GRヤリス、絶好調のトヨタながら目標受注台数2万5千台に対し未だ6千台。なぜ伸び悩む?

久々の本格的スポーツモデルとして開発されたGRヤリスは、WRCのホモロゲーションを取るため1年で2万5千台生産しなければならない。2021年8月のWRCフィンランドで新型をデビューさせようとすればその前までに2万5千台作る、ということです。そのうち日本で半分くらいを売りたいとしていたのだった。そんなことから9月の発売を前に1月のオートサロンより受注を開始。

すぐ日本だけで1万台以上売れるかと思いきや「2週間で2千台オーダーあった」と公表して以後、台数について言わなくなってましたね。本日公表されたリリースによれば「先行予約は世界で6千台」という。396万円スタートで上級グレードが456万円。内容を考えたら高くない。なぜ伸び悩むのか? トヨタとGazooの関係が微妙なことを含め、いくつかの「そうでしょうね~」に思い当たる。

FFの1500ccも外観全く同じ

まずGazooが日本の自動車販売の常識から少しズレているんだと思う。これを認識してやっているのなら面白いし、解っていないのなら少し遠回りになるかと。例えば6月2日のリリースにはGRヤリスに『RS』という1500ccのFFと、競技車両ベースの『RC』を追加するとある。RSもボディ外観は全く同じのため、2万5千台の中に含めてよい。台数を稼ぐためのグレードです。

当然ながら価格が知りたい。自動車ビジネス、価格解らないと一歩もすすまないですから。前述の通り1600ccターボモデルは価格を発表して受注開始した。だったら1500ccのFFも同じにすればいいと思うのに価格無し。同じく私が待っていた『RC』も価格を発表せず。お金のないプライベーターにとっちゃ価格解らないと計画をスタートさせることだって出来ません。

カッコいいですね!

もう一つ。トヨタ本体が売る気になっていない。前述の通りGRヤリスは1月にネットで予約注文を始めた。その直後だけメディアに取り上げられたものの、その後、GRヤリスの話題が全く出てこず。普通の新型車ならプロジェクトを組んでしっかり計画を練っていく。GRヤリスをトヨタ本体に「年内に2万5千台売って欲しい!」と命じたら、間違いなく売る。

Gazooはトヨタに頼らずともクルマの魅力だけで2万5千台売れると考えてるんだろう。実際、オートサロンで一番人気! メディアもこぞってGRヤリスを褒め称えた。そら勘違いしますワな。オートサロンで騒いでいるのは選挙で言えば支持政党無し。クルマ買う層と全く違う。ホンダは昔から「F1でホンダを熱烈に応援してくれる人達であってもホンダを買うとは思ってない」と割り切る。

私のWebを見てるみなさんは相当のクルマ通。意外なことにGRヤリスの話が全く出てこないです。歴史の浅いGazoo、オートサロンやラリー会場での熱狂的なファンを見て、クルマを買ってくれる層だと思っちゃってるのかもしれません。残る今シーズンのWRCでヤリス大暴れすれば、ブランドイメージが高まっていくでしょう。加えてWRCジャパン後も売れることだろう。

焦る必要はなし。良いクルマだしGazooだって売れ行き伸びなければ違う戦略を考えるに違いない。なので来年8月まで2万5千台生産することに何の疑念も持ってません。ただ大好きなWRC用のホモロゲモデルだけに、最初からド~ンと景気良く売れたら嬉しかった。個人的にはプライベーター出場出来るクラス用のGRヤリスでWRCに出て卒業しようとしてます。

現時点ではナニを買ったらいいのか全く情報なく動けず。

 

<おすすめ記事>

コメントは受け付けていません。

このページの先頭へ