LS600hのハンドル
フジTV『とくダネ』の取材でステアリング系のリコールに問題出ているVGRS(ギア比可変のステアリング)付きの
『LS600h』に試乗した。10km/h程度の速度でハンドルを右一杯切って旋回。そのまま直進状態にすると、クルマはまっすぐ走っているのに、ハンドルだけ左方向を向いている。
そのまま直進し続けると、最大2秒程度で「カクカクカク」とステッピングモーターのような動きでハンドルは直進状態に戻ります。また、ハンドルが左方向を向いた状態の時に停車すると、タイヤ真っ直ぐなのにハンドルだけ左に切れている、という妙な状況になってしまう。誰でも普通じゃないな、と感じるハズ。
興味深いことに車両説明書を見ると、こうなることはキッチリ書いてある。購入時にディーラーの営業担当が説明していれば何ら問題なかった。レーンキープサポートなども、本来の能力は「車線をキープする」こと。されど使って見ると普通に裏切られます。プリウスの自動バック装置だって信頼性極めて低い。
加えて症状出るのはフル転舵した時だけ。車庫や家の周囲の道路事情などでフル転舵する機会が無い人だと全く体感できないだろう。といったことを考えれば「クセの範囲」と解釈することも出来る。取り扱い説明書に明記してあるくらいだから、国交省だっ
て認識した上で認可したと思う。
とはいえレクサスというブランドを考えればカッコ悪いことだし、トヨタ内部でも相当の論議になったことは想像に難くない。こんな症状、出ないのが普通。対策も考えたに違いない。結果「簡単に治るような内容じゃなかった」ということである。役員の誰かが「仕方ないか‥‥」と販売を認めたのだ。
ここからが問題。国交省としちゃ「安全に問題無し」と認可したシステム。リコール決まったかのように報道されているけれど、国交省は受けるかどうか不明。もう一つ気になるの、プリウスのブレーキの時のように制御コンピューターの書き換えで済むのかどうか、だ。出来るならとっくにやっていたでしょうから。
今回の件、最近のトヨタが出した不具合の中じゃ内容的に最も軽微。でも対応は一番難しいと思う。対策品の開発にも時間掛かる。その間、ずっと販売を休止するのだろうか? 手みやげでも持ってユーザー全てを訪ね、理由を説明し、理解してもらうのが最良の対応法だと私は考えます。
プリウスの時と同じくお客さんに対する対応が悪かった、ということ。トヨタの営業力も落ちてきたか?
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ステアリング バイワイヤのために、昔の機械式のハンドルじゃ起きるハズもなかったこんな不思議な現象が起きるんですよね。
説明書に書いてあるってことは、そういう「仕様」ということになるけど、そんなの普通の客は気が付かない気がします。制御ソフトのバグでも無いのかな。
対応、結構難しいんですかね。
うわ!それって仕様なんですか。そういう現象を気持ち悪いと思わず、そのまま出してしまうセンスが良くわかりません。
カムリやプリウスの件も含め、章男社長は「顧客対応に問題があった」と考えているようですが、僕はトヨタの商品開発力に問題があるように思えてなりません。
いつも楽しく読ませて頂いております。
レクサスLSのVGRSの不具合について、以前からクレームがあったみたいですね。検索すると色々出てきます。VGRSとの構造的な違いは知りませんが、ホンダのVGSでは同様な問題が起きていないのは何故なんでしょう。
どう贔屓目に見ても、クルマたるもの、ハンドル、アクセル、ブレーキには、不自然な挙動があってはならないと思います。
レクサス品質も、チリや塗装の見かけばかりに気がいって、肝心要なクルマの基礎をないがしろにしているように感じられます。
しかも説明書きに書いてあったとは・・・直すのに金がかかるのはわかりますが、80万の軽ならまだしも、いったいいくらのクルマでしょう?
日本の技術の粋を集めた最高級車を名乗るなら、そんな言い訳がましい情けない事はしないで欲しい。
フロアマットやプリウスまでは、いろいろあって大変だけど頑張れトヨタ!と思っていましたが、今度ばかりは確信犯だけに、無性に腹が立ちます。
それにつけても、プリウスの時もそうでしたが、自ら実証して事実を伝えてくれる国沢さんの取組みスタンスは、クルマ好きにとっては本当にありがたいし、頭が下がります。
車が暴走するわけではなく安全性に問題ないからOKという判断ですかね。でも、いくら説明書に書いているとはいえ、おかしな症状だと思います。営業マンの説明不足は、そのとおりだと思います。説明不足というより勉強不足で理解していないのかもしれませんね。
反面、車に限らず、きっちりと説明書を読まない人は多いように思います。機械が進歩するにつれて人間がルーズになっていると思います。ABSやエアバックが出始めた頃にも”作動しない”といった文句?が多かったように思います。
レクサスのステアリング不連動現象は、
基本的にはハンドルを一杯に切った時なんですね。
600hオーナーが走行中、ハンドル切っているのに真っ直ぐ走る恐怖を語っている報告を掲示板やブログでかなり見ました。
敷地でハンドル位置だけ戻らないならまだしも、
普通の走行中に道を曲がってから、
ハンドル戻し角度と本体角度が全く変わって事故寸前というものも有りました。
微妙に違う現象なのか、同じ現象で更に悪化したものなのか…
レクサス販売店や本社からクレーマー扱いされて、裁判の準備するとか書いているものもありました。
(さすが600オーナーの財力か)。
数と世論が高まる迄だんまりなのは毎度のことですが、
今のネット時代に直前まで不具合存在否定の販売店、本社説明は時代錯誤ですよねぇ。
無い、あなたの勘違いと断言してしまったらやはり法的にも拙い感じもします。
(PS:ラジオ無くて残念で御座います)
レクサスLS用のVGRSについて、制御機構の問題を持ったまま商品化してしまった所にトヨタ側の社会的責任が疑われると思う。
ステアリングを切った後に車体が反応せず大きなズレを残したまま動く….これは乗り手からすれば非常に戸惑ってしまう特性である上、いかに取扱説明書に書いてあるからといって人間の五感までがそれについてくるか保障はなかろう。
切ってからのタイムラグ、戻してからの角度のズレ….これらは制御システムの煮詰め、調整によっては避けられたことであると考えるに、「法的に違反にならないから」「国土交通省からOKが出たから」といって製品化してしまうのはどうにも確信犯だし、「とにかく台数をさばきたい」という袖の下の鎧が見えるようで収まらない。
これ以外にもプリウスの回生→油圧ブレーキへの切り替え時のタイムラグ(1sec程度あった)など、昨今のトヨタ製品は客の使い勝手を考えた煮詰めを怠り、自社の側の販売台数の帳尻合わせの方を優先させているとしか思えない現象が多く、それが最近のリコール騒動という形でバチが当たったに違いなかろう。
今回のレクサスLSのステアリングバイワイヤ式のVGRSについてどのように設計変更・調整変更が行われるか。既に取り組みは始まっていると思うがトヨタも消費者目線を軽視して大いに信用を失ったことは間違いない。
それ以外の点ではこのレクサスLS、非常に煮詰められたエンジニアリングで精度は非常に高く、高性能と静粛性の両立に関しては小生も買っているだけに、こうした高性能を誰でも安心して味わえるべくVGRSの制御機構を完成させ、バランスさせて出直すことが望まれる。
彼女「LS」はFセグメントの桧舞台でメルセデスSクラスやBMW7シリーズ等の強豪と真っ向対決し、一定の成果を出していることは大したものだと思うし、事実ノーマルの460(385ps)でも0-400m=13.8sec/0-100km/h=5.7sec(この他13.5/5sec台前半のポテンシャルさえあると聞く!)の激速ぶりと9km/l台も困難ではない低燃費を両立させ、まして600hのハイブリッドともなれば445psのシステム機構で0-400m=13.75secという驚異的データで2.3トンの巨体が突進するわけで、熱効率に関しては世界トップレベルの一角を成すと確信できよう。そうした高効率を万人が操れるように煮詰め、高度な安全性とともにリリースすることこそトヨタ側の企業倫理を明確にし、顧客の信頼を掴む手立てではないだろうか。