妥当な報道が必要
円の単独高について楽観論を述べる人が少なくない。日本の輸出依存度はわずか20%なので気にすることなどない、と言う人まで居る。我が国のメディアや報道を見ていると、悲観論と楽観論ばかりで「妥当な読み」はほぼ無し。なぜか? 面白くなければニュースとしての数字が取れないからに他ならない。
そもそも20%という数字をどこから持ってきたのか不明ながら、妥当だとしても、全く経済や産業、貿易が解っていない。日本で生産するモノと輸入するモノ、そして内需産品はそれぞれ違う業種である。10年掛かって円高になったのなら、それなりの対応方法もあろう。けれど急速な為替変動だと追いつけず。
こう書くと同じ製品&部品を日本と海外で作り、為替変動したら比率を変えればいい、みたいな意見も出る。そいつをやるには就労者の増減が必要。やっぱり日本だと許されない。そもそも内需は貿易黒字があってこそ一定の規模になるのであり、外貨を稼ぐ企業の元気無ければ消費も低迷してしまう。
これだけ早く為替が動いてしまうと、もはや追いつけず。最終的な判断は「日本のウエイトを低くする」というもの。つまり円が動いても影響ないようにする、という方策。分かり易く言えば日本脱出です。今や続々と日本脱出計画が動き出した。以前に「計画中」と書いたけれど、手遅れになりつつある。
「為替はコントロール出来ない」という意見もあります。これまた半分正しい。でも視点を変えたらどうか。為替はコントロール出来ないけれど、その気になれば国がリスクヘッジをすることだって可能。円が高くなったと時に可能な限り外貨を買い、安くなったら手放う。その差額をバッファにしてやればいい。
石油だって備蓄することにより、急激な価格変動を防止できる(実際は為替や原油相場によって敏感に動くのであまり機能していない)。外貨も同じ。そのくら
いの政策を打たない限り企業の日本脱出は止まらないだろう。インテリジェンスのある政府なら、見え見えの策でなく企業を守れるかと。
良い材料は「日本人のポテンシャル」だ。転んでも起き上がれると信じている。NHKを見たら、第2次世界大戦の際、アメリカで強制収容所に入れられた日本人移民は反乱の代わりに美しい庭を造り続けたという。そんな前向きの国民性を持つ国などマレ。追い込まれたら強いし、
精神的な面白さも持つ。
日本企業だって同じ。追い込まれたら様々な知恵が出てくることだろう。私ですらいろんな策が思い浮かぶ。もっと優れた脳みそを持つ企業人など山ほど居る。ということで私は日本の将来を心配していない。政府に付いて言えば痛みを少しでも減らせる策を講じて欲しいと願っているだけです。
また、なんで自動車メーカーが踊り場に居るかと言えば、簡単。新しいことを行おうとすると出現する保守勢力や、原理原則にこだわりすぎる現主義者、自分の思いままにしたい怪僧ラスプーチンなどが元気だからだ。浮くチカラより足を引っ張るチカラの方が強い。良いチカラを応援したいと思います。
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賛成です。テレビとか最悪な報道の最たるものですよね。視聴率のみ!例えば渡り官僚や大震災時の経済産業省付きの保安委員、みのもんたは朝から怒ってて、共感を呼んどきながら、その許せない官僚を、局の威信にかけて国とその官僚に、司法、裁判にうって出て、国民の血税として正しい報酬なのか?とことん追求してほしいですが、絶対にしないし。そこまでは報道の仕事じゃないですとゆわれたらそれまでですが…。後某自動車メーカーもハイブリッドカーの基幹部品を中国で生産とかメイドin.China中国にいくのかあのメーカー日本切り捨てか。ゆってたことと違う!売国奴メーカーだったか…お似合いだし、現状じゃしょうがないか…抵抗感ありありですが。中小企業も生き残りをかけて海外へ…。技術流出、技術の中心はもう中国かぁ、まあ、希少資源のレアメタルに始まる、希少資源など電池やモーターも、少なくとも地球に優しくはないけど。だけど公平な評価以上に日本ではもてはやされるし?考えは人それぞれですけど、少なくとも今は妥当な報道はいい事です。が、日本はもっと危機感を持つべきです。先生も自分の場所である媒体や、お仲間か、知る由もありませんがメーカーと仲良し的な解説的誉めすぎ自動車評論。そろそろ考え時では同業者として?生意気な意見でしょうが、端からはそう見えます。
各自が対応しなきゃあならない現状なら、役人や議員の削減に反対する材料はありません。
カムリは、いきなり北米向け輸出を中止です。
この為替レートなら、納得です。
現地部品の使用率も8割超だとか…(;_;)/~~~
加工貿易国って、子供の頃習いましたょ、日本は。
輸出依存度について、過去、投稿させていただきました。
'09年度の輸出依存度:11.4%、輸入依存度:10.8%。
でどころは総務省:統計局です。
(総務省のHPで公開されています)
私が気になっているのは、TV・新聞など謝った報道をしているのではないかということです。
「日本は貿易立国」と言われていますが、それのでどころがわからないのです。
報道を見ていても具体的なデータや根拠が無いように思います。統計局のデータを見るとそうは思えないからです。日本の所得収支も増えていますし。
円高も同じ。長所・短所で比較することなく単に輸出企業にとっての側面しかみえていないように思います。過去の円安時代はどうだったのか、確かに輸出企業の利益は向上したかもしれませんが、本当に国民生活は向上していたのでしょうか・・・。
市場が世界になった以上、輸出を増やすと自動車貿易摩擦のようなことが再発するのではと思います。
また、以前にスズキの会長が「夜勤で募集すると人が集まらない」とインタビューで言われていました。
なので、円高にならなくても、海外生産比率があがるのは、ある程度仕方のないことではないかと・・・。
個人的には日本から素晴らしい車をどんどん輸出してほしいとは思いますが。
まとめると、
・報道に誤りがあるのではないか
・全てのことにおいて、ある一部分しか見ていない
(全体を見ていない)
・楽観・悲願というより、国民の不安をあおり増税路線を突っ走ろうとしているのではないか
と、いうことです。
最後に。
現在の状況において、国内向け国債のおかげで国民の資産(貯金の利子)が増えていることは知っておくべきことだと思います。
すみません、ダラダラと書いてしまいました。
自分なりに楽観論・悲観論の様々な本を読み勉強したつもりですが、仰るとおり、わかっていない部分は多々あると自覚はしています。
そのうえで、自分自身の勉強という意味も含め意見を述べさせていただきました。