日本の工場の実力

現在日本の自動車メーカーで最も重要なテーマとなっているのは「どの程度の生産能力を日本に残すか」だと思う。もっと言え
ば「日本でどのくらいコストダウンできるか?」と「今の円高はいつまで続くか?」である。日本の生産コストは驚くほど安い。確実に世界トップクラスだと考えます。韓国や中国より強い。

仮に1ドルが100円(78円)。1ユーロ120円(95円)。1ウォン10銭(7銭)になったら、どこの国で作るよりコスト競争力高いです。しかも日本の生産ラインって凄い。作れる車種や、台数に対するフレキシビリティの高さたるや、圧倒的に世界一。サプライヤーの能力も高いので、どんな要求も受けてくれるのだった。

ちなみにタイ国で生産しているホンダのスクーター『PCX150』は、予定
より圧倒的に多い受注を得たそうな。すると納期「いつになるか不明」になってしまった。部品のサプライヤーが全く対応できないのだという。「月に1000
個作って」を2000個にしても対応できない。タイ国だけでなく、それが普通なのだ。

日本のサプライヤーなら「2000個にしてくださ
い。出来ない? ソコを何とか御願いしますよ」という電話一本で何とかなってしまう。円高がいつまで続くか解れば、日本から逃げ出さない可能性だってある。ただ2年円高が続いてしまったらお手上げ。だから海外に出て行く。その一方で全て海外生産にする気など無し。

もう少し深く書くと、日本から多少製造業が出て行っても問題ない。以前も書いた通り団塊の世代の現役引退により日本全体の就業者数は減るからだ。また、若い世代を見ると製造業を
嫌う。最大で20%くらい工場が減っても問題ないだろう。というか工場を残し過ぎたら労働力不足になって労働コスト上がる。

そのあたりのバランスを考えてる、ということ。加えて日本に残す工場は徹底的にコストパフォーマンスを追及してます。エネルギー問題も含む。電力会社から買う電力は、そう遠くないウチ、原発事故の補償費用や、原発の廃炉費用など上乗せされるので、驚くほど高くなるだろうコトは想像に難くない。

一方、効率のよい最新の天然ガスタービンを新規に入れた発電施設は過去のしがらみ一切なく、さらに安価な天然ガスを使う。電力会社から買うより圧倒的に安い電力になるハズ。こいつを使えば世界と勝負しても十分に競争力を持てることだろう。なにしろ日本のポテンシャルはやっぱり高いのだった。

国沢光宏はナニがいいたいのか? 企業も個人も、この数年を生き延び、さらに15年間くらい続く高齢者社会を低コストで耐えられる手段を見つけたなら、相当明るい未来になるだろう。先見性のある企業は着々と準備をしている。国に頼らず技術を磨き、コストの引き下げに投資したものが生き残れます。

・ECOカーアジアは「トヨタPHV、アメリカで強敵登場!

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1 Responses to “日本の工場の実力”

  1. さね より:

    そうなのかぁ、そこまで優秀とはさすが我が国日本! 工場、サプライヤーが優秀でも最近の新型車スカイアクティブ、電気自動車一応まあアイサイトでスバルもいれて、をのぞいてしょぼいからなぁ… コストダウンは結構だし将来的な工場稼働率も結構。それだけが目的になって新型なりMCなりの自動車、商品戦略や企画などしょぼいのばかりになってるのが問題な気が…。マツダ今は危機的状況ですけど、大風呂敷なとこもありますが、他社も自動車屋魂としてみならうべき所あると思います。一例で今までのツケはあるとして、マツダみたいな暑苦しい自動車製造業がなくなると、ほらみたことかスマートにメカニズムは使い回し適当に無理せずいきゃいいのにムード一色になったら終わりの始まりだな。 ecoカーの記事でもハイブリッドも危ういしなぁ。問題は新しい高効率なエンジン、変速機、車体やサスペンションなど使い回しばっかでワクワク感がない日本車が多すぎる。FT86なんか直4、3リヤサスなんかリジットやストラットで安く新規に開発して、それこそ激安でよかったのになぁ。結局工場は素晴らしくてもでてくる作られた自動車が良い物じゃないと、日本車の未来は心配だなぁ。これからやるんでしょうが新しいこと、でも結局、米欧州車に周回遅れな気がしてる気がしてる今日この頃です。工場、サプライヤーが可哀想だな優秀なだけに。大手自動車メーカーに新規提案しても、コストがぁとか、新しくてもたいして変わらないし無意味とか従来の部品を安く叩かれまくってるのかな? 大事にしてほしい物です。されてるのかもしれませんが… 頑張ってほしい日本の製造業。

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