日本の弱さの根底は「世界に一つだけの花」の考え方?(17日)
オリンピックを見ていて再認識させられるのが「戦うことの面白さ」である。やはり真剣勝負は大切だと思う。自動車の開発も全く同じ。例えば燃料電池の技術。トヨタはミライの市販にあたり、一般的なスポーツでいえば「徹底的な練習」を繰り返してきた。結果、普通に使っていれば何ら問題の無い性能を持つ。普通に走っているミライ、何らトラブル無し。
信じて貰えないけどデータ提供はボランティアです
しかし! 競技で使ってみたら、いくつかの”課題”が見えてくる。ミライの開発チームから「データを取りたいのですけれど」ということでロガーを搭載しているのだけれど、面白いデータが取れているそうな。対応出来るモノのあるし、抜本的な変更をしなければならないことだってあることだろう。今週末は富士スピードウェイ。違うサーキットだと違うデータを取れる。
また、前回のレースからホンダも参戦している。ライバルと同じ舞台で競うことにより、強みと弱みが解ってくる。競技の魅力はもちろん「優勝すること」ながら、新しい技術を育成するという点で大きな意義持つ。きっと次の燃料電池車を作るときに役立つに違いない。日産も少しでいいからリーフに感心持ってくれるといいのだけれど。興味なさそうです。
電気自動車と言えば、2015年の販売台数を見て驚く。1位はテスラ・モデルS。2位リーフの4万3870台という状況。そんな中、気づけば中国のBYDが乗用車2車種で5万237台も売っている。今年の販売状況を見ると2015年の2倍ペース。2016年の販売台数でテスラも日産も圧倒的な差を付けられそうな雰囲気になってきた。BYD、もちろんリチウム電池。
EVでも急伸中のBYD。写真は『唐 Tang』
なんで日本の自動車メーカーは新しい技術を競技で鍛えようと思わないのだろうか? 勝ち負けが嫌い、というなら「世界に一つだけの花」と同じくガラパゴスになるしかない。現実社会だと嫌いでもヘチマでも、相対評価で競わなければならないですから。絶対評価など何の意味も持たない。もしかして昨今の日本の弱さは、このあたりが原因か?
オリンピックを見て、戦うことの面白さや重要さを再認識したいと思う。「どんなに頑張ったって弱いモノは簡単に負ける!」のが現実だ。
<おすすめ記事>