ソニー損保が若い世代のマイナスキャンペーン。酷いね(6日)

一昔前はソニーと言えば一流ブランドだったけれど、もはや往年の輝きは感じず。今やパナソニックですら自動車関連部門をメインにしていこうとしている中、自動車メーカー側からすればリスクを取ろうとしないソニーは疎遠になりつつある。そんな中、ソニーの名前を冠にするソニー損保が「新成人のカーライフ意識調査」というプレスリリースを出した。

「新成人のカーライフ意識調査」と言うソニー損保のリリース

内容を分析すると、どうやら「若者はクルマ離れしている」という前提で考えているようだ。しかもこのリリース見て記事を書く記者も、クルマ嫌い世代多い。結果「クルマ離れは深刻。新成人の3割はクルマ不要」みたいな内容になってしまう。後ろ向きです。自動車メーカーの調査担当者によれば「どんな調査なんでしょうね」。現状と大きく離れているからである。

そもそも公共の交通機関の無い地方に住んでいる人は、クルマがないと移動の手段を持てない。ソニー損保の調査(対象はたった1000人。地方部と都市部の比率未公表)だと免許取得率54,8%となっているけれど、警察庁のデータによれば20~24歳で78,6%となる。ソニー損保、おそらく都市部かつ大学在学中の調査対象者が多いのだと思う。

また「新成人の5割半がクルマに掛けられる金額を1万円以下」とか「72%は車を所有する余裕ない」としているが(同じプレスリリースに5割半と72%という表記が混在すること自体、プロのレポートと思えぬ)、地方に住んでいる人からすれば考えられないこと。クルマを持つ必要性の無い都市部の学生さんの意見でしょ。一事が万事調査レベルの低さを感じる。

困ったことにこのプレリリースを鵜呑みにするメディアが多い。ただジックリ数字を見ると、明らかにクルマ人気が戻りつつある。都市部ですらクルマに興味ある人が増えており、同世代でクルマを所有してる人はカッコ良いという意識を持ち始めてます。この調査、都市部の学生さんの意識だと思えば興味深い。繰り返すが地方部だとクルマは道具。必需品です。

こんな調査を容認してるようじゃソニーはますます自動車産業から離れていく。今や自動車メーカーは新成人に代表される20歳代の人達にクルマを知って貰おうと考えているのだった。30歳代はクルマ好きになってくれないことが解ってきたし。そんな中、新成人にクルマ嫌い世代と同じレッテルを貼ろうとしてるソニー損保のマイナスキャンペーンは最低かと。

クルマ嫌いが関係した記事も調査も方向性も私は大嫌いです。そういった意味からすれば、アンチ自動車世代も「時代の変化」に追いついてけないガラパゴスです。違う方向に向かいつつある自動車業界の足を引っ張るだけ。

三菱MRJの納期遅れの問題、いよいよ深刻になってきた。当初ライバルより20%良いと言われていた燃費ながら、今や5%程度になってしまっている。さらに納期だって読めなくなっている。そんな中、MRJを200機買うと言っていた(米)スカイウエスト航空が(伯)エンブラエルに乗り換える方向になってきた模様。5%の燃費差なら実績ある機体を選ぶ。

三菱重工は依然として親方日の丸気質から抜け出せないのかもしれません。初号機の納期も済ませ、フル生産に入ったホンダJETと好対照だ。

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