ラリーその3(望外の2位!)

いよいよ最終レグである。レッキで解っていたのだけれど、SS8〜10で使うコース、ドロ沼になっているコーナーがイチバン少なかった。しかも直角ターンながら、コース幅広いためライン取りを工夫したらあまり速度落とさず曲がれそう。下の写真を見ていただければ解る通り、コーナーとコーナーの距離が短いブブンもあります。

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後ろ側のテープから手前のコーナーまで直線

ということでウィッタヤ選手に一泡吹かせるなら1走目のSS8しかありません。インプレッサのハンドリングにモノを言わせ、地元の利を持ち、しかも380馬力のランエボ9に迫ってやろうぢゃありませんか! んなことを考えつつスタート! サーキットでタイム出すときのようにテール流さず走る! 全開全開常に全開ぢゃぁ!

ラリーというテール滑らせて走るというイメージが強いと思う。実際、サーキットと違って一発勝負。しかもコースマーシャルもおらず、オイルフラッグなんか無し。「何かあっても対応できるよう」走るには、コーナー入り口からクルマの向きを変え、アクセルでコントロールした方が安全である。ただコース解ってればグリップ走行です。

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弱アンダーでコーナー攻める!

するとどうよ! わずか1秒差ながら今回のラリー初めてのステージベストを出せました。状況を考えれば上出来でしょう! さすがだと思ったのはマリーニ選手。SS8を章典外で走ったのだけれど、路面状況が良かったこともありウィッタヤ選手と全く同じタイム。このコース、ドライタイヤでも十分イケるコンデションでした。

終わってみれば2位。これでポイントは微妙になってきた。仮にウィッタヤ選手が最終戦で優勝し、私リタイアで28点。現在の私のポイントと同じです。優勝回数も2回づつで同じ。完走回数も3回づつ。2位以下の回数も、私がリタイアしたら同じ。主催者に聞いたら「今までそんなケース、無かったです」。

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3位はGRB(新型)インプレッサ

シリーズチャンピオン2人というのも「う〜ん」。タイ人なら「それがいいよ!」といいそうですけど‥‥。いずれにしろ私のもう一つの目標が『キングスカップ』(優勝するとタイ国王の賜杯を頂ける)。加えて最終戦は国際格式なのでリストリクターも義務づけられるし。ウィッタヤ選手よりマリーニ選手です。

ちなみに最終戦はフィンランドから2人。ニュージーランドからも2人エントリーしてくるという。思い切り走って気持ちよくシリーズタイトルを決めたい。

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<青木さんのコメント>

いよいよラリー本番がやって来ました。ホテルの駐車場で行われたセレモニアルスタートには友達になった皆さんが朝早くから来て頂き大変有難く思いました。国沢さんのスタートを確認した後、レッキカーでサービスパークに向かいます。途中信号の関係なのか、サービスパークを目指すラリーカーに追い付くことができ、競技のために公道を走るラリーカーのカッコ良さにシビれてしまいました。

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ラリーカーの後ろを付いて走れたため、余裕を持ってサービスパークに到着。サービスインと同時に打ち合わせ通り、マッドタイヤへの変更と各部の最終確認を行いました。今回のラリーはサービスパークとSSが非常に近いため、サービスの合間は永田君とSS観戦に向かいます。

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SSでは国沢さんのアグレッシブさと車を極力壊さない丁寧さが絶妙にバランスされた走りや、パワー全開でちょっと後ろに逃げてしまうくらい迫力満点のウィッタヤ選手らの走りを見た後、サービスパークへ。走行後のサービスではボルト&ナットの増し締めを行うのですが、短いSSを2つ走っただけでも緩みが認められ、ラリーという競技の厳しさを痛感させられました。

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サービス後、SS観戦に行かないと余裕があるので次のサービスの準備を終えれば、比較的ゆっくり過ごせます。サービスの合間は打ち合わせをしたり、タイ人メカニックとワイワイ雑談したり、サービスに来てくれた人と話をするのも非常に楽しい時間でした。

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お昼のサービス後はSS5、6の観戦に移動しました。観戦はSSフィニッシュ直前でしていたのですが、SS6のフィニッシュ直前に国沢さんのエンジン音がおかしい! とにかくサービスパークへ戻ろうとレッキカーに乗り込んだ時、国沢さんから連絡がありラリーカーが止まっているロードサイドへ。症状を聞き、燃料関係が怪しかったので燃料ホースのチェックと対策をお願いしたところ、エンジンの鼓動が戻りました! ラリーに来る前から「リタイアだけは絶対にして欲しくない!」と思っていたので、エンジンの鼓動が戻った瞬間は嬉しいというより安堵の気持ちで一杯でした。

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このトラブルの後はインナーフェンダーがなくなるなど、ラリーカーのダメージが大きくなりつつあるところはあったものの、順調にラリーが進み、国沢さんは目標だった3位を上回る2位でフィニッシュ。自分が初めて(しかも海外で)携わったラリーカーと国沢さんが表彰台に上ってくれるなんて、これ以上の喜びはありません。

おまけにシャパンファイト後の表彰台で国沢さん、ヨーンさんと記念写真を撮り、ホテルまでの帰り道はラリーカーのナビシート乗せてもらうという、なかなか味わえないエキサイティングな経験をさせていただき、ラリー後も興奮しっぱなしでした(笑)。出発前は不安で一杯だった今回のラリーでしたが、ガレージでのクラッチ交換が始まってからは常に「楽しい!」という記憶しかない日々でした。

作業中緊張感が途切れることはないけど、タイ人メカニックと「ラリーカーを少しでもいいコンディションで国沢さんに提供する」という1つの目的に向かって、時にはワイワイガヤガヤしながらもみんなで夢中になって車を整備することができ、達成感で一杯です。それとダメージを受けながらもサービスでの作業をキチンと行えばラリーを完走してくれるインプレッサ(というか車)の丈夫さにも驚かされました。

今までラリーに関しては雑誌やテレビ番組に目を通す程度だったのですが、実際参加してラリーの魅力や素晴らしさを実感しました。今回のラリーを通して得た沢山の経験を普段の業務にも生かし、仲間にも伝えていきたいと思います。今回はこんな貴重なチャンスをいただき、ありがとうございました。国沢さん、何か困ったことがあったら連絡下さいね! (東京スバル 青木)

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3 Responses to “ラリーその3(望外の2位!)”

  1. kanbutan より:

      御大、2位おめでとうございます。 思惑通りに進んでいますね。 次回で気持良くシリーズチャンピオンになって下さい。 オフ会が益々楽しみになって来ました。 青木さんもおめでとうございます。 素晴らしい体験をしましたね。 是非オフ会で話して下さい。

  2. szk より:

    見ていてこちらも楽しいです。
    優勝できたら凄いですよね、頑張ってください[E:sign03]

  3. アミーゴ5号 より:

    国沢さん、青木さん、永田さん、2位入賞(シリーズチャンプ?!)おめでとうございます。
    ラリーのレポートを読んでいると、男の子の血が騒ぎます。数回のSSで、クルマのボルトがゆるむというのですから、過酷なスポーツだと実感しました。
    スバル車も素晴らしい。いつの日か愛車にしたいですね。
    次回は、攻め攻め攻めのアタックラリーとお見受けします。頑張ってください。

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