていました。
    環境、安全が今よりも強く言われるようになる将来、更に運転の楽しさに興味を持たない大多数の人々のメーカに対する見方を考えると、自動車メーカがそのような車を作り続けるのは難しいと思います。
    が、幸いにして、日産にはAUTECHが、ホンダにはM-TECが、スバルにはSTiが、トヨタにもTRDがあります。(三菱はRALLIART?)
    そこで、軽からSUVまで色々な車種に'全ての道路での走行は保証できないが、その分運動性能は向上している'車を揃えて、メーカも人と金両面でそれをサポートする(レースに参戦するよりも、得られる技術的なフィードバックは大きそうだし、開発者のモチベーションも上がるのでは)ようにした方が'みんなが幸せになれる'のではないか、と最近思っています。

  4. bokulucky より:

    GT-R高値の花ですが、普通のGTRを友人から借りて、ちょっとオーバースピードで走った感じは、大人のクーペの感覚で楽しかったです。
    何だか昔のインプレッサWRXクーペを運転したような〜あのドキドキ感がありません。スバリストではありませんがGTRも確かにインパクトがありません。
    10年前のこれでもか!とメーカーが頑張った時代の商品の違いなのか?少し寂しく思ってます。

  5. R大好きになりたい より:

    35Rの前期に千Km後期に1万Km乗りました
    同じRとは思えないほど後期は滑らかです
    足回りが別物と感じました、09’は更に良いそうですが
    Vの比較車(普通のGT-R)とはいつの物を言っているのでしょうか?
    まさか発売したてのモノではないですよね

  6. 国沢光宏 より:

    そもそもGT-Rは前期型や後期型という区分をしないと思います。
    ポルシェのような年式は難しいので、インプレッサやレガシィのようにABCDEか、ランエボのような数字になるでしょう。
    とりあえず初期型をA型とすれば、現在売られているのはB型。これはアメリカ市販を考えて見直ししたものです。
    このタイプ、昨年ポルトガルで最初に試乗し、日本でも乗ってます。
    ぜひスペックVを試してみて下さい。

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