オスプレイの弱点

オスプレイの直近の事故の概要が判明した。オスプレイの垂直上昇はヘリコプターと同じく回転翼で機体重量以上の推力を出し、浮く。そこから徐々に回転翼を水平方向に変移させ、固定翼機と同じ主翼の揚力で浮く。離陸時は対気速度ゼロ。そこから速度を上げて行き、固定翼で揚力を生み出せる速度まで加速する。

問題は加速中です。回転翼の角度を減らして行くにしたがい、ヘリコプターとしての推力は減少。その分を主翼の揚力で補っていく。離陸重量24トンで加速中としよう。仮に速度150km/hで、推力により12トン。揚力で12トンを担当しているとする。ここで風速14mの追い風を受けたらどうか?

風速14mといえば、およそ50km/h。対気速度100km/hになってしまう。すなわち、揚力12トンのウチ、3分の2以上を失ってしまうワケ。対応策は回転翼を垂直方向に動かすことながら、8度動かすのに1秒掛かる。風向きの急変や、ウインドシアなどを受けると間にあわぬ。で、落ちてしまった。

固定翼機も急激な風向きの変化に弱いけれど、昇降舵により機体全体の迎角を変えることでかなり対応できる。そもそもアクロバット飛行の短距離離着陸じゃない限り、風向きの変化を想定した余裕のある離着陸速度が決められてます。オスプレイの場合、常時アクロバット飛行を行っているようなモノ。

「片側のエンジンが止まったらオシマイ」という人もいる。左右の回転翼はCH47のようにギアで繋がっており、一発停止したって降りられる。ヘリコプターモードでのエンジン完全停止時は不時着するためのオートローテーションも使える。エンジントラブル発生時の安全性についちゃ、固定翼機と回転翼機と等しい。

ただ変移時の安全性は物理的に確保しがたいと考えます。日本に持ち込むなら、陸上での変移飛行を禁止するなど、安全確保のガイドラインが必要だと思う。TVや新聞など一般メディアじゃ解説してないし、飛行機マニアの情報は普通の人にゃ入ってこないので、とりま自動車ヒョウロンカが説明してみました。

福島第一の1号機建屋の地下に溜まった水から10シーベルト/毎時という膨大な単位の放射線量が計測されたという。東海村の臨界事故(チェレンコフ放射光を見たそうな)で亡くなった方が浴びた放射線量は、推定6〜10シーベルトと言われる。臨界事故に近い放射線量です。地下に溜まる水、入れても入れても抜けている。

何と! 燃料棒を冷やした水が、そのまんま地中にダダ漏れしている、ということ。これを防止する技術は1年3ヶ月経っても無し。メルトダウンした燃料棒を取り出す技術も「これから開発する」と言ってる状況。なのに関電ときたら「脱原発は絶対に無い!」と言い切った。正常な精神構造じゃないと思う。

産業を守るため、というのだったら命を賭して円高と戦って欲しい。稼動させたいのなら福島を元の状態に戻してからでしょ! ということを考えながら朝イチでベイFMの電話出演。続いてNV350キャラバンの試乗会へ。「コスチュームを持っていきます」と、CT誌の三沢君。予想はついたけれど‥‥。妙に似合うから笑える。

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同じ場所で撮影してたベストカーの馬場君と同業の小沢コージ君も同じカッコでした。しくしく。ヒネり無さ過ぎでしょ! NV350キャラバンだけれど、ザックス製のショックアブソーバーを採用しているため、ハイエースより圧倒的に乗り心地良い! 試乗レポートは7月26日売り号のCT誌で。

追記・オスプレイを知らない人が間違った情報を流している。オートローテーションが出来ないのは、固定翼モードの場合のみ。そらそうだ。プロペラは前に向いており、垂直にするまで11秒も掛かる。固定翼モードの時は普通の飛行機と同じ滑空&不時着です。ヘリコプターモードの時はオートローテーションが可能。

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7 Responses to “オスプレイの弱点”

  1. 匿名 より:

    偶然ですが、昨日クルマでFM聴いておりました。
    Bay FM電話出演おめでとうございます。話の内容も極めてわかりやすく良かったです!

  2. Min より:

    今朝のそもそも総研で言っていた事とても腹に落ちた。
    オスプレイと原発は同じロジック。アメリカの紋所が入った印籠で官僚が事実上支配をしていると。
    まぁそうだろうとは感じていた物の具体例を示された感じ。
    細かな部分で政治家批判をしている事が虚しく思えて来た。
    日本は「アメリカになるか」「独立するか」の選択を迫られる日が近い将来来る様な気がします。

  3. 長い目 より:

    走りの高評価は前型から継承されているようですが、ハイエースとキャラバンの違いは走りよりもボディの耐久性だと思います。すぐ錆びるキャラバンに買い換えることは無いということです。中古車としての価値も下がりますから、損得勘定で魅力は無いということです。作り方を変えるのではなく、使う材料を変えるということです。トヨタに張り合って傾いたM社のようにB級品を使っていないものと信じたいですね。
    トヨタと日産の差を象徴した車です。車だけでなくディーラーもトヨタと同等かそれ以上のものを求められるでしょう。

  4. あきお より:

    琉球新報(2012/01/21付)によると
    固定翼機モードで緊急着陸した場合、回転翼が機体に接触しないために外れる仕組みなっているそうな・・・
    http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-186500-storytopic-53.html

  5. applefanjp より:

    オスプレイ、ご指摘の通りです。
    アニメみたいなヘリもどき、夢物語ですよね。
    ま、それについては、皆さんのお話もあるので・・・。
    自分は!
    いやあ、ナイスな企画ですねぇ。
    こういった遊び心が楽しい!
    コージさんも合うでしょうが、
    師匠もぴったりです!
    たけし監督の鬼瓦権蔵さんのように
    髭まで書いてくれたらカンペキなのになあ!
    残念。
    CT誌では隠し球があるのでは!

  6. 買取屋 より:

    戦後脈々と続けてきた〜政財官のデタラメとでっち上げが破裂しそうな…もうこれ以上許すべからず!予算、もたれ合い、利権、ムダ使い、借金、天下り、増税、安保、原発、等々〜今こそ時代に合わせて鋭くメスを入れ〜小さいウネりを大きいウネりに変えるべき!ややこしいヤツら及び国家のガン、そして既得権をぶち壊してから〜ヒモ付きではない第三者及び国民が予算や体制を厳しく監視管理出来るようなシステムを設置〜そして公にすること!今迄〜ロクな情報開示もされずにナメられてきた国民は〜やりたい放題の役人や政府そして企業にもっと怒りをブツけましょう〜それで国が少しでも良い方向に動いてこそ〜真の民主主義の姿…選挙だけでなく〜役人にも問題提訴して意義を唱えるべき…もうこれ以上ガマンをする必要は無いし〜我々は納税者です!汗水垂らしてカネ払ってるんだから…一切のムダやデタラメを許す必要は無いです!

  7. 真鍋清 より:

    ヘルメットの男の子を演じているベストカー三沢君の演出は最高ですね―「日産キャラバンのある風景」を見事に表現しているように思います。
    このキャラバンという奴、「ワンボックスの名門」トヨタハイエースと違って揺れが少ないのとは裏腹にボディがよく錆び、また10万kmぐらいを境に電装品を中心に小トラブルが続発するなどクオリティコントロールに関する日産<<<<トヨタの関係を象徴している格好でどこか惜しまれると思いますが国沢さんは如何でしょうか。
    安普請でヘナヘナな手応えの中にも「一糸乱れぬ芯がある」…..それがトヨタ車のトヨタ車たる所以であり、そうした信頼感・ソリッドさが毎日生活を共にしている2004年製ヴィッツ1300U-L/101727km走行との8年間に亘る生活の中で「肌を通じて伝わってくる」気がします。
    ところが日産車だとある特定の限界性能に秀でていても、日常生活レベルの触感に関わる点で「ここがどこかしっくり来ない」「あそこがもう一歩良くなれば」という奥歯に物が挟まったような歯がゆさが免れず、それがトヨタに対する日産の血統なのでしょうか―「良妻賢母」なトヨタ、「一芸に秀でていてもどこか性悪女」な日産、と言ったらこじつけ過ぎだろうか?

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