車屋四六の四方山話/VWの電気自動車ID.4
VWゴルフが世界的ベンチマークだとは誰でもが認めている。今回試乗したID.4も、EV市場でのベンチマークになりそうな気がする。世界的にEVでは先行するヨーロッパで、ID.4がトップレベルの人気者になっているのも、論より証拠である。
EVで気になるのは満充電時の走行距離だと思う。ID.4のリチュームイオン電池搭載量は77kWhで、WLTC燃費が618km。ということは、実用的安心走行距離が450km見当だろうから、実用上まったく問題なしである。
残量警告灯表示から、90kWチャデモなら40分で80%、また家庭用200Vで13時間というから、平均的日常使用なら家に帰って繋いでおけば、朝には安心出発という使い方ができる。
大きなガラスルーフ
運転席に座って、まず気がつくのは物理的スイッチが減ったこと。操作の大半は静電的タッチで済む。また、大きなガラス天井のスイッチングは、指先で前後に擦れば開閉する仕掛けになっている。
感心事は、ハンドル前方の小型のメーターで、ステアリング位置調整と連動し、メーターと一体化した右上部の出っ張りを指先で押せばD、引けばR、頭から押し込めばP。ハンドル+メーター+シフトレバーの位置関係が変わらぬというのは、コロンブスの卵と言うべき仕掛けである。
ID.4のモーター出力は204馬力。モーター特有のトルクの立上がりでゼロ発進は力強い。特徴はゴルフとは正反対な後輪駆動の採用…FRの乗り味は年寄りには懐かしく、何よりの収穫は、回転半径が小さいことである。走りや使用感に関しては、自動車評論家諸氏の解説たくさんだから省かせてもらうが、安全装備、支援装備など、とりあえず必要な物は十分という感じ。
愉快なことは、ブレーキペダルとアクセルペダル。音楽・動画で見慣れた絵文字。ブレーキには一時停止。アクセルには再スタートのマーク。フォルクスワーゲンの開発者には、江戸っ子の駄洒落が通じるような面々がいるようだ。室内も広い、ラゲージルームも広い、静かな室内、そして取り回しが楽、使い勝手がいい電池自動車=EVだった。<車屋四六>
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