悪天候の中、台湾鯛狙い! コバンザメも釣れた~(20日)

今年は元日から原稿書いていたため未だお休み無し。毎日遊んでいるようなもんでしょ、と言われるのが案外悔しかったりします。月曜日の用事ながら土曜日の夜に早入りし日曜日は朝から釣りです! 6時にホテル出て「うるま」の港へ。7時過ぎても薄暗い。この時期の那覇は日の出が7時18分! 東京と30分の”時差”あります。釣り場所は大もめしてる辺野古の沖合だ。

沖縄で釣りをするなら越来造船の越来さんのフネで~

狙うはタイワンダイ。天気予報だと午前中は穏やかになるハズだったが、8時半に辺野古沖に到着すると三角波で超コンディション悪い。一緒に釣りに来た宮城さんは、釣り場に到着するや3分間でカエルに変身してしまいました。久しぶりの釣りなので(釣れないカレイは気分転換)、珍しく真剣に取り組む。ブダイの仲間やコバンザメなど釣ったものの大荒れになり終了。

今回乗ったのは日本に残る数少ない木造船を造つ技術持つ『越来造船』(ごえく、と読みます)の3代目代表が趣味でやってる釣り船。木造船といえば東京の佐野造船が有名ながら、今や技術伝承という点で絶滅の危機を迎えている。特に大型の木造船を造るノウハウは特殊で難しいと聞いてます。当然のことながら越来造船で造った「マーラン船」を見せて頂く。

幸い越来造船は釣り船上等の3代目から4代目の勇喜さん(写真下)が引き継いでおり、5代目(勇喜さんの弟さん)もいると言うから少し安心です。フネで最も重要な船形は、中国由来とのこと。和船にも似ているけれど外洋を航行するためキールを持つ。鎖国していた江戸時代、幕府は海外に行かれることを心配し、諸藩にキール付きのフネを造らせていなかった。

沖縄だけ目が届かなかったのだろう。しかも2本のセールはまるでヨット。2本マストのケッチにそっくり。風上に向かい40度で遡れるというから凄い! 越来造船で造ったマーラン船(赤いマスト)も40度で遡れたそうな。勇喜さんに聞いたら「上手なヨットマンならもっといけると思います!」。ということで本物のマーラン船を見せて貰いました。

戦後造られた唯一のマーラン船だという。当時は貨物船として使っていたタイプのフネで、船倉の下に重いもの。上に軽いものを乗せ、その上から水が入らないような荷物の積み方をしたらしい。これまた外洋に出られる屋根付きのフネを規制していた江戸幕府の盲点をついた。FRPのフネより重いかと思ったら「全然軽く造れます」。頑丈そうなのに意外でございます。

艇体は木材を貼り合わせてあるのだけれど、荒波にやられない強度を出したり水漏れしないよう精度を出すのは難しいということが容易にイメージ出来る。クルマもフネもヒコウキも、乗り物はみ~んな文化や文明を背負っていて興味深い。沖縄の船乗り達は江戸時代から大型のマーラン船の2本マストに風を受け、太平洋を行き来していたんだろう。

<おすすめ記事>

コメントは受け付けていません。

このページの先頭へ