レクサスGX460
問題になっているレクサスGX460(ランクル・プラドの兄弟)の動画を見た。見事にテールスライドしてます。最初に見た時の率直な印象は「限界特性、けっこういいですね!」。しかし! 本来なら姿勢制御装置VSCが稼働してなければならない状況。VSCのヒューズを抜いたのか、と思いました。
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動画です
(音が出ます)
でもコンシュマーレポートと言えばアメリカで最も信頼されているバイヤーズガイドだ。お金で動く南イリノイ大学のアン・ポンタン教授と違う。ヒューズ抜いて「アブナイだろ!」はやらないかと。そう思いながらもう一回動画をチェックしてみたら、興味深いことに気づい
た。ブレーキランプが点いてないのだ。
GX460は中国でも販売されている
記事を読むと「アクセルもブレーキも踏んでいない状態」だと言っている。ここで二つの「う〜ん」があります。一つは「通常のテストじゃ行わない状況ですね」。普通、この手のテストを行うときはブレーキペダルを踏む。というか、公道だと100%ブレーキ踏んでいる時に起きるだろうハズの挙動であります。
もしかするとトヨタのテストチームがこの状況のテストを行っていなかったのかもしれません。ちなみに私はテストコースで試乗したら、VSCの味見のため必ず行うテストです。私みたいなオタンコな乗り手であれば、ワインディングロードでも「ありゃりゃ? どうしてVSCが稼働しないの?」と思うだろう。
プリウスのブレーキ抜けと同じく、コンシュマーレポートの主張通りVSCが稼働しない可能性もある。「ブレーキペダルを踏む」というトリガー(きっかけ)が無いと、ブレーキ圧が立ち上がらない、ということ。動画の車輪を見ていると全くブレーキ制御が入っていないのだ。普通のVSCならあり得ないです。
トヨタ側も問題だと判断したのか、世界的にGX460の販売を停止した。ランクル・プラドは対象外なのでV8エンジンだけに起こりうる状況なのかもしれない。もしクロールコントロールのシステムと関係しているなら、同じくV8を搭載しているランクル200系もVSCが稼働しない可能性出てくる。
二つ目は「普通の人なら全く心配ないですね」というもの。ブレーキ踏まないでテール流すなんてこと、D1ドライバーかラリー屋さん、オタンコなヒョウロンカくらい。雪道だと普通のドライバーでも抜けるプリウスのブレーキと違い、相当な意地悪テストである。コンシュマーレポートの「買うな!」は大げさ。
もしかすると米国
トヨタの対応がコンシュマーレポートを怒らせたのかもしれない。おそらくコンシュマーレポートは米国トヨタに動画を見せたと思う。その時点で誠実に対応し
ていれば「危ないから買うな!」という表現にならなかったろう。この件、危険性の有無と関係なく、問題は広がっていく可能性大。
60km/h
制限の道で61km/h出したら違反だろ、と原理主義者に言われれば、反論出来ませんから。どうしてトヨタは上手にメディアと付き合えないのだろうか?
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いつも貴重な情報をありがとうございます。
動画のようなドライ面とは条件違いますが、雪道のカーブでブレーキ踏まずにテールが流れてしまうことは普通にあります。そういう時もVSCが動作しないとしたら、それはそれで問題な気がします。
しかし、VSCなしで慣れた雪国ランクルユーザが乗り換えても気にしないかもしれませんね。
トヨタの広報渉外関係を長年務めた方が定年退職したが、後任が育っていなかったと、噂で聞きました。
真偽はわかりませんが、まことしやかに聞こえる最近のトヨタの対応ぶりです。
何事も問題が起こらないのは当たり前ではなく、誰かが未然に食い止めていたりするものです。
今回の件はアメリカでも物議を呼んでいるみたいですね…
今回ばかりはコンシューマーレポート(ユニオン)の「Don't buy」という判断は行き過ぎだと言う意見が多い様に見えました。
しかしトヨタの対応の素早さと謙虚さを評価したいと思います。
↑販売台数がまだ5000台と少ない為、一気に片付けた方が安上がりって打算では無いと思いたい。
実験映像ではハイトコントロールで上げてますか…ね?
あの慣性ドリフト状態も、ラテラルロッドの配置上左コーナーでは続かないだろうと思いますが、要はVSCの反応についての問題提起でしょうから…
以前のサムライやトルーパー、モンテロを思い出しつつ
長文乱筆失礼しました。
僕もこれはドリフト屋だけに起こる現象ではないと思います。
「ブレーキペダルを踏むというトリガー(きっかけ)が無いと、ブレーキ圧が立ち上がらない」としても、トヨタはまた「ブレーキを踏め(踏み増せ)ば良い」と考えていたとか?(^^;
プリウスの一件も含め、昨今電子制御が益々複雑になっているにもかかわらず、どうも全体を評価する人間がいないようで、それが問題の本質のような気がします。
ランクルのような重い車でテールスライドなんて思いもつきません!、雪道なら道の上には居ないでしょう。
そこからすると動画のランクルの安定性はたいしたもんんだと思ってしまいます。
私はVSCの装着された車に乗ったことがないのですが、限界が高くなる分こえた時が恐い気がします。
北米在住です。最近日本車の宣伝に比べてヒュンダイとVWとアメ車の宣伝が目立つような気がしますけど、笑ったのが某アメ車メーカーが毎日盛んに宣伝してる自動駐車の宣伝です。
これはご存知のように数年前から実用化されている技術なのに、あたかもこのメーカーが開発した最新の技術であるかのような映像です。Self parking car commercialで検索してみてください。
このレクサスGX460用のVSCは、低ミュー路でのドリフト時の唐突な同装置の作動に伴う乗り手側のコントロール面の戸惑いを和らげて、彼らが従来「乗り慣れた」車両との間の違和感を覚えさせないために必ずしもフル作動でないことも考えられるのではないか。
こうして見てみるとVSCの制御も非常に難しい課題が山積で、一筋縄では行かないことが判ります、同じくレクサスLS関係のVGRS(電子制御ステアリングシステム)の制御同様。
このVSCのセッティングの修正に一気に動き出したトヨタの姿勢は謙虚で、つい先程までの「驕り」が緩和して企業倫理を取り戻しつつあることが伺えて大いに喜ばしい。その一方で、アメリカのコンシューマーリポート側の騒ぎぶりもどこかアメリカ的で、衆愚政治的なマスコミ主導の「ネオ・ファシズム」的要素が見え隠れして印象的と言えよう。
さて、このレクサスGX460シリーズ、先程ネットでドイツはミュンヘンの並行輸入業者のブログをチェックしたところ中々まとまった台数が並行輸入で同国に入っていると見え、75000ユーロ前後とメルセデスのGL350CDI(211/224ps)とGL450(V8 340ps)の丁度中間、絶妙な価格設定でした!! こうして「高速社会ヨーロッパ」の顧客に相当な金額を払わせるクルマなだけあって、低ミューのアウトバーン高速巡航におけるレーンチェンジからコーナリングに至る各シチュエーションの中でのVSC作動の設定がなおさら問題になることが予測できます。なお、CO2排出量は4.6L/305psにして300g/km+と、同クラスの新型ポルシェ・カイエンSの200g/km台半ばに比べ一歩を譲っている模様です。まあメルセデスGL450とは対等で、性能を考えれば合格点ですが一層のクリーン化に期待しましょう、北米並行のみにとどまらずEU仕様を今後開発してメーカー自ら売り込む意志があればなおさら。
PS(追補)
この他、上記のミュンヘンの並行輸入業者のリストには欧州では市場がありそうもない「横置きFF大型セダン」レクサスES350(3.5/276ps)が53500ユーロにて新車並行で販売されており、アウディA6 3.0TFSIを上回りメルセデスE350に迫る高価格、いかにフル装備とはいえ強気ですね(笑)。また2006年に製造されたレクサスIS350(明らかに北米並行)の在庫が4台も掲載されており、どうやら同ディーラーが当時並行でまとめて入れた個体が再び中古車として店頭に並べられた模様です。
印象深いのはこれら4台のIS350は年式故に4万〜7万km走った個体であるにも拘らず34000ユーロ〜40000ユーロと、各々BMW325i(3.0/218ps)や同330i(272ps)の新車価格並となっており、中古でも価値が持続するほど信頼性が高いレクサスという側面を象徴している様相です。
それでなくともこのIS350の新車価格は欧州で50000ユーロ前後と言われ、VWパサートR36を上回りメルセデスC350CGIやサーブ9-5 2.8Tと並ぶ以上は、そうした彼ら顧客層(正規以外の並行でもあえて手に入れたい客層は尚更のこと)の期待を裏切らないために品質や車両のセッティングに本腰に次ぐ本腰を入れて行って貰いたいと切望します。「原石磨かば光らず」正しく言い得て妙ではないでしょうか。