2025年度第1クォーターに於ける日産の営業利益、予想の2000億円赤字から791億円に減りましたね
日産は2024年度の決算発表で2025年度の第1クオーター(2025年4月~6月)は2000億円程度の赤字になると言っていた。終わってみたら791億円の赤字に縮小。いろんな意味で驚いた。販売状況を見ていると一段と厳しい上、値引きまで始めている。アメリカでのインセンティブも続いているし、4月から27.5%の関税だって掛かっていた。そんな中での赤字縮小は興味深い。
今の状況を続けていけば徐々にムダがなくなっているだろうから、年間通しての赤字も2000億円規模の赤字で収まるということです。一方、ここにきて日産が声高に主張するようになってきたキャッシュフローは3兆1千億あるという。また、7月~9月の第2クオーターは赤字予想を1000億円。キャッシュフローをマイナス3500億円としている(赤字額より多いのは借金返済分)。
この予想を信じるなら、2年間くらいで赤字をゼロに出来ればキャッシュフローをプラスでキープ可能。単独で再興できると言うことになる。日産の予想、内田体制時代は全てハズしていた。というか、お話にならないくらいの下振れです。エスピノーサ体制になり最初のクオーターは良い方向。次も1000億円の赤字で済めば素晴らしい。ということで次回が楽しみ。
ただ現実を見ると好転の兆しが見えていない。人員削減は始まったばかり。退職者多ければ退職金も必要。工場の再編には時間が掛かる。追浜工場だって閉めるの2027年だ。売れそうな新型車はまだ出てこない。リーフについちゃ価格次第。エルグランドだってアル・ヴェルとの厳しい戦いになる。間もなくマイナーチェンジするエクストレイルは大幅値上げと聞いた。
何とか頑張って欲しいです。
<おすすめ記事>
新社長には必要と判断したリストラを断行しつつ、一方で現場が萎縮し過ぎないよう、道筋と見通しをしっかり示しながら率先垂範してほしいと思います。
取締役と執行役員はもちろん、部長クラス以上の報酬(少なくとも賞与)はあくまで業績連動とし、販売台数・売上・最終利益が適正水準になるまでは、担当や所属を問わず、連帯責任の形を取るべきと考えます。そうでなければ、一般社員や現場の士気は絶対上がりません。
問題は新型車ですが、これまではあまりにも慎重過ぎたと思います。どこの会社でも、「どれだけ売れるのか」「一気通貫でどれだけ利益が出せるのか」は厳しく問われます。
しかしながら、ことクルマに関しては正直出してみなければ分からないのではないでしょうか。
頭でっかちのマーケティングをやり過ぎたり、商品企画・開発部門からの提案を却下してばかりでは縮小均衡から抜け出せません。
どのみち百発百中などあり得ないのですから、打率3割と考えて、思い切って順次出してみてはどうかと強く思います。
以前、英国生産の初代デュアリスを入れた際、評判が良く結構売れたことから、日本向けは九州工場での生産に切り替えたと記憶しています。
同じように「小さく産んで大きく育てる」くらいのつもりで、実際にリリースした後の市場の生の声を聴きながら、化ける方策を探ってみるのも一つではないでしょうか。
その上で日産の課題は、簡単に諦めずにモデル(ブランド)を育てる体制にあると考えます。ある程度売れると見込んだなら、これまでのように出しっぱなしでなく、マイチェンや年次改良の頻度を上げ、陳腐化を防ぎつつスムーズに世代交代を図ってほしいです。こうしたサイクルが回り始めれば一度離れたユーザーもまた戻ってくるだろうし、何より販売現場が活気づき、アイデアもたくさん出てくるようになると確信します。