年末の忘年会はニューオータニで会費5000円でやりましょうか?
記事を書くときに一番難しいのは「後ろめたいことがあるときは誰も真実を語らない」という点にある。こらもうニューオータニの宴会問題を見たって解ります。後ろめたい側は「5000円で引き受けてくれた」。そう説明されたら信じるという報道の方法もあるだろう。けれど「おかしい」と思うメディアだってありますワな。私の場合、とりあえず信じない。ただ真実に辿り付くの、難しいです。
取材の基本からすればニューオータニに「いくらで引き受けたのか?」と聞くことながら、当然の如く「個別の案件には答えられない」となる。もちろん5000円で引き受けてくれたと発言した官房長官に聞くというアプローチもあるだろうけれど、こちらは「言った通りです」で終わりますワな。結局解らない。私のような野良犬ジャーナリストは真実に辿り付く最も早い方法を考える。
打開しようとしたら私なら「官房長官が記者会見で明言したのだからニューオータニの宴会は5000円コースからあるようだ」と書く。この記事を見た人は、ニューオータニに「5000円で宴会をお願いします」というオーダーを入れるかもしれない。官房長官という責任ある立場の人の発言なので、それを記事にするのは妥当です。一番困惑するのはニューオータニだろう。
「そんな金額では引き受けられない」と言うと官房長官の顔にドロを塗るので「当ホテルでは*****円からお引き受けしています」と答えざるを得なくなる。それならなぜ出席者は5000円しか払っていないのか、ということになり、何となく真実が見えてくる。ニューオータニからすれば、5000円で宴会が出来ると書いたメディアに怒り心頭だと思う。だったら最初から隠さなければよかった。
閑話休題。自動車業界は真実に辿り着くことが容易だった。トラブル出たら隠さない方がいい、という経験値を持っているからだ。だから取材する方も真正面から行く。もし担当のちっさい根性の人間が隠すようなら、その上に直接当たれば納得行く回答が戻ってくる。そんな良き伝統が少しづつ無くなってきたかもしれません。すでに何回か「答えてくれない」という事案も出始めてます。
リレーアタックの時は複数のメーカーから取材拒否されました
今のところトヨタと日産、ホンダ、マツダは今まで通りメーカーにとって不利でも正しい情報が入ってくると考えている。けれどスバルや三菱自動車になると、面識のある要職の方がいません。かなり難しい状況になってきている。ダイハツ、スズキになったら全く自信ない。もうすでに何かあったら真正面から聞くのは諦めており、野良犬路線でいくしかないと思ってます。
消費者にとって一番大切なのは真実であり、嫌われたってそこに辿り付くことが私らの役割だ。信用出来ないメーカーのクルマに何か問題出たら状況だけ紹介する。そして真実に辿り着く。先が短く忖度しないでよい自動車評論家だから出来る仕事だと思ってます。
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