文字通り「走る実験室」状態。ドリームE号やスバル360の箱根の登り伝説を思い出す

燃料電池車にとってレースは文字通り「走る実験室」であります。なんたってアクセル全開で走りきれない。ガソリン車の黎明期に「箱根越え」というのがあった。ホンダ・ドリームE型やスバル360の開発ストーリーで広く知られていると思う。サーキットに於ける燃料電池車の状況は箱根の山登り前夜の状況。クルマ好き冥利に尽きますワな。

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予選スタート前に作戦会議。昨年同業の菰田兄が富士スピードウェイを走った時のデータ見ながら、どやって走ったらいいか考える。ライバルは日本自動車大学校のミライです。なぜか私のミライよりヒートしにくい。50kgくらい軽いためかもしれません。当然ながら軽いとラップタイムにも有利。アクセル全開タイムは120秒。3%軽いとすれば、3,6秒か。

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ということで予選は9位。リーフやi3より遅いです。ここにきてリーフ用のパワーアップキットが出回り始めている。電気自動車も走る実験室をやっているのだった。予選終わってホンダ・クラリティの開発責任者である清水さんとトヨタのミライ開発関係の人とで燃料電池談義。前回のツインリンクもてぎで熱の問題出なかったクラリティも、今回セーブモードに入った。

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電気自動車レースは予選と本選の間に長い充電タイムがあるため、ヒマ。ということで今回はレンタルカート大会をやりました~。体重あるためカート嫌いながら、喜多見さんも同じくらいだというので勝負してみることにした次第。ちなみに喜多見さん「オレはサスペンション屋だからダンパー付いてないカートにゃ乗ったことが無い」。軽くやっつけておきました。

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日本自動車大学校の学生さん達がミライを見にきたのでロールケージの説明を。ここにきてクルマ好きの学生さん達が増えてきたということで嬉しい。もはやクルマ嫌い世代は完全に過去のモノになりましたね。今の若手はクルマにスゴク興味を持っている。日本の復権は彼らの世代が担う。その気になってくれれば伝えられることはたっくさんあります。

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コースインの時は、さらにその次の世代がクルマを押してくれました。彼らの世代は親がクルマ好き層。一段と頼もしい! 最近レンタルカート好きの小中学生が増えてきているそうな。自動車メーカーが小中校生向けの特別割引など始めてくれたらいいのに。発電機エンジンのレンタルカート+減らない中華タイヤならランニングコストだって安い。

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厳しい修行になったレースの結果はクラス2位の総合3位。予選をノーマルタイヤで走った片山右京さんが「出来ればレースはグリップのよいタイヤで走りたいですね」というので、私が持っていたBSポテンザRE71Rを履いてもらった。すると2,5秒もタイムアップ! 加えて3レース目。レース終わった後の減り具合も良好。今回走ったミライ、全てRE71Rでした。

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悔しいことに日本自動車大学校の金井選手に2,7秒差で負け2タコ。何とか車重ハンデを冷却性能のアップとサスペンションで埋めるべく頑張るしか無い! 箱根越えじゃ無いけれど、アクセル全開で50kmのレースを走れたら、燃料電池の技術は確実にワンステップ上がると思う。表彰式は皆さんからの強いリクエストでやむを得ずこのカッコで。

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      写真/日本自動車大学校

予選でノーマルのミライに僅差で勝ったクラリティはどうなったか? 前述のように右京さんがBSポテンザRE71Rにしたためポンとタイムアップ。加えて熱によるセーブモードに入ったため苦戦。右京さんより57秒も遅れてしまった。ポテンシャルしちゃミライと良い勝負だと思うのだけれど、育てようという気持ちで負けている? ドリームEの熱き魂、今や無い。

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