UAW(アメリカ自動車労組)がスト。電気自動車生産、エンジン車より工数少なく仕事無くなると主張! その通りです
UAWが大規模の労働争議を起こしている。日本では賃上げ要求を取り上げているけれど、それより大きい問題は労働人口の減少だと言う。UAWによれば電気自動車を生産するためのワーカー数はエンジン車より大幅に少なくなるため自分たちの仕事が減ってしまうと言ってるのだった。まぁその通りかと。先日トヨタの次世代電気自動車を作る生産ラインについて話を聞くと、明らかにワーカーは少ない。
ただ日本の場合、省力化こそ正義である。というのも求人を出しても人が全く集まらない。今後さらに働き手の人口は減っていく。このあたりで抜本的な生産方法を考えないとならないワケ。人の手に頼っていたらクルマを作れなくなりますから。今の半分くらいにしてもいいくらいだ。されどアメリカのように人口の減らない国はワーカーの減少=仕事からあぶれることを意味する。失業を怖がります。
そして電気自動車は間違いなくエンジン車より工数が少なくなる。例えば電池。これを外部から調達することになれば、エンジンやミッション、燃料タンクを含む燃料系、排気系など不要になってしまう。新たに必要になるのは電池とインバーター、モーター。このうち、電池を外部から調達し、最近は「eアクスル」などと称したモーターと駆動系のセットをアッセンブリーで調達する流れになってきた。
こうなると誇張無しで現在の工数の半分になる可能性大。5千人必要だった工場を2500人で回せるようになると半分失業だ。これを読んで「電池やeアクスルで新たな求人が出てくる」と思う人はクルマのことを全く知らない。電池工場、コンタミ(ゴミなど不純物)を防ぐため、徹底的に自動化を進める。人の手をたっくさん使うエンジン生産工程と比べたら、もうお話にならない。10分の1以下でしょう。
eアクスルだって複雑な変速機と比べたらシンプル。モーター生産だって今や”ほぼ”機械化されている。そして電池やeアクスルは一次下請になるため、給与レベルだって違ってくることだろう。UAWの主張は間違っていない。電気自動車比率が増えれば増えるほどワーカーの失業者は増えていく。一方、自動車メーカーもエンジン生産を止め電池を買うようになったら利益率下がります。
なのに給料を上げろと言われたっていかんともしがたい。日本勢だって同じ。トヨタは電池を自社の工場で生産する。そしてワーカーの数を減らしコスト追求するだろう。電池やeアクスルを内製することでエンジンを作っているときと同じような収益を上げられることだろう。といった意味だと、トヨタはワーカーを減らし収益も低くならない。という点で私は「トヨタ強い」と書いているワケです。
ホンダは電池を購入するし日産についちゃeアクスルも購入する可能性大。こうなるとワーカーの数が減ることは対応出来るものの、収益という点でエンジンや変速機分を失うことになる。100という価格で売り、トヨタは80を内製するのに対し、電池を作らないメーカーは100で売り内製50なんてことになるだろう。日本ではストが起きないと思うが、会社の規模を縮小させなけれならない。
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UAWの集まりに、大統領が現れたとか。つまり賃上げ賛成という事か?
小手先の選挙対策でしょうが、電気自動車を造れと言っているのは国や州、これが間接的に仕事を減らそうとしている。
部品は減るハズなのに、中国のBEV以外は高いままですね。これは企業自身を守ろうとしているのか、ただ安く作れないのか。
トヨタはなるべく内製比率を落とさないようにしている、だれか雇用を考えてくれてありがとうと言ってあげるべきだと思います。(私はありがとうと思っています)
ストライキの意義はなるほどその通りと思います。
しかし3年で40%の賃上げ要求とは凄いですね。
経営側の回答も同20%ということで、日本人の感覚から考えるとこっちも凄いと思います。
ベースアップ7000円要求とかレベル違うわと思ってしまいます。
最終的にどこかで妥結するとは思いますが、それが40%寄りなのか20%寄りなのか。
私の予想では割と40%寄りで妥結するんじゃないかと思いますが、3年後人員を4割削減すれば人件費自体は現状維持に近いという結果になるのでは?とか思います。
これも日本とは違った角度での省力化動機かも。