価格競争勃発?

自動車メーカーの生産台数が穏やかに増えてきている。トヨタ自動車などは4回目の上方修正を行った結果、今年度の生産台数を当初予想の620万台か
ら730万台とした。9月まで史上空前の生産台数だった昨年の710万台を超える事は確実な状況。本格的な回復には遠い状況ながら、最悪期は脱出したと思う。

というより、中国の景気が中折れせずに現在の状況をキープできれば、2009年度の決算は大幅に赤字を減
らす事が出来るかもしれない。いや、もしかすると収支トントンに持ち込める可能性すら出て来た。日産やホンダ、富士重工(国内は厳しい)なども堅調であ
る。この間に海外に工場の移転をすすめ、体力を付けようとしていることだろう。

ただ国内の状況は相変わらず厳
しい。景気そのものが上向きにならないからだ。構造的な不況になりつつあるんだと思う。中でも顕著になりそうなのが「勝ち抜け」。これまでは景気良くなると、全般的に良くなった。けれど今後起きるのは「勝者だけ利益を上げられる」ということである。格差はますます広がっていくことだろう。

興味深い事に、今後2年ほどは革新的な技術も間に合わない。現在販売している車種で勝負しなければならないのだ。特に軽自動車で顕著。三菱自動車やスバルも価格や企画で勝負すれば十分勝ち目ある。ハイブリッド車などを除くと知恵の勝負、と言い換えてもいい。勝負開始のゴングは12月16日発売のスズキ・アル
トか?

乗用車グレードの最安値は70万円前半だろうけれど、商用車仕様が気になります。

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2 Responses to “価格競争勃発?”

  1. tm256 より:

    国内では、クルマを取り巻く環境を政治で変えなければこのままジリ貧というかクルマ離れが続くと思います。
    例えば、維持費。軽自動車でもガソリン、保険、税金など何やかやで結局4〜5万円は掛かりますよね。
    地方では足として軽でも無いと生活できないですが、首都圏や京阪神など都市圏では公共交通機関があれば足としてクルマを買う必要がありません。
    それどころか、お金ばかり掛かる割に会社勤めだと土日しか乗らないのでは、費用対効果が悪すぎるということに殆どの人が気がつき始めていると思います。もちろん我が家もクルマは持ってません。(以前、保有していたことはありますが。)
    なので、EV/PHVを中心に維持費をゼロかそれに近い水準に抑えるような施策を打ち出すというのが一点。
    あと、クルマへの需要を創出するには、地方分権や首都移転によって、東京一極集中を止めないとダメでしょう。
    仕事が東京から地方に移動し、人々が地方に徐々に移動すれば、クルマが無いと生活できないため、必然的にクルマの売上は上がります。
    今の政権か次の政権にそこまでできるかは疑問ですが、それくらいのことをやらない限り、基本的には買い替え需要しか無い日本の自動車市場が大きく回復することは無いと考えます。

  2. ゴン より:

    スズキはしたたかと言うか絶妙なタイミングでVWとの提携やら新型車を出してきますね。
    企業として抜群の勘を持っているような気がします。
    これくらいの規模の会社だと柔軟性が高いんでしょうか?外資っぽい考えの会社だからVWと組んでこれからも価格勝負してくるでしょうね。
    軽で利鞘稼いでる会社にとっては脅威でしょうね。

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