VWが工場を3つ閉鎖へ。ドイツ勢、隆盛を誇った米ビッグ3と同じ道を歩みつつある?
VWが工場を3つ閉めるとニュースになっている。この件で深刻なのは、日本のメーカーと違い海外進出に制限ないのに厳しい状況になっている点にあると思う。御存知の通り我が国は自国の農業を守るため(なのに失策続きで食糧自給率を落としてる)、自動車の輸出を人質にしてきた。日本から完成車を輸出出来る国ってアメリカとヨーロッパしかない。全て高い関税や、非関税障壁を許してます。
ドイツの場合、日本ほど厳しくない。その気になれば世界各国に出て行ける。でもクルマの商品力(寿命や耐久性と価格のバランス)で日本勢に勝てないため、今や中国の一本足打法に近かった。そんなタイミングで電気自動車の時代を迎えてしまう。VWの電気自動車路線は総崩れ。メルセデスさえ二流の安電池使い炎上。ポルシェはタイカンが世界規模で売れない。BMWも世界規模で伸び悩む。
ドイツ勢はここにきてエンジン車への復帰を言い始めているけれど、残念ながら中国についちゃもはや電気自動車とPHVの国になった。アメリカと欧州はCAFE(企業平均燃費)縛りがあるため、純エンジン車を売ろうとすると巨額の罰則金を払わないとならない。純エンジン車を売ることが出来る国は限られてしまう。かといってドイツ勢のハイブリッドやPHVは高い上、信頼性に大きな課題を抱える。
伸びているのはどこか? 世界最大の中国市場についていえば明らかに地元勢である。遠からず海外勢を駆逐することだろう。中国に於ける日米欧韓のメーカーは「日本に於ける輸入車」程度の小さい市場しか残らない。二番目に大きいアメリカ市場を見ると、GMとフォードが粘り、日本と韓国というバランスになる。ドイツ勢はCAFEと電動化のハードルを超えられずシェアを伸ばすどころか、守れない。
欧州市場といえば、どこまで中国勢の進出を許すかで決まる。昨日から中国の工場で生産したクルマにつて高い関税を掛けることになり閉め出しを始めた。されど中国勢が欧州内に工場を作って進出してくると、こらもう勝てない。欧州全体としてはドイツの自動車メーカーがダメになったって雇用を守ればOK。VWの工場閉めた分、中国の工場が域内で稼働始めたら雇用の数は減りませんから。
新興国はコストパフォーマンスの高いクルマが生き延びる。直近を見ると中国のイキオイばかり感じるものの、耐久性で日本勢。ここにきて商品力は韓国勢。おそらく直近の10年は日本と韓国、中国の戦いになると思う。商品力からすれば日本>韓国>中国になるけれど、新興国は政治の力も必要。となれば中国>韓国>日本になってしまう。新政権が自動車産業の足を引っ張らないことを強く希望する。
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日本の政府自民党は農業を守っているわけではなく 票稼ぎのために農家を甘やかしているだけ。
日本の自動車メーカーも それと引替えに劣悪な条件での競争をしいられてきたので実力がついたが、最近では怪しくなりつつあるように思える。
この先 次の世代が悲しい思いをしなくて良いように 日本の産業が競争力を維持できるよう切に願う。
バブル期からつい最近(BEVが話題になる時期)まで、ドイツ勢の車はいつも称賛を浴びていたので、VWのDCTからベンツのBEV(燃えました~)までを見るかぎり、「ドイツ勢、マジか~」という感想が出てしまいます。
やっぱりドイツはかつての敵=ロシアに石油エネルギーを依存しようとしたあたりから、何かおかしい。もえる中国製リチウムイオン電池を掴まされてしまうところも、何で自前で作らなかったんだろうとさえ思います。最善か無かのポリシーで行けば必ず手中に収めるはずなのですが。
VWは巨大だけれども、アメリカのかつてのクライスラーに似ているなあと思います。ベンツも多くの株を中国企業が持っていますし。。。