JMSに出展させるレクサスの6輪車、メリットよりデメリットの方が圧倒的に多いと思えるけれど‥‥
トヨタはJMSに出展するコンセプトカーの情報を流し始めた。なかでも話題になっているのがレクサスの6輪車である。カローラやセンチュリーのコンセプトカーを見ると市販前提だと考えていい。レクサスの6輪車も市販するのだろうか? 個人的には「超ハードル高いでしょうね!」と思う。というのもリア2軸の6輪乗用車って自動車の歴史の中で存在しない。前2軸は2車種ありますが‥‥。
ティレルのF1とペネロープ号ですね。6輪のメリットってなんだろうか? デメリットなら山ほどあります。まず走行抵抗が大きくなるため燃費という点で相当厳しい。電気自動車とかだと、どんなに頑張っても航続距離にして10~15%落ちる。もっと厳しいのが乗り心地。リア2軸のバスに乗ると解るけれど、目地とか通過すると「トン! トトン!」という妙な入力を受ける。
学生時代、アメリカでグレイハウンドのリア2軸バスに初めて乗った。リアタイヤの上くらいに座ったら、当時の私でも「ギャップを超えた時は1軸の2倍の音と入力がありますね」と感じた。その後、日本でも乗った(ハトバスなどが使ってましたね)、やはり1軸バスの方がいい。日産ディーゼルや三菱ふそうもリア2軸の大型バスを作ったものの、デメリット多く絶版に。
レクサスのティザーを見ると後輪が前輪より小径である。これまた乗り心地を確実に落とす。タイヤ半径が小さくなるため、同じ段差を通過する時の乗り越え入力は大きくなってしまう。当然の如く乗り心地に悪い影響をもたらす。さらに小回りする際、リア2軸だと後ろ側をステアしてやらないと抵抗になってしまう。はたまた後輪駆動だと1軸だけ駆動させたら軸重不足になりトラクション不足に。
メリットってあるのか? バスは10トンという軸重制限をクリア出来るため豪華に出来るが乗用車だと2軸で何ら問題ない。トラックだとタイヤ径を小さくすることで低床化出来る。乗用車でも3列目シートの横幅とラゲッジスペース稼げる? ただこれだけ大きいクルマになると多くのデメリット上等でスペースを稼ぐ必要もない。以上の理由で6輪の乗用車は今まで存在しなかったんだと思う。
なぜレクサスが6輪を選んだのか不明ながら、強いて理由を挙げれば「面白い」ということかと。確かに存在感あります。加えて技術で弱点は克服出来るかもしれない。リア2軸をアクティブサスにして軸重を最適化したり、1軸だけトルクベクタリングさせてみたり、リアだけ幅の狭いタイヤを履いたり等々。ハードル高そうながらやってみる価値あるかも。6輪ティレルだって優勝してますから。
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