タイ終わり(その5)

同じラリーに出場していたムスコはどうなったか? ヤツにとっちゃ4年ぶりである。ペースノートの作り方もウロ覚えだったろう。ちなみにコ・ドラはイテポンさん。昨年のチャンピオンだからして、今やタイNo1のコ・ドラだと評価されているそうな。アジアンラリーじゃ青木拓磨選手の隣に乗ってます。

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4年前のラリーのコ・ドラもイテポンさん

シェイクダウンの前に「お前は久々のラリーなんだから無理すんな。シェイクダウンで壊そうモノなら競技する資格無し! 特に終盤の左コーナーの内側に乗ったら一発でコケるからな」と説教してやった。その10分後にコケてるオタンコがいるんだからシクシクだ。ただ転倒を間近に見て「オレはコケない」と思った?

ちなみにヤツは自分が乗るラリー車をシェイクダウン会場で始めて見た。例によって遅れて届いたのだ。この時点で判明したのが「おおぅ! ラリー車じゃなかったのね!」。レース仕様車にアンダーガードを組んだだけ、という恐ろしいスペック。車高低く、足もガッチガチに硬い。

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小沢さん曰く「リアなんかストロークしてないね」

しかし! 意外や意外! ラリーが始まってみたらSS1でFFクラストップと3秒差の3位! エンジンは全て200馬力程度。ライバルの車重が1トン少々しかないことを考えれば上出来だ(シビックは1190kg)。荒れた路面ではハネて何度もコースアウトしそうになったというけれど、初日を走りきってしまった。

最終SSでTOPを走っていた旧型シビックがコースから転落。クラス2位だって(FFクラスは初日がタイ選手権4戦。2日目5戦)。2日目もリタイアしたチームが再出走する中、トラブル無しにフィニッシュ。3位となった。ラリーの出場回数からすれば誉めてやれる成績である。ワタシより他の人達から誉められてましたけど。

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これからはラリーも2輪駆動

ムスコのサービスをやってくれたのは加納さんという在タイの日本人なのだけれど、とても良く面倒を見てくれた。こういう人と長く付き合ったらいい。今回のラリーのSS距離は218km。北海道を除く全日本ラリーなら3〜4戦分に相当する。いい経験になったと思う。来シーズンは日本でラリーに出てみなさい。

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中央が加納さん

ということでタイのラリーは無事終了しました。今回一つだけ「そうだったのね」と理解出来たことがある。第二次世界大戦中、日本軍は様々な場所で物資補給なく戦った。戦記を見ると明確に二つに分かれます。最も多いのが、物資無く戦わされたことに対する不満。こらもう今回の経験をしなくたって理解できること。

けれど稀に「苦境を語りつつも、オレ達は頑張った」という戦記に出会うのだ。物資不足の中で様々な工夫をこらし、終戦まで戦っている(もちろん途中で戦死された方の方が多いだろう)。こういった人達の戦記は「大変だったでしょう」と慰められるより「よく頑張った!」と言って欲しいと書いてある。100%理解できる。

不思議なことにベストを尽くせば達成感みたいなものが湧きだしてくる。私自身、そういった感覚を持てたことが不思議だった。同じ意志を持った仲間と一緒なら一層頑張れます。ラリー終わってタイの田舎を出発する際、なぜか「さ〜ら〜ばラバウルよ。また来るまぁでぇは〜」という『ラバウル小唄』を口ずさんでました。

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9 Responses to “タイ終わり(その5)”

  1. M2 より:

    タイのラリーお疲れ様でした。
    頑張りましたね、と人を評価するほど私は人を測れる素質持ち合わせていませんので。
    国沢さんの記事を読ませていただいて妙に共感できた部分がありましたので少し書かせていただきます。
    現在私は中国の関係会社に出向し「研究開発」という名のもと、研究開発はもちろんのこと、生産関係の面倒、技術営業などをおこなっております。
    しかしこちらにきてわかったのは日本の研究開発とは異なり、設備や人材、予算がすべて乏しく、結局自分の経験や勘、そららに基づいた創意工夫をしないと何もできない、ということでした。
    後で聞いたのは前任者はその状況で「この環境では何もできない」と判断し、現状改善のため本社に掛け合うことも、こちらで頑張ることもしなかったようです。彼は本社に戻った後、その部署で問題起こし1年経たずして地方へ転勤になりました。
    そのような状況で腐っても仕方ないので「だめでもともと、でも後悔したくないし自分のできる限りのことを少しずつやっていこう。「人事を尽くして天命を待つ」かな?」と思ってやっているとお客さんも仲間も、ローカルの面倒な社員も、そして結果も少しずつついてきている気がします。
    「ラバウル」のくだり、なんだかそのような点で共感もてました。
    今のタイや日本、特に東北の方は大変かと思いますが「何が何でも頑張る」というより「ぼちぼち頑張る」といいますか、厳しいですが与えられた環境できることあきらめず、一歩一歩着実にやっていくことが大切に思います。
    本当にお疲れ様でした。

  2. そわか より:

    無い袖は振れませんが、知恵はモノが無くても絞り出せます。
    苦境に立たされた時こそ、その人の資質が現れてきます。
    今回のタニマチを含めた国沢さんたちの行動と結果は、まだまだ日本にもできる人たちがいるのだなと実感させられました。
    本当に良くやったなと思います、感動しました。
    これからも、かんばろう日本&タイ!ですね。

  3. おし より:

    お疲れ様でした。
    レベルは違いますが、ポンコツ86で草レースをやっていた頃の事を思い出しました。
    タイの人達にもわかりやすい形で日本人の気持ちが伝わったとすれば、嬉しいです。

  4. スーパーマチコ より:

    親方・御子息揃って無事の帰還、それも素晴らしい戦績を上げた上で! 本当におめでとう御座います。整備部隊の方々を始め、支援に携わった方々も本当にお疲れ様でした!
    想像ですが、タイの方々の喜んでいる顔も浮かびました。タイは絶対に行きたい国になりました♪
    写真の息子さんの笑顔、ホント良い笑顔ですね。輝いてます。そりゃ楽しいことばかりではないのでしょうが、同年代の私としては、いい刺激になっています。いつまでも文句垂れてくすぶっておらず、自分の行動で周りを変えていくんだ! くすぶるほどの才覚もない自分ですが(笑)、気持ちだけは強く持とうと思います。
    親方達が見せてくれた不断の努力と苦境にめげない強さ。日本の多くの方に知ってもらいたいです! 今回も楽しいラリーをありがとうございましたm(__)m

  5. kine より:

    サービスでは毎回ハブナットを締めるのでしょうか、増し締め大切ですね。
    タイヤのサイドウォールがバネ代わりだったのでしょうか?。

  6. applefanjp より:

    ラバウル小唄・・・ステレオ好きだったオヤジが
    よく流していて、小学生のくせによく唄って
    近所のおっちゃんたちに褒められてたな〜。
    星が またたく あの星 みれば
    くわえ 煙草も ほろにがいぃ〜!
    って、国沢師匠のお顔が浮かびましたよ!

  7. アミーゴ5号 より:

    タイラリー、お疲れさまでした。また親子W表彰台、本当におめでとうございます。
    (*^▽^)/★*☆♪
    ただ支援の代わりに、鰻を頂く自己目標が未達なので、年内には果たしたいと思います。先程も頂きましたが、ホクホク熱くて柔らかく美味しかった〜。
    冬の鰻重、いけますね!
    (^-^ゞ

  8. 貴ちゃんパパ より:

    楽しく読ませていただきました。国沢様の思いが車にも伝わったのでしょうか。完走、おめでとうございました&お疲れ様でした。
    ついでにラバウル小唄の出だしは「さ〜らばラバウルよ〜」です。

  9. TAK Saito より:

    息子さんのお友達です。
    いつもお世話になっております。
    いやはや、自動車部だとは聞いていたのですが、
    まさかここまですごいとは…。
    もちろんお父様のことも伺っていなかったのでなお・・・。
    おめでとうございます!
    そんなガチガチのサスでその成績とは。
    私も自動車部でした。
    いまだに車いじりも運転もしております。
    負けじとドライビングを磨きます!!!

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