タカタ問題、正念場へ
下の写真はロールケージ付きミライの室内です。鋭いヒトなら「あらっ?」っと思うことだろう。そうです。普通、メーカーが作るクルマの競技用シートベルトは、緑のタカタ製。締め心地良いですから。なのにミライを見たらウィランズ製が付いていた。もちろん意図的にタカタを使わなかった、と考えるべきだろう。
緑のシートベルトではない
製作する際、誰かが「シートベルトはタカタでいいのか?」となったのか、できあがった後で「これどうなの?」みたいなことになった、と推測する。やはりモリゾウさんがシートベルト締めて乗ってる写真を使われた時にデカくタカタと書いてあったら良い方向では無いな、ということです。これがタカタの状況を物語っている。
リコールの内容についちゃ大手メディアに任せます。大局的に考えると、直近のタカタの判断はあまり良いと言えない。少なくとも表向きはアメリカの顧客(と議員と弁護士)の方向を見ていないように感じさせる(アメリカ以外の顧客はおとなしい)。このまま収束するとは思えない流れになってきちゃいました。
ここにきて割と同情的だった自動車メーカーが少しずつ距離を置くようになってきたように見えます。というのも騒ぎが大きくなれば、当然のことながら大訴訟騒ぎになってしまう。今回の規模を考えたらタカタは破綻する可能性もある。こんな時、アメリカ社会は体力の無いタカタに賠償を負わせるということにならない。
というか破綻したら1ドルも取れないです。今後、体力のある自動車メーカーに責任を負わせようとする方向に向かうだろう。いろんな意味で扱いが難しい局面に入ってきた。もし全米でリコールを出せば、当然の如く部品は間に合わない。その間、爆発する可能性のあるクルマに乗りたくないだろう。
一方、アメリカじゃクルマの無い生活など考えられない。代車を出せとか、レンタカー代を負担しろ、みたいな話になってくること間違いなし。その時に発生する費用は誰が持つのか? タカタは時間を確保して部品を増産し、少しずつ規模を広げて対応しようとしているのだけれど、果たして思惑通りにいくだろうか。
そう遠くない時期に自動車メーカーは独自判断をすることだろう。
追記・上の記事は4日の早朝に書いたのだけれど、表示する前にタカタは全米を対象としたリコールを行うことを同意したということが判明。とりあえず最初のハードルは超えたと思います。次は大量のリコール対象車が出たのに交換部品が無い、という大きなハードルに立ち向かわなくちゃなりません。
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