BYD、オートサロンに日本市場へ導入予定のPHVを出展? 本国で販売済みながらシステムは教えず
BYDがオートサロンで今年日本に導入する予定のモデルを披露する。具体的な車種は不明ながら、消去法で考えると『シール06DM-I』しかありません。当初「もしかしてシーガルか?」と思った。シーガル、日本に導入すればフル装備で楽々300万円を切るだろう。となれば東京都なんか補助金使うと200万円を下回る可能性出てくる。こら強そう!
シーガルかと思ったが‥‥
しかし調べてみるとシーガルの日本導入は無理そう。というのも安全面(衝突安全性)やADAS性能が日本基準を満たしていないためだ。品質的にも”見てくれ”こそ悪くないが、乗ると厳しい。抜本的な見直しをすれば何とかなると思うけれどBYDからすれば利幅少ないと言うことらしい。BYD、シールもATTO3も日本での頒価は本国より圧倒的に高い。
法規的に日本でも販売出来て、しかも儲かる車種となればPHVしかあるまい。先日も書いた通りBYDはPHVも得意としており、海外向けの戦略モデルという位置づけ。ところがアメリカも欧州も中国車が入ってこれないような高い関税を設けた。相変わらず我が国は中国に対し寛大なので関税無し! 補助金までドカンと出す(アメリカは日産の補助金も減額する)。
シール06DM-Iを日本導入か 写真/カーニュースチャイナ
まだ頒価は不明ながら、400万円を切ってくることだろう。果たして売れるか? 以前書いた通りシールの導入時、BYDジャパンに対し「PHVのパワーユニットを教えて欲しい」とお願いした。当時から日本に入ってくる可能性あったからだ。BYDジャパンも本国に依頼したというが、相手にされていない? 半年以上経つのに返事無し。完全に下に見られている。
クルマという乗り物は命を預けなくちゃならない。はたまた、運転している側からすれば、人に危害を与える可能性だってありうる。何かあった際、質問しても無回答だと納得出来ないと思う。加害者になった時も自動車メーカーが「車両は正常だった」と突っぱねられたら「運転者の責任」となってしまう。だからこそ自動車メディアはテスラから距離を置く。
今のところBYDも同じように思える。考えてみたら仮免ナンバーで日本を走り回った吉利汽車も、日本側から抗議されたって知らんぷり。吉利汽車の担当者はトラブルになっていることを知っている。ということで私は現時点で中国車を信用していない。400万円でPHVが欲しいと聞かれたなら、瞬時も迷うことなく390万円のプリウスPHEVを進める。むろんBYDを信じるのは自由です。
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日本のクルマ市場は、表向きの市場としては極めてオープンながら、消費者心理としては極めて参入障壁が高いと思います。
特に最近は、ちょっとしたトラブルでも、鬼の敵の様に糾弾されてしまう。まるで市場に出すからには、メーカーの責任において完璧に仕上げてから出してこいと言わんばかりに。。。
これこそ今の日本において、チャレンジ精神がスポイルされる元凶だと思います。ところが逆にこれが、新規メーカーが参入できない消費者心理の障壁になっていると感じています。
EVでは圧倒的なブランド力を持つテスラや世界販売の実績のあるヒョンデですら、日本市場では大苦戦している訳です。そこそこの値段で参入してくる中華メーカーが、PHVだからといって受け入れられるはずがありません。
自分自身も、複雑な機構と緻密な制御を要するPHVを買うなら、日本車に限ると思いますもの。それに中華製のPHVが、日本の過酷な四季や渋滞に故障なく稼働するとも思えませんし。
しからば中華メーカーが安く売ろうとしても、世界一厳しいと言われる日本市場でのアフターサービスを考えたら、そうそう安くはできないでしょうネ。
そう考えるとクルマは、洋服や電化製品の様には、中華製に席巻されないと思います。時間の問題かもしれませんが。。。
中華製に脅かされないためにも、日本メーカーは国内価格を安くして、競争力を強化するべきだ! なんて、ちゃっかり妄想しております。
ブラジル当局、中国BYDの工場建設に中止命令 労働者が「奴隷環境」で生活と(BBC News)