GM破綻

客観的に評価すれば3年前に終わっていたGMながら、あれだけ大きな企業になると土俵際で相当粘れるものだと感心しきり。ちなみに3月時点での負債額は1728億ドル(17兆円弱)だと発表された。韓国の2008年度の国家予算に相当するから凄い! 日産がルノーに取られた時の負債額の10倍です。

今後どうなるか? 間違いなく言えるのは、400万台程度(クライスラーと合わせれば550万台程度)の市場が空くということ。ここをフォードと日本、韓国
勢で埋めることになる(欧州勢は増産が難しいので厳しい)。今後1〜2年程度は景気の低迷でクルマの売れ行きも落ちるだろうが、日本の自動車メーカーにとって明るい話題になるだろう。

ただ難しいのが心構え。勝ったらから、と土足で乗り込んじゃいけません。細心の注意を払い、出来ればアメリカ人に「ありがとう」と思われるような姿勢を示さなければならない。トヨタがハイブリッドのPRでホンダを殴ったようなことをしちゃアカンです。トヨタにはぜひ空気を読んで頂きたく。

西洋人が好むチェスと日本で栄えた将棋のルーツは同じだけれど、決定的な違いを持つ。取った駒を自分の戦力として使えるかどうか、だ。西洋人は敵を味方に付ける、というコンセプトがあまりない。切って棄てるワケ。対して日本は仲間に迎え、一緒に戦わせる。「買収」を好まないのは、一体化するのに時間が掛かるためです。

新生GMも新しい技術が無いとジリ貧になってしまう。現在開発中のハイブリッドや、GM期待のボルト(シリーズハイブリッド)もロクなもんじゃない。何より燃費悪いです。
必ず日本の技術を必要とする状況になるハズ。その時の対応も失敗しないようにしなくちゃならぬ。上手に対応できれば、自動車は日本が覇権を取れます。

というか、覇権を取って環境にやさしく安価なクルマを世界中に供給すべきだと思う。それが地球や人類のためになります。

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2 Responses to “GM破綻”

  1. アミーゴ5号 より:

    将来、今を振り返って、
    「あの頃のトヨタは凄かった」ではなく
    「あの頃のトヨタは偉かった!!」と
    言われるようになって欲しい。
    今まさに世界の自動車業界が、
    パソコンのように画一的な規格の業界になるか、
    多様性に富み趣味性を備えた業界になるか、
    の瀬戸際にある様に感じています。
    一番怖いのは、
    トヨタが純粋に企業最適を追求していくと、
    何の悪気もないままに
    前者になってしまいそうだという事です。
    「多様性を活かすも殺すもトヨタ次第」であると
    思えてならない今日この頃です。

  2. アマチュア部員 より:

    日本の自動車メーカーが作るクルマのメインマーケットは、これからも北米や中国になってしまいそうですね。
    まぁ、私のようなクルマ好きは少数派なのかもしれませんが、Bセグメントの少々高級感のあるクルマの登場を待ち望んでおります。(VWの次期ポロのような)
    さて、今週の土曜日は茨城県つくば市にある日本自動車研究所(JARI)の一般公開日です。
    去年は各社の電気自動車をコース内で運転させてもらえたり、モード燃費測定のシャシダイナモでの運転をさせてもらえたり、クルマ好きにはたまらないイベントが盛り沢山でした。また、ダミー人形を乗せた衝突実験など、普段見れないテストを見ることもできました。
    入場無料でこんなイベントがあるわけで、ドライブがてらに行く価値ありだと思います。(個人的な価値観ですが)
    ところで、GMのボルトは効率が悪いのでしょうか?
    プラグインハイブリッドはコンセプト的には一番、使い勝手がいいように思いますが高効率じゃないと無意味ですよね。

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