車屋四六の四方山話/ルノー・アルカナに試乗してみた

新着、欧州製ハイブリッドに試乗した。その名はルノー・アルカナ。アルカナって、ラテン語で神秘とか秘密とかの複数形だそうだ。プラグインハイブリッド=PHEVではないが、走り出し、いや街乗りだとEVそのもの。静かで発進加速が力強い。それは低回転からトルクが大きなモーターの特技まんまだからだ。

そして30km/hから40km/hほどになると、直四1.6ℓエンジンの介入で、半電気自動車走行状態となり、80km/h越えになるとエンジン主導となる。このモーターとエンジンの断・接続が実にスムーズで滑らかなのもアルカナの特技である。

流れるようなクーペラインとホイールの赤ポイントがお洒落

これはF1技術を活かした巧妙なクラッチシステムで、基本は伝達効率が高いドッグクラッチ。二輪などでお馴染みのドッグクラッチは珍しいものではないが、常識的にショックが大きい。それを解決したのがルノー長年のF1ノウハウである。

PHEVだと、長時間の街乗りでは電池残量が少なくなるとエンジン主体になるが、アルカナは、1.2kWh/250Vとリチュームイオン電池の搭載量が多いのに加え、スターター兼髙出力発電用モーターで常に蓄電量に余裕があり、街乗りでの電池走行状態が長持ちするのも特徴だ。

お陰様で燃費がいい…WLTC燃費22.8km/ℓだが、都内から埼玉方面を走り回っての実用燃費は18.2km/ℓだった。こいつは、このサイズのSUVとしては、胸を張れる好燃費だと思う。ちなみに、エンジンは94馬力+四速AT、走行用モーター49馬力+二速AT、始動兼発電用モーター20馬力という構成だ。

前から後に流れるようなクーペスタイリングは、思いのほか背が低いことでSUV独特な威圧感がない。ホイールの赤いペイントはチャームなワンポイント。全体のレイアウトも、いかにもルノーの風情である、アルカナの魅力は、EVらしい快適な乗り味と、ルノー、いやフランス生まれらしい匂いが充満するスタイリングとオ洒落なインテリアである

インテリアもオ洒落で、長い室内長で居住空間も充分だ。少し高目の着座でアイポイントが高いから視界良好、取り回しが楽だった。走れば思いのほか軽快で回頭性もいいし、サスもしなやかだ。クルーズコントロール、前車追従、レーンキープ、パーキングアシストなどの装備も充実している…そんな車が、このクラスとしては安い429万円。走った後の満足感と合わせて欲しくなる車だった。

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