被害状況その2

22日のTOPで「自動車メーカーが負った被害は甚大」と紹介した。その後、新しい情報を入手する度に深刻度が拡大してい
く。もしかして工場の生産再開は4月中旬以降になるかもしれません(本格操業は年内一杯掛かると思う)。というのも阪神淡路や中越地震で受けたダメージと
全く違うからだ。

一つは津波。普通の地震であれば損害を受けた箇所だけ修復すればいい。けれど津波受けた工場の場合、根こそぎ持って行かれてしまった。残った機械類だって全て塩水を被っている。福島から岩手県沿岸の工場は壊滅状態と言ってよい。当然ながら操業再開のメドが立っていないとい
う。

原発近辺の工場は、肝心の従業員が集まらない。被ばくを恐れ、すでに完成している部品を取りに行くことも出来ないそうな。こうなると今までと同じ場所で操業すべきか、それともいつになるか全く解らない原発の収束を待ってから再開すべきか大いに迷う。大半の部品メーカーが決めかねている状態。

全く被害を受けていない地域の工場(海外を含む)まで操業出来ないのだから深刻だ。猛急に復旧や移転などの対策を行っているものの、必要な部品をフル生産するまで半年以上掛かることだろう。リチウム電池も被災地域の工場から調達している特殊な素材が多く、これまた稼働を続けられない。

日本にとって期待の星だったECOカーはリチウム電池無しじゃ成立しない。やっとアメリカ向け輸出を始めようとしていたリーフはこれに巻き込まれた。少なくとも夏まで本格生産に入ることが出来ないかと。ニッケル水素電池の増産だって不可能。だからこそプリウスワゴンの発売が延期に。

でも諦めることなんか無い。今までも「半年かかると言われた復旧作業が半分で済んだ」みたいな話など枚挙にいとま無し。このあたりが日本の強さです。現状は強いパンチ喰らってアタマがクラクラしている状況ながら、立ち上がれば早いと思う。幸い国家と違い統率能力は高い。もう少しの辛抱だ。

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3 Responses to “被害状況その2”

  1. れいぶん より:

    復興支援策が固まるまでは、被災した方々も動きにくいでしょうね。
    工作機械が生きているところ、代替が可能なところは一時的に移転してもいいのかもしれません。
    今ならおそらく、日本中に閉鎖した工場があるでしょうから、経産省あたりが斡旋して家賃無料で操業してもらえば、被災者の状況改善にも資するかもしれません、、、、、
    といっても、日本の中小企業の得意とするスペシャル部品はスペシャル工具で作られる例が多いでしょうから、そう簡単には行かないでしょうけど。
    長引いてもらっては困りますが、特に福島の場合は一時的に移転した方がいいのではと想像しています。

  2. tonpochi より:

    九州のトヨタ工場でハイブリッド車の製造が始まりました。
    しかし、アンチ原発の波が押し寄せているようで、定期検査で運転を停止している玄海原子力発電所(佐賀県玄海町)2、3号機の運転再開の延期が決定したようです。
    これが夏以降も続けば、九州でも計画停電になる模様。
    朝日新聞記事:http://www.asahi.com/business/update/0324/SEB201103240012.html
    同様なことが中部電力でも
    読売新聞記事:http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110324-OYT1T00093.htm
    こういうことが連鎖的に発生すると、日本は深刻な電力不足に陥ります。これをカバーするために現在休止している石油火力発電所が随時再稼動して行くと思われますが、この原油高。電気料金のアップは避けられないでしょう。
    また、鳩山さんが公約したCo2削減の公約はかなり困難になるのではないでしょうか。

  3. UPA より:

    全く関係有りませんが今日初めてリーフに遭遇しました。
    加速音はモーターそのものといった感じでちょっとした感動物でした(笑)
     
    現在の自動車は白物家電と同じくメーカー製品では無く、他社のパーツを組み合わせて作る出来合いみたいな物←極端な話 1/1 のプラモデル…メーカーがパーツを張り合わせて完成みたいな
     パーツを作ってる工場が復活しない限り自動車産業は厳しいかと思います。

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