パンク増えた? そもそもパンクの件数じゃなくJAFの救難依頼件数でしょ(21日)
JAFが「この10年で10万件もパンク増えた」というリリースを出した。JAFは「空気圧の点検をしていないのでパンク増えた」という全く同じ内容のリリースを2014年にも出してます。このニュース見て延髄反射で「パンク増えた」と書いちゃってるメディアが多い。ここは「公的機関の発表を素直に聞けないスレた私」として状況を分析してみたいと思う。
まずベースになってるのは「絶対的なパンクの増加」じゃなく「JAFの救援要請のウチ、タイヤパンクの割合」だ。考えて欲しい。20年くらい前ならパンクでJAFを呼ぶヤツなんか少数派だった。そんなモン、自分でジャッキアップしてスペアタイヤに交換すればいい。先日も道ばたにパンクして止まっている人を見たので声掛けたら「ありがとうございます。JAFを呼びました」だって。
そもそも自力で解決しようという人が減った。パンクした際、グーグル先生に「パンクした」と聞くと、無難なのはロードサービスを呼びましょうと出てくる。加えて昨今のクルマはスペアタイヤを積んでいない。パンク修理剤を使えばいいのだが、これまた慣れないとどうしていいか解らず不安。しかも「パンク修理剤を使ったらタイヤを交換しなくちゃならん」とグーグル先生は答える。
大きな出費になること明白。そんな状況がJAF救援増加のベースになっていると考えます。
物理的な要因もいくつか考えられる。なかでもツートップは超扁平タイヤの増加とすり減ったタイヤを交換しないケースの増加が大きいと思う。35%扁平タイヤなんかキャッツアイ踏んだだけでバーストする。たいていサイドウォールが破壊されるため、パンク修理剤じゃお手上げ。スペアタイヤも積んでない。私だってサイドウォール破損のパンクならJAF救援コールです。
摩耗したタイヤを平気で使ってる人も増えた。20年前ならガソリンスタンドで「タイヤ減ってますよ」というセールストークをされたものだが、今やセルフのため見逃されてしまう。上は先週ラリーで訪れた豊川のホテルに止まってたイプサム。ここまで減るとパンクしやすくなる。古いタイヤがオークションなどで流通するようになった結果、走行中に壊れる例も出てきた。
横浜ゴムの政友さんがゲストです
今週土曜日の『ドライブ・ア・ラ・カルト』(ラジオ日本。21時~)はゲストにタイヤメーカーの方をお迎えし、タイヤに関する話を聞いてみた。普通の乗り方をしている限り、パンクって10年に1回くらい遭遇するという。タイヤがパンクしやすくなっているということもないそうな。興味深い内容ばかりなので、お時間あれば聞いて下さい。ラジコでも聞けます。
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