マツダのGベクタリングコントロールって効果あるの?

マツダの『Gベクタリングコントロール』について書いていなかった。ハンドルを操作した信号を受けると、エンジン出力を体感出来ないくらい瞬時&微妙に絞り、エンジンマウント縮め、前輪荷重するという制御である。最近注目し始めた「クルマの状態にテンション掛ける」という技術の一つ。解りにくい制御なのだけれど、このWebの読者なら理解出来ると思う。

本来ならエンジンマウントは硬い方がよい。競技車両作る際、必ず強化します。されど硬くするとエンジン振動を伝え、騒音も出る。そこで柔らかくするワケ。柔らかくし過ぎたら、ハンドル切った時にエンジンが揺れたり、ワンテンポ遅れてエンジンの重さがボディに掛かったりと、副作用を出す。振動の無い精度の高いエンジン+高価なダンパー使うドイツ車は、マウント硬め。

一方、日本車は全般的に柔らかい。だからハンドル切ってもグニャグニャ感出るし、結果的に直線を走っているときのハンドル切り量も大きくなり、左右方向にグラグラしがち。Gベクタリングコントーロールはハンドル操作を検知して瞬時にエンジンマウントを緊張させるという技術である。これならエンジン振動&騒音を抑えつつ、ステアリングレスポンスを追求可能だ。

また、普通ならハンドル切った時に横方向のGをイッキに出す。Gベクタリングコントロールの場合、エンジンマウントを潰すことにより、ハンドル切り始めは斜め前方にGを出し、コーナリング中に横方向へGを出し、立ち上がりで斜め後方からGが消えていく。乗っていると穏やかに横Gが出始め、穏やかに消えていく。これをエンジン制御だけでやってしまうのだから素晴らしい!

ちなみに上手なドライバーは自然にこういった運転をしているため体感しにくいかもしれない。けれど上手でない人の運転だとハッキリ効果解ります。本来ならいつもテンション掛けておければいいのだけれど、快適性や燃費を犠牲にするケースも少なくない。といった意味では、快適性や燃費をキープしつつ、シャッキリしたハンドリングのクルマを作れるのだった。

今回はエンジン制御ながら、Gベクタリングコントロールのような技術をサスペンションやステアリング、ボディ剛性の考え方などに使ったら素晴らしい。ハンドルやアクセル、ブレーキの操作を同時進行でにキャッチし、タイムラグ無しで最適のテンション掛けておくという技術を使うことにより、ハンドル握った瞬間「これはいい!」というクルマになると考えます。

4WDの制御技術といいGベクタリングコントロールといい、マツダには光る技術も多いです。妙なトコロで調子に乗らず、頑張って欲しい。

 

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