スズキは嘘ついても不思議じゃないです(20日)

燃費不正問題で一般メディアから一番多く聞かれるのが「他の自動車メーカーは大丈夫ですか?」という質問である。自動車メーカーに聞くと、皆さん「御社はインチキやってないのか?」と言われるのが一番腹立たしいと言う。そらそうだ。普通の人は泥棒なんかしない。なのに近所で泥棒出没したからという理由で「アンタも泥棒してんじゃないか」と言われたら腹立ちます。

この仕事を長くやっている上、私の場合、自動車メーカーが嫌がることも突っ込みたくなってしまうという素晴らしく損な性格である(したがって美味しい話など無し)。過去、様々な件でモンク言ってきた。例えば自動ブレーキのセンサー。「レーダーとレーザーは明らかな機能&性能差があるのだから混同すべきじゃない」と全てのメーカーに言ってます。

基本的にはたいていのメーカーが素直に聞いてくれない。トヨタなんか安全技術を担当している役員に「誤解を招くから正しい表記と情報を」とお願いしたのに「はいはい」というだけで是正しようとしない。ここだけ見るとアカンのだけれど、トヨタ全体で経過を見てると徐々に正しい表記にしようという動きが出ている。「技術は正しくなければダメだ」と思う人も多いからだ。

やがて「国沢に言われて直すのは絶対イヤだ」という役員が卒業したら、正しい表記になっていくだろう。加えてその役員、今だ現役なのに、表記を変えている技術者も少なくない。役員だって本心は「良くない表記」だと理解しているから、正しい表記する状況を見ても止めないのだった。

トヨタに限らず、ホンダや日産やスバル、マツダなども同じ傾向。メーカーにとって好ましくない指摘をした場合、それなりの返事が返ってくるし、少しずつながら技術的に正しい方向を向く。もちろん安全性まで関わる事案が出れば、メンツなど関係なく即座に対応します。

そんな中、スズキと三菱自動車は「?」と感じることがある。下のリンクは昨年10月の日記だけれど、スズキに自動ブレーキについて「正しい情報を」とお願いしたってマスゾエ知事状態。のれんに腕押しというヤツで、のらくら返事をごまかすのみ。だからこそ今回も「まぁ不思議じゃないですね」と思った。これが発端でスズキに厳しくなったら、VW援護だと言われちゃいました。

スズキはウソつき自動ブレーキ、の日記

VWの件、情けないオッサンの戯言で私は「お金で魂を売った悪者」にされVWに甘いと言われ、かつVWからはTVに出て厳しいことばかり言いやがって、と嫌われ良いトコなし! どうなっても損をするタイプである。損だと解っていても「ウソはつきたくない」という気持ちが勝っちゃうから困ってしまう。商才は全くないです。しくしく。ちなみにスズキにも期待する役員います。

その人に頑張って欲しい。

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