CX60など日本車にも使われている韓国ザックスとマンドゥ、関係あるか無いか?
CX-60に使われている韓国ザックスはマンドゥと同じ構造と書いたら、マツダから「マンドゥと全く関係ないと思います」。もし全く関係ないのなら間違った情報だ。訂正しなければならない、ということでザックスの日本支社の広報を紹介して貰った。よい機会なので韓国ザックスやマンドゥについてじっくり調べてみようかと思ってます。まず韓国ザックスから。
設立は2001年で韓国の企業と共同出資して韓国ザックスを立ち上げた。日本で最初に話題となったのは、2007年のエクストレイル。韓国ザックスのダンパーを採用していたのだった。ルノーサムソン時代に紹介されたのかもしれない。今となっては知っている人がいないです。ただエクストレイルって乗り心地よく、当時の私の原稿を読むと高く評価している。
次に出てくるのが2013年のオデッセイ。こちらは乗り心地酷評! 実際、酷かった。特にリアの突き上げ感ときたらハンパなし! しかも錆の攻撃を食らう。上はオデッセイの韓国ザックス。ダストカバーを取ったらこんなんだったそうな。新品を見ると下のような金属肌。防錆処置もヘチマもない生金属です。こらタワシ頭みたいになって当然かと。とうていザックスの品質と思えぬ。
ちなみに下は86についていた韓国ザックス。オデッセイ用も途中からタワシ頭にならないようになっている(中国オデッセイについちゃダンパーのメーカーからして不明です)。86用のザックス、防錆対応してありますね。以前から書いてきている通りザックスは世界一のダンパーメーカーだと思っているけれど、錆やガタガタの乗り心地を考えると韓国ザックスを評価出来ない。
マンドゥ(マンドー/万都とも表記)というメーカー、日本だと無名だし、駄目なダンパーメーカーというイメージがあるかもしれないが、どっこい! ABSなどを含むブレーキシステム、ステアリングシステム、ダンパー、ADAS、レーダーなどを作っている大きな会社である。顧客はBMWやVW、日産、GMなど。ここにきて良いダンパー作ってます。
とはいえ昔から良いダンパーを作っていたワケじゃ無い。そもそも韓国の部品メーカーは、大半が日米欧のどこかのメーカーの技術を導入している。韓国ザックスに戻る。ザックス広報に「2001年の立ち上げ時、工場で使っている工作機械はどうしたんでしょうか?」と聞いたら、現時点では掴めていないそうな。錆だらけのダンパーを見ると、欧州のザックスの品質に遠い。
常識的に考えたら、韓国にある既存のダンパー工場を居抜きで買い取った可能性大。そしてマンドゥのダンパーに詳しい喜多見さん曰く「オデッセイやCX-60に使われている韓国ザックスの溶接方法や作り方を見るとマンドゥと同じですね」。もしかしたらマンドゥのダンパーを作っていた機械かもしれないし、はたまたマンドゥのパクりをしていたメーカーかもしれない。
以下、興味深い読者情報です。
「韓国ザックスの工場は昔の起亜精密(起亜自動車のアブソーバー工場)です。韓国の通貨危機の際に起亜がダメになり完成車工場は現代に吸収されましたが(バッジは残った)起亜精密はたたき売られて独ザックスが買い取りました。設備はその時の物がベースになったはずです。萬都のアブソーバーの作りと韓国ザックスのアブソーバーの作りが似ているのは仕方ありません。競合企業でしたから。韓国ザックスの部品図面は独ザックスが監修していますが、作り方までは監修していません。萬都の製品の方が品質が良いと思いますよ。萬都は昔、KYBと技提していました」。
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韓国ザックスの工場は昔の起亜精密(起亜自動車のアブソーバー工場)です。 韓国の通貨危機の際に起亜がダメになり完成車工場は現代に吸収されました(しかしバッジは残った)が起亜精密はたたき売られて独ザックスが買い取りました。設備はその時の物がベースになったはずです。萬都のアブソーバーの作りと韓国ザックスのアブソーバーの作りが似ているのは仕方ありません。競合企業でしたから。韓国ザックスの部品図面は独ザックスが監修していますが、作り方までは監修していません。萬都の製品の方が品質が良いと思いますよ。萬都は昔、KYBと技提していました。(ブラジルのアブソーバー工場が昔、KYBと萬都のジョイントベンチャーでした。)