エボ6の詳報
帰国後、ありがたいことに取材や原稿がたくさんあったため、TOPを更新できませんでした。コースアウトすることなく本日の夕方、全て終了。ラリーのためジム通いしていたおかげか、何とか体力だけで乗り切れた感じ。帰宅すると小沢さんからラリー車の所見についてメールが届いていた。
-------------------------------
ランサーエボ6の所見で、気が付いた点をお伝えします。
・フロントロアアーム左右2〜3ミリ後ろに下がっておりました。おそらくこの原因はクロスメンバーの曲りが原因であると思われます。
・フロント周りのボールジョイントにつきましては、ほぼ全てにおいて不具合が見られました。
・タイロットにつきましては、左右とも弓なりの状態でした。調整するたびにほぼ2度ほどプラスマイナスになりました。
・ドライブシャフトは油漏れし、曲り、4本ともいつ折れてもおかしくない状態でした。
・フロント右ハブとリア左ハブは不具合とハブの曲りがひどい状態でした。
・駆動系に関しましては、フロントLSDがイニシャル5〜6キロ程度でした。センターデフは駆動が掛かっていない状態でした。
・リアデフにはLSDは入っておらず、ノーマルの状態でした。
・ブレーキに関しましては、フロントの右、リアの右後ろが固着しておりました。
・サイドブレーキのライニングは1ミリ程度しかありませんでした。ラリー中、もう少し効かせられないということでしたが、不可能でした。
・タイミングベルトは、ピンホールが空いた状態であまり良い状態ではありませんでした。いつ切れてもおかしくない状態でした。
・スパークプラグは10番が入っておりました(通常は8番くらいがベストです。)
・ミッションのジョイント部分は、全体的に油漏れがあり、リアデフに関しましても同じ状態でした。
・ラックのブーツは装着されておりませんでした。
・私も今までいろいろな車両に携わってきましたが、この車両のショックアブソーバーにつきましては、どうしても理解できません。
他にも気づいた点は沢山ありますが、書ききれませんのでこのくらいにしておきます。
-------------------------------
ここまでくると笑うのみ。おそらく転倒によるダメージを修復し、次のラリーに使うか、誰かにレンタルするか、売却するんだと思う。その際「最後の二つのSSのタイムを引き合いに出し、戦闘能力は高いといった評価を下すんでしょうね」。もちろんタイ人に悪意など存在しない。心から速いと思っているのだ。
ただし間違いなく壊れる寸前の状態。というか、いつ壊れてもおかしくなかった。ラリー中、ブレーキはイッキに踏まずジンワリと。大きなギャップを避け、さらにいつ何が壊れても対応出来るよう、マージンを残してましたから。このままの状態でラリーに出れば100%壊れるに違いない。
ちなみに修理代は「見積もりを取ってから」と提案されたけれど、1秒でも早く忘れたいので、その場決済を希望した。石井さんやイテポンさんは「3万バーツで十分でしょう」(タイの貨幣感覚だと日本円の30万円相当)。ウドンサックさんは「9万バーツ欲しい」。これには皆から「そんなに掛からないでしょう」。
結局中間を取って6万バーツになった。タイの貨幣感覚で60万円。実質的な為替レートだと15万6千円。まぁそんなモンでしょう。その場で支払う。今回は急遽出場することになったこともあり、日本側で準備できたのはタイヤとブレーキパッドのみ。いろんな意味で修行の連続になりましたね。
<おすすめ記事>
ラックのブーツが無い!、泥、埃、石、何か入って噛み込んだら!、身の毛がよだちます!、壊れずに良かったですね!。
ランエボ修行、小沢さんの解説から
実態が私たちに的確に明らかになってきました。
まさに、修行。
そして、この修行を乗り越えた?
ランエボには3位入賞の「箔」がついて
今後、どなたかの手に渡るのでしょうか。
彼らはとっても逞しいからなあ。