日産にダマされている人、多数。eパワーはシリーズハイブリッドです(25日)

昨日のこと。新型車の取材会で交流波形の話になった。「当該インバーター、商業電力よりキレイな正弦波を供給出来るんですよ」。この話をフンフンと聞いていた編集担当者に「正弦波解るよね」と聞いたら、もごもごしてる。相づち打ってたのに~。もしや、と「ACとDCは解るよね?」と聞いたら、ココからアウツでした~! それじゃ電気自動車なんかワカランでしょう!

と思ったら「そういえばセレナeパワーは電気自動車だ」君達も、解っていないんだと気付いた。セレナeパワーの本質はシリーズハイブリッドである。メインとなってる駆動系って鉄分の強い人達なら瞬時に理解出来る『DF50』です。蒸気機関車からディーゼル機関車に移行する際、当時は1200馬力級のパワー(D51が約1280馬力)を伝えられる機械式の変速機が作れなかった。

そこで1200馬力のディーゼルエンジン使い発電機を回し、作った電力で900馬力(1個150馬力×6)のモーターを駆動させたのである。これを鉄道ギョウカイじゃ「電気式」と呼ぶ。ちなみにその後トルコン技術が確立。そいつを使った『DD51』は「液体式」と呼ばれた。電気式は今でも使われており、下の客船はガスタービンとディーゼル発電で5万4400馬力のモーター回す。

セレナeパワーのメイン駆動系は84馬力エンジン使う鉄道ギョウカイで言う電気式だ。ただ発進時はエンジン掛けず、搭載しているバッテリーで走り出し、全開時もバッテリーで出力を補う。こらもうハイブリッドと全く同じ制御である。日産が「電気自動車に発電所を載せた」とカッコ良く宣伝したモンだから、み~んな勘違いしたワケ。繰り返すが基本は電気式駆動伝達システムです。

そもそも発電機は交流。駆動用モーターも交流。そのままインバーター機能や、出力調整、回生制御機能を持つコントロールユニットに流してやればパワーロス少ない。そもそも84馬力を小さいバッテリーに押し込むことなど出来ない。経由させる意味ないです。今後はハッキリさせるため、eパワーをシリーズハイブリッドと表記することにします。電気自動車なんかじゃねぇっす!

ちなみに極性のない交流(だからコンセントはプラスマイナス無し)を極性のある直流(電池見れば解るとおりプラスマイナスあり)にするのは案外簡単。一方通行にすればいいだけ。家庭用の交流からスマホ充電の直流にするキカイは小さい。けれど直流をプラスとマイナスが1秒間に50回入れ替わる交流(50Hz)にしようとすれば、インバーターという大がかりなキカイが必要。

熱出るし、効率だって落ちる。インバーターをいかに効率よく安価に作れるかが電気関係自動車の中核技術となります。TVが映るロジックを知らなくたって見られる。eパワーのシステム知らなくてもアクセルとブレーキで普通に走るからどうでも良いことですワな。ただ私のWebを読んで頂けているクルマの通人には、電気モノの基本概念など知っておいて欲しいと思った次第。

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